黒龍の転生者、白兎になる   作:馬です

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プロローグ~黒から白に~

ここはシュレイド城跡地、そこは戦場と化しており一人の狩人(ハンター)と一体の黒龍が死闘を繰り広げられている。

「はぁああああああああああああああああああああああああああああああっ‼」

「グルゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ‼」

互いに咆哮(たけび)を上げ、己の全てを賭けて眼前の敵を屠ろうとする人と龍の激突は激しさを増すばかり。

狩人(ハンター)が太刀を振るい黒龍の身体に刃を刻み込む、黒龍も爪と牙を剝き出しに襲い掛かり、口から全てを焼く炎を吐き出す。

そして、何日も続いた死闘はついに終わりを迎える。

「これで終わりだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああっ‼」

「グギャァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ‼」

狩人(ハンター)の魂の雄たけびと共に振るわれた渾身の一太刀によって黒龍は地に伏せた。

幾万年と生きた伝説の黒龍の幕引き、最期を看取った狩人(勝者)は息を引き取った黒龍を見ながらぽつりとこう呟く。

「もし、もし万が一黒龍(お前)が人間として生まれ変わることがあれば酒でも酌み交わそう。好敵手(とも)よ」

狩人(ハンター)のその世迷言のように聞こえる発言に対して事切れたはずの黒龍の口角が僅かながらに釣りあがったように見えた。

黒龍の名はミラボレアス、“禁忌”“伝説の黒龍”と呼ばれる古龍種の中でも一線を画す古龍だ。

これにて黒龍の物語は終わったかのように思えたがしかし、これにはまだ続きがあったことは誰も知らない。

何故なら、狩人(ハンター)と死闘を繰り広げ討伐された黒龍(ミラボレアス)が実は転生者であり、その役目を終えたはずの魂は娯楽好きの愉快神によってまたもや異世界の別の肉体へと憑依させられた。

黒龍の魂の受け皿として選ばれた肉体の持ち主の名はベル・クラネル。

英雄と謳われるはずだった少年が神の身勝手な娯楽の駒として選ばれ運命を歪められ、黒龍の魂と共に生きる物語である。

 

 

 

 

 

ようやくだ、これでやっと解放される…。

俺は狩人(ハンター)と戦い散った黒龍ミラボレアスとして転生した転生者だ。

何故、ミラボレアスに転生したのかというと神の部下である天使の一人がミスって俺の魂の書類をシュレッダーで細切れにしてしまったことが原因だ。

それなのに神の奴に選択権無しでモンハン世界の黒龍ミラボレアスに転生させられたその上に数多の狩人(ハンター)と戦う運命を押し付けられてしまった。

まぁ、その結果俺はその世界で必要な強さを手に入れることが出来たから嬉しい誤算ではある。

更に俺は当時相当に気が立っていた時、シュレイド王国を滅ぼしてしまっていた、あの時は本当に理不尽すぎてイラついてたから八つ当たりをしてしまった…。

とにかくだ、これで俺もようやく楽になれる…そう思ってた時期もありました。

「どういうことだよ、これは…⁉」

今、俺の目の前には畑が広がっていた。

「ベル、どうかしたのか?」

俺の近くで畑仕事をしていたであろう老人が話しかけてくる。

ベル…?今、この爺さん俺の方を見てベルって呼んだのか?

その時、俺は水撒きのために置かれていたバケツに恐る恐る顔をのぞかせると水面に映る姿は処女雪のように白い髪に血のように赤い深紅石(ルベライト)の目をした兎を彷彿とさせる少年だった。

「{原作主人公(ベル・クラネル)}かよ~~~~~~~~っ⁉」

その事実に俺は心の中で叫ぶことしかできなかった。

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