黒龍の転生者、白兎になる 作:馬です
俺は今この黒龍の素材をどうしようか迷っている。武器にすることは確定なのだが、問題は鍛冶師と鍛冶場だ。
並の鍛冶師では黒龍の素材は扱いきれない上に、普通の鍛冶場じゃ加工すらままならない。
そうやって考え込んでいると、ヘファイストスがやってくる。
「ベル・クラネル、話はヘスティアから聞いたわ。前世のあなたの素材が出現したって」
「あぁ、それで今武器にしたいが鍛冶師と鍛冶場の問題で断念するしかないがな」
「あら、あなたの目の前にいるのは誰かしら?」
その言葉に俺はヘファイストスの方を見る。
「まさか…」
「えぇ、そのまさかよ。貴方の武器は
「だが、鍛冶場はどうするつもりだ?黒龍の素材は生半可な炎じゃ加工できないぞ」
「それならあなたの炎を使うのよ」
これで条件は揃った、ならばどうする?
「俺の炎でうっかり送還されないでくれよ」
「あら、鍛冶神を舐めて貰っちゃ困るわ。炎の扱いは慣れたものよ」
こうして、俺とヘファイストスによる黒龍の双剣「黒龍双刃」からの「黒龍双刃【二天】」の製作に乗り出すのだった。
武器製作に入って二週間が過ぎても、二人は工房に籠ったきりになっている。
「ベル、まだ帰ってこないの?」
「うん、武器作りは根気がいるものだってヘファイストスも言っていたし、もうしばらくはかかるかもね」
ベルをダンジョンに誘いに来たアイズにヘスティアが対応する。
「一緒にダンジョン行きたいのに…」
「ごめんねアイズ君、お詫びにじゃが丸くんを上げよう」
「ありがとうございます」
目の前の少女を慰めるように好物を差し出すと、礼を言いつつ黙々と食べていく。
その時だった、工房の扉が開いたのは…。
「あっ、終わったのかな?」
「!!」
開いた扉から中を覗き込むと、そこには
「ヘファイストス、大丈夫なのかい⁉」
「ヘスティア、かなり疲れたから寝るわね」
「ヘスティアにアイズか、俺の武器がついに完成したぞ」
「これが黒龍の素材で作られた双剣かい?」
「あぁ、品質は当然第一等級武装で金額は二十億ヴァリスだ」
ヘスティアの質問に俺はそう答えた。
「借金生活だぁ」
「いや、これは俺の個人的な借金だから気にするな」
そんな会話をしていると、アイズがこう言ってくる。
「ベル、ダンジョンに行こう」
「それはいいな。丁度試し切りに行きたかったところだ」
そうして、疲弊したヘファイストスをヘスティアに任せて、俺はアイズと共にダンジョン向かったのだった。
試し切りのために下層まで下りてきたのだが…。
「モンスターが出てこねぇ…」
「うん、こんなの初めて」
なんとダンジョンからモンスターが生まれなくなっていた。
こんなことは今まで無かった事態に二人は困惑する。
しかし、その原因はすぐに分かった。
それは俺の装備している黒龍双刃【二天】が発する
まさかの事態に俺もアイズも困り果てるのだった。