転生したので傍観する事にしました。─結局巻き込まれて草生えた件について─   作:シャリシャリえのき

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原作に混じる

 

「おはようー!」

 

朝の登校時間、少し早めに来た私はせっせと匂い袋を作っていた。中身はオーソドックスにラベンダーを入れた。後は袋の上を縫い上げて、リボンで縛って出来上がりだ。ラベンダーのドライフラワーだけでは匂いが足りないので、オイルを少しだけ垂らしている。うん、いい匂いだ。

 

「うっわー!!可愛い〜···!!それにいい匂い···」

 

先程元気よく入って来た井上織姫、織姫ちゃんが私の机までやってくると、机の上に広がった布切れやリボンに目をやり匂い袋に興味を示したようだった。

 

「おはよう、織姫ちゃん···、それは?」

 

私は織姫ちゃんに改めて向き合ってから、ふと足に包帯が巻かれていたのが気になった。もう、あの話まで進んでいるらしい···漫画やアニメで見るのとは違い、痛々しいアザの後はハイソックスで誤魔化しているようだけれど···。

 

「あぁ、コレ?あたしったらドジだから、昨日転んじゃって!」

 

「えへへ〜」と笑っているけれど、痛かったでしょうに。

 

「織姫ちゃん、両手を上にして手を出して見て?」

 

「へ?うん」

 

「良かったらもらってよ。他にも色々作り過ぎたから」

 

私は先程作ったラベンダーの入った匂い袋を渡した。ちょっとでも気が休まればいい。まぁ、作り過ぎたのもほんとだ。

 

「え、そんなぁ!貰えないよ」

 

「いいのいいの、いつもテスト勉強で分からない所教えてもらってるしね。足、早く良くなるといいね」

 

これもほんと。

織姫ちゃんの教え方は上手いと思う。聞けば嫌な顔一つせずに教えてくれるから、頭の中身が残念な私が逆に申し訳ないと思う。転生者だから楽勝だろ?と思われるかも知れないが、底辺舐めんな。勉強?何それ美味しいの?って感じで学生時代を過ごして来た。

 

「···ありがとう。大切にするね」

 

織姫ちゃんの綺麗な手が、大事そうに匂い袋をぎゅっと包む様子を見て、嬉しくなった。原作には介入出来ないけど、少しだけでも元気付ける事が出来たなら、とは思う。

 

「いいっていいって」

 

手をヒラヒラさせて振った後で、織姫ちゃんは自分の席に戻って行った。

 

「おはようございますわ。逢田さん、それは何ですの?」

 

「おはよう、ルキアちゃん。匂い袋、もし良ければ貰ってくれる?いっぱい作り過ぎちゃって」

 

織姫ちゃんを見送った後に、ちょうどルキアちゃんが登校して来た。そうだなぁ···ルキアちゃんのイメージは和の花だ。桜、椿、蓮華、桔梗、水仙、紫陽花···ルキアちゃんって赤も似合いそうだけど、やっぱり白だよね、と私は水仙の花の匂い袋をルキアちゃんに差し出した。

 

「これは···、逢田さんが本当にお作りになりましたの?」

 

あれ?何か警戒されてる。ただの何の変哲もない匂い袋なんだけど。

 

「うん。簡単なんだよ。布の両端縫って、ドライフラワー入れて口を塞いでリボンで巻き付ければ、完成」

 

私が差し出した匂い袋を、しばらくルキアちゃんは眺めていた。

 

 

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