黒龍の転生者、白兎になる 作:馬です
「…」
俺は部屋に引きこもっているヘスティアを神ヘファイストスに任せて街へと出ると、見回り中のアーディと遭遇した。
「あっ、ベル‼あれ、一人なの?ヘスティア様は一緒じゃないの?」
「落ち着け、ゆっくり喋れ。今は一人で街を見ていた、ヘスティアは昨日の闇派閥の非道で部屋に閉じこもっている」
「そうなんだ…」
ヘスティアの事を話すと、アーディは少し落ち込みを見せる。
「こればかりは仕方がないだろう、何もアーディのせいじゃない」
「うん、ありがとうベル」
そんな会話の後、俺はアーディと共に見回りに参加する。
「でも、見回りに参加して本当に良かったの?」
「あぁ、オラリオに来たばかりでどこに何があるのかも把握していないんでな。この見回りで把握しておきたい」
「そっか」
そうやって話をしながら歩いていると、アーディが何かを見つけた。
「あっ、リオン‼ベルに紹介するからついて来て!!」
「あぁ」
そうして、俺は【アストレア・ファミリア】と接触することになったのだった。
「リオン!」
「アーディ、なぜいつも抱きつくのですか!?」
アーディは【アストレア・ファミリア】の
「えへへ」
「笑って誤魔化そうたしないで下さい!!」
確かにこの光景を見ていると、末っ子だなと思った。
「そこの子供、なにを微笑ましそうに見ているのですか? まるで幼子を見守る親のような目を止めなさい!!」
おっと、見すぎてしまっていたようだ。
「リオン、紹介するね!この子はベル、所属は昨日オラリオに来たばかりの【ヘスティア・ファミリア】」
「ベル・クラネルだ、よろしく」
「私は【アストレア・ファミリア】所属のリュー・リオンと申します。はい、よろしくお願いしますクラネルさん」
互いに挨拶した瞬間、悲鳴が上がる。
「いやぁあああああああああああああああああああああいあああいああああああああッッッ!!」
『!?』
突然響き渡る悲鳴に周囲は混乱し騒動が大きくなる。
「
「街の人を避難させないと!!」
「またか」
三者三様の反応をしながらも即座に動き始める。
「アーディ、私は
「うん、じゃあ私は街の人の避難誘導をするね!!」
すっかり体に染みついてしまった対応に従って動こうとした瞬間、あることがよぎる。
「「{{ベル(クラネルさん)}}」」
そう、さっきまで自分達と会話をしていた
この状況では少年の命が危ないと視線を向けると、そこで目に飛び込んできたのは…。
「おい、いい加減にしろコバエが」
何十人もの闇派閥をものともせず山積みにして制圧する少年の姿が…。
「「え?」」
あまりにも衝撃的な光景に思わず二人は声を漏らす。
「アーディにリュー、突っ立ってないで己の役目を果たせ」
「「!!」」
唖然としていた所に俺がそう声をかけると、二人はハッとして行動を開始する。
そして、ものの十分程度で事態は収拾されるのだった。