転生したので傍観する事にしました。─結局巻き込まれて草生えた件について─ 作:シャリシャリえのき
BLEACHの世界へ転生したがわかったのがつい数ヶ月前の事。
今ではすっかり慣れてしまい、このクラスの皆とも何となーく馴染んでいる自分がいる。もしも私が涼宮ハルヒだったなら歓喜したに違いないが、私はモブなので1ミリも原作にかすりはしない事は確か。
だから傍観しよう。
彼等の物語を···と言うのは建前で非力な自分がいた所で何も変わらないって話。介入しようともそんな力1ミリも無く、あえて転生した時に授かった物と言えばただの霊感だけである。
物凄いはた迷惑な物である。
だって、人が亡くなった時の姿でそこに佇んでいるのは未だに慣れない。元々ホラーが苦手(怖い話は好き)だけれども、この間なんて夜の自販機でジュース買ったらお釣りが落ちちゃって、拾おうと思ったら血だらけの顔半分に長い髪が張り付いたお姉さんとバッチリ目が合ったから、思い切り悲鳴を上げて逃げたわよ。どこのミンナノウタよ(詳しくは観ていなかったが)。その後、家に戻って塩風呂に入ったのはつい最近の話だ。
「なぁ···」
何てもんもんと考えていると、私の後ろから主人公の黒崎一護くんに問いかけられた。
「何?黒崎くん」
「いや、···言いずれんだけど···ちょっと肩叩いていいか?」
そう言えば···重い気がする。
知らないうちに取り憑かれてしまったのだろう。
黒崎くん見えるもんね。
「あぁ、ゴミ付いてた?お願いします!」
「お、おう」
私は黒崎くんの行為に甘えて除霊してもらおうと、そのまま背を向けてお願いした。こう言うのは慣れた人がやった方がいい。私はと言えば、見えるからと言っても除霊はした事が無いのだ。
せいぜい、お伊勢さんのお清めスプレーをするくらい(ただ凄く効く)だ。
後は幽霊を見たく無い、と言う事もある。ゴミと言ってしまったのは申し訳ないが···。
肩に軽くぽんぽんと黒崎くんの手が触れた瞬間に、肩が軽くなるのがわかった。ついでに何か温かいんだよね。黒崎くんが除霊した後って。主人公だし、何らかの力なんだろうけど、私はとりあえず「ありがとう」とお礼を述べた。
「ねーねー、黒崎くん怖くないの?」
クラスメイトの女子(アニメには出てきてない子)に話しかけられた。確かに、背も高いし額に寄った眉のせいと髪の色で誤解はされてしまうかも知れないが···まぁ前世から知っていると言う事もあり、私は怖くない。
「無いよ。黒崎くん、優しいと思うよ」
「え」彼女は私の言葉に驚いて固まったけれど、私は笑ってそう返した。
引かれたかなと思うけど、私には関係の無い話だ。だって、ただの傍観者なのだから。