黒龍の転生者、白兎になる 作:馬です
少し寸劇があったものの、俺達は会談を再開する。
「それでだが、お前が異界の黒龍だとしてこの世界に何を求める?」
「しいて言うなら平穏だな」
ウラノスの問いに俺はそう答えた。
「前世では荒れていた時代があったんでな、その時には文明ごと一国を滅ぼしたこともあった」
『{サラッととんでもないこと言ってないか?}』
「だから、今の俺は平穏を求めている」
「その言葉に偽りはないようだな」
「あぁ、俺に二言はねぇ」
「解った、お前の言葉を信じよう」
ウラノスは目を閉じそう言った。
「時間を取らせて済まなかった、私の要件は終わりだ」
「そうか、じゃあ帰るわ」
「うむ」
そうして、ウラノスとの会談は終了した。
「ウラノスからの呼び出しはやはり黒竜の件だったか」
「あぁ、あのクソ爺はヘラの束縛から逃げ出したみたいでな。今は行方を眩ませてやがる」
「全く、ヘラにも困ったものだ。あの狒々爺の好々爺を野放しにするなど…」
「ほんとあの二人って相変わらずだなぁ」
間借りしている【ヘファイストス・ファミリア】の部屋に戻ってくると全員で話していた。
話を終えた後、俺は街に繰り出して闇派閥がいないか探っているとじゃが丸くんを抱えながら食べているアイズとロキが正面からやってきた。
「おっ、ベルたんやん。おはようさん」
「ベル、おはよう」
「おはよう。ロキ、なんだその呼び方」
「べつにえぇやん、減るもんでもなし」
共通の秘密を共有した【ヘスティア・ファミリア】と【ロキ・ファミリア】は派閥同盟を組むことになった。
ちなみにだが、遠征などにも人員を貸し出すことになっているがこれには俺だけが参戦する。
理由は言わなくても解るだろう…。
「それでお前ら二人だけで何してんだよ」
「実はな、アイズたんの息抜きしとってん。アリアたんが戻ってきたとはいえ暗黒期やろ、せやから自分が強なって守ろうと思っての行動やから止めづらかったんやけどなアリアたんの一声で強制的にウチの護衛として行動するってことになったんや」
「なるほど、つまりダンジョンに行こうとしていたのを止められたという事か」
「まぁ、そんな感じや」
「その結果、やけ食いに走ったと…」
「それも正解や」
俺とロキがそう話している間にアイズは三個のじゃが丸くんを完食していた。
「あんまり食い過ぎるなよアイズ、飯が入らなくなるぞ」
「大丈夫、入る」
「そうか…」
内心絶対入らないだろ、と思いながら未だに食べ続けるアイズを見てそう思うのだった。