あやまることはできないけれど   作:作者の人そこまで考えてないと思うよ

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初登校です

雄英の校門を潜る。

これだけの為にどれだけの人間が集まって来たのだろう。

学生をヒーローの卵、それどころか有精卵と呼ぶ人もいるのに。もうヒーローになった気になっている者もいるかも知れない。

一般的なヒーローというのは、つまり普通の人間(一般)に知られているヒーローという当たり前の事を忘れている人もいる。

知られてから人気が出るまで。知られるまで。しっかり仕事が出来るまで。ヒーロー免許を得るまで。仮免を貰うまで。そして、ヒーロー養育校に入るまで。

果たして彼らが()()()ヒーローになるまでに、一体どれだけの道のりが待っているのだろう。

一体どこで『満足して』しまうのだろうね。

 

いけない、普通に私の気が滅入ってきた。

皮肉も自分に返ってきたら世話ないよ。

実際、私はもう少ししたら満足しそうな予感すらあるのだが。まぁ、それは置いておこう。

 

さて、今の私が目指すべき教室は……あった。

願わくばあまり人が固まっていないと良いなぁ。

後から会話に入るのは苦手なんだ。

 

「おはよう!やっぱり受かってた!アタシ芦戸(あしど) 三奈(みな)!よろしく!!」

「…えっ。あっお、はよう。あし、ど、さん?」

 

っわー。受け身を願ったのが神様に届いたとでも言うのか。向こうから話し掛けて来てくれた。もう速攻で。私の心の準備がまだなのに……

ホント、そういうとこだぜ神様。

ん?すっごい見て来る。えっ何かやっちゃいました?

……いや、逆に何もしてないのか。

 

「私、は。五葉(ごよう) 謝名(さな)。仲良く、してね」

 

こちらも名乗らねば無作法というもの。

アイサツ、ジッサイダイジ。

どうやら効果的だったようで芦戸さんは目を輝かせながら(たぶん。元がアレだけど雰囲気キラッキラ)握手してくれた。よし、楽しく話せたな。

そして握手のまま手を離さずに教室の中心に向かって行く…芦戸さん?!この手は?何故?

 

「みんな〜、この娘がさっき言ってた0ポイント倒してた娘!」

「おぉ!マジか!凄ぇな!こんな小せぇのに……漢だぜ!!オレ切島(きりしま) 鋭児郎(えいじろう)!よろしくな!」

「見た目に囚われるのは浅慮だとは思います、が……コホンワタクシ八百万(やおよろず) (もも)と申します。お見知り置きを」

 

「……ぁ、えっと、よろしく」

 

うーんマズい。

以前からのコミュ障陰キャ要素が前面に。

こんなに脳内では饒舌なのに!どうしても声にならない。

ア°ッ向こうで爆殺卿がこちらを睨んでいらっしゃる!明らかに目を付けられた!

 

「なにっ!()()()0P敵を倒したと言うのか!?あぁ、すまない。俺は飯田(いいだ) 天哉(てんや)だ。よろしく頼む」

「よろしく〜!そだよー!謝名ちゃん凄いんだから!バッ!って前に出て来てこう…弓矢でバシュッ!!って!一発だったよ!!」

「一矢であの巨体を…電気系の個性?それとも矢に何かが?…あっ、すみません五葉さん。妄りに詮索するものでもありませんわよね」

「ゃ、だい、じょうぶ…」

「謝名ちゃんあの後すぐどっか行っちゃったから…転んでた子もお礼言いたかったって言ってたよ!」

「ぁ、うん。助け、られて、良かった」

 

本当に良かった。

流石に教師陣が監視しているだろうし何かしらのセーフティーがあって然るべきだろうけれど、それでも、目の前に私が助けられる人がいた。

手が伸ばせないなら仕方ないで済ますけれど、ああいう場面で無視は出来ないというものだ。

 

「あ、の後は、個性の、反動で、ちょっと…」

「確かにそうだよな!あんだけデケェやつ仕留めんのはキツいはずだぜ!」

「しかし、それは褒められるべき行為だ!彼といい、試験の仕組みに気付いていなかったにしろ僕達が目指すヒーローの形なのだろうな。だが、五葉君もお礼はしっかり受け取った方が良いと思うぞ」

 

ガンッ

 

「さっきから聞いてりゃよォ、アノ0P敵ブッ潰して調子ノってそうだなオイ。地味チビ、勝負しろや」

「ヒッ…ぅ、あ。わ たし…?」

 

ビックリしたぁ……ビックリした!

そんな最初から突っかかって来なくてもよくない?まぁまぁ距離あるのに…

てか威圧的すぎるよ……

 

「おい、君!机に足を掛けるな!」

 

え?飯田君、そこ?

 

「雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないとは思わないのか!」

「思わねぇよ、てめぇドコ中だよ端役がぁ」

「ぼ、俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」

「聡明ェ?クソエリートじゃねえか、ぶっ殺しがいがありそうだなァ?」

「なっ!ぶっ殺し甲斐!?君ヒドイな本当にヒーロー志望か?」

ケッ

 

ぉ、おお〜

見たことある会話だぁ(感動)

飯田君は私を守る為に出てくれたのか少し怪しいところだけれど、一応感謝しておこう。

そしてその会話が出たと言う事は……

 

ガラガラ

「む、君は…」

 

キター!

我らが主人公君ですねぇ。

流石に感慨深いものがあると言うか、リアルを感じると言うか。

 

ていうか今更なんですけど、砂藤君居ないっぽい?

名前順で前が【口田(こうだ)】→【五葉(ごよう)

私の席が1番後ろだから左の列の先頭が【砂藤(さとう)】になる筈だけれど、そこにいるのは【障子(しょうじ)

…ここにいるのって砂藤君だったから良かったけど、私だと前見えないね!口田君背ぇ高いね!

 

 

 

「あの、五葉さん?大丈夫ですか?入学式などはどうなるか分かりませんが、担任の教師には従った方がよろしいかと」

「…ぅえ?っと、あれ?何処行く、の?」

「グラウンドです。お話聞いていらっしゃらなかったんですか?」

 

あちゃー席順とか、砂藤君の事とか考えてぼけっとしすぎたかな。

貴重な先生の初登場シーンが……

いや、これから個性把握テストだって言うのに、しっかりしないと。

 

「ぅうん。だいじょう、ぶ。テスト、頑張らなきゃ、ね」

 

いざ、グラウンド。

私はどのくらい記録を出せるだろうか。

 

「…あっ五葉さん!更衣室は向こうですわ!」

 




漸く謝名ちゃんが人と喋った。
話し方が思ってたのと違う……
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