あやまることはできないけれど 作:作者の人そこまで考えてないと思うよ
私の親は多分馬鹿だ。
何も私が愛され過ぎて困っちゃうとかで
それもあるかも知れないが、普段から会話の節々、行動、家具の配置にさえそれが滲み出ている。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎いといったところか。一度気になってしまったら、それ以降の小さな事でも目についてしまう。
だから私の主観では『私の親は馬鹿』なのだ。
極めつけは私の名前。
「感
だから「
これを聞いた時には、ほとほと呆れた。否、この時に爆発したから嫌いになったのか。今となってはどちらでもいいが。
5歳か6歳の時までは、その愛を一身に受け、一般的な良い子ではあった筈だ。
謎に歴史があるらしい我らが
個性が目覚めた瞬間に人が変わった。そういう話ではないのだと思う。ただ、それも一因である事は認めよう。
私は親と同じ
そう悟るのは早かった。でも同じ
否。あの頃は親に、誰かに認めてもらいたくて、褒めてもらえるように頑張った。
母の薙刀を見取り、父の鍛冶をどうにか学ぼうと奮闘していた。
何も無い所から薙刀を振り回し、舞い踊っているかの様な足運び。その場の静謐な空気が好きだった。
「もう趣味でしかない」と苦笑いしながらも、炉を真剣に見つめる眼差し。その時の灼ける様な熱が好きだった。
母の様に、その手に武器を喚ぶ事は出来ないけれど、武器を手に取って舞うなり何なり、ある程度様になってはいた筈だ。
一番得意なのはとりわけ弓だ。
『射る』というのはなかなかにやりやすい。私だからだろうけれど。
父の様に、鉄を自在に操るような事は出来ないけれど、その打った刀を持つ事はさせてもらえた。
持たせられないと言われていたのに、私が勝手にそこら辺の
そんな風に親の真似事をして、どうにか追いついてやろうと、どうにか並び立ってやろうとしていた日々の中で、ふと気付いた時があった。
「あぁ、私じゃあ追い越せないな」
色々な事が出来る筈の
ただ一点を見て進んできた両親には及ばない。
そんな凄い母と父の想いを継ぐ子にはなれない。
共鳴し共振し共感する為のものだと
親の心が
まぁ、長々と語ったが単純な話。
『こんな私を育ててしまった親は馬鹿』だというだけの事だ。
僕の娘は多分天才だ!
何も僕が親バカ過ぎて「僕の娘、超可愛い!」とそう言ってる訳じゃあ無い。
それもないとは言えないけれど、普段から会話の節々、行動、視線の運びにさえそれが滲み出ていた。
一を聞いて十を知るといった感じに。少し教えてみるとまるで既に知っていたかのようにすぐ理解してしまう。
だから僕の主観じゃ「僕の娘は天才」なんだ!
産まれてくれた日を思い出すなぁ。
「感
ねぇ、「
これを教えた時には、どう思ってたかな?あの時はすぐ部屋から出て行ってしまったから、実は嫌だったのかな。
小学校に入る3ヶ月前だったかな。謝名が階段で転んで頭に大怪我を負ったって聞いて僕は気が気じゃなくて、
あの頃位から謝名は大人に近付いた。雰囲気が変わったとまではいかないし、それまでも神童と呼べる位凄かったけどね!
僕と那岐さんとは似つかなさそうな個性。
(僕はそもそもいつ使ってたのか分からない位だったんだけど……)でもそれとは関係無しに僕らの後を追い駆けてくれた。
普段聞き分けの良い謝名が僕らの
那岐さんに頼まれて謝名が扱う用の武器を隠れて造った。サイズが一緒でも子供が持てる様な重量にしたりと気を遣った。
最終的に僕の専門外の弓がお気に入りになったみたいで僕としては複雑だったっけ。
僕の鍛冶技術は大部分が個性頼りだけど、一連の流れや伝統は守っているつもりだ。
きっと謝名なら個性無しでも凄い刀が打てる。って思うのは流石に親バカが過ぎるかもな。
子供の6年間っていうのはやっぱり濃密なんだろうね。中学生になる頃には、もう目線が上じゃなくて前を見ていた。
「私、ヒーロー目指すから。」
謝名ならなれる!僕も応援する!それでも、
正直に言うと少し反対したい自分が居るんだ。
危険なところに、僕らの手の届かないところに行ってほしくない。
でもそしたら僕らの願いすら叶わなくなってしまうから。名付けた想いが曖昧なものになってしまうから。
まあ、ごちゃごちゃと語ったけれど結局の話。
「僕の娘は最高のヒーローになるだろう!」って事さ。
思い立ったから気力があったけれど、きっとこれは続かないかもしれない。