格闘ゲームの必殺技で鬼退治【完結済】   作:アールエー

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無惨に必殺技をぶち込みたくて書いた小説です。


その八 無惨、出現!

一人で夕餉を頂き、火を消して布団を被る。

懐には無理言って買って貰った短刀。残念ながら日輪刀どころか数打ちの安物だけど。

何時に来るか不明なので、座禅を組んで気を整える。

夏に来るのなら、日焼けして殺意の波動に目覚めるんだが、今の肌は生っ白いのよね。

いや目覚めるか分からないけど。

 

日が落ち、辺りは暗闇に包まれる。

雪が降ってる為か、風がないせいか、酷く静かな夜だ。

 

本当なら無惨が襲来してから家族を逃がす計画だったが、先に全員避難して貰った方が良いよねっと説得した。上手くいって良かった。

後は鬼舞辻無惨に会い、目的を聞き、逃げて鬼殺隊に保護を求めると。

鬼舞辻無惨に狙われているとなれば、鬼殺隊も手厚く保護してくれるだろうし。ひとまず家族の安全を担保するのが、今作戦の最終目標だ。

 

…母ちゃん、変に頑固だから、素直に保護されるかな。そういう意味では直接無惨を見て貰った方が良かったかも…。

いいや!やっぱり生命の安全には変えられない。これで良かったんだと思おう。

 

そうこうしている内に、時刻は真夜中に差し掛かった。

シンと静まる外に、微かにベベンっと音が響いた。

 

「…来ましたね…」

 

私は立ち上がり、静かに時を待つ。

やがて扉から叩く音が聞こえた。

 

「夜分申し訳ありません。旅の者ですが、道に迷いまして。軒下を貸して貰えませんか?」

 

うわ、アニメで聞いた無惨の声だ!

頭を垂れて蹲え、平伏せよ!とか言ってたやつだ。

無惨もこんな芝居をするんだ…。

 

「それはお困りでしょう。少しお待ち下さい」

 

そう言って扉を閉めている木の棒を外す。

もちろん、直接ではなく竹竿を使って遠くからだ。

外してカタンと音が鳴った途端、扉を破って触手が飛び出した!うわ、タコ辻無惨だ!

 

私は雨戸を蹴破り、外に飛び出す。扉といい、弁償しろよ無惨!

 

「ずいぶん、乱暴なお客様ですね…。どちら様で?」

 

扉の前に居たのは、洋装にハットを被った、鬼舞辻無惨だった。アニメから飛び出したみたいな姿形だ。

くそっ無駄に美形だな!

 

「ほう…ここには何匹か実験動物がいたと思っていたが…生きの良いやつがいたか」

 

「…はあ?実験動物??」

 

無惨はゆっくりこちらに近付いてくる。

 

「お前らの中に、日の耳飾りをしたやつがいるのだろう?恐らくあやつの子孫に血をふんだんに与えたら、太陽を克服できる鬼ができると期待して来たのだが…」

 

無惨はまた一歩近付きながら、チラリと家の中を見る。

 

「どうやら、実験動物は一匹だけのようだ…」

 

最早、無惨は目の前だ。

 

「この鬼舞辻無惨の糧になるが良い。簡単に死んでくれるなよ?」

 

そう言って腕を振り上げ、こちらを刺そうとしてくる。完全に勝ち誇って。

しかし、こっちは何も言ってないのに、ベラベラ目的や名前を喋ってくれたな〜。

油断し過ぎなんだよ、無惨様?そこは既に、私の射程距離内だ!

 

「超、山嵐!」

 

瞬時に無惨と密着し、一本背負いしながら空中に高く、回転しながら舞い上がる!そして回転の速度で炎を出しながら、無惨を地面に叩きつけた!!

 

「ぐはぁあ!」

 

家を壊すわ実験動物扱いするわ、迷惑千万な無惨様!ゴングはとっくに鳴っているんだぜ!

 

 




「超山嵐」
ファイターズヒストリーに登場する嘉納亮子の必殺技。動作は作中の通り。吸い込み範囲が広過ぎる。
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