黒龍の転生者、白兎になる   作:馬です

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衝突

響き渡る鐘の音と共に洒落じゃ済まない威力を持つ衝撃波が俺と神ゼウスを襲ってきたが、俺が拳を振るい相殺する。

 

「おい狒々爺の好々爺、それは一体何の冗談だ。いや、冗談にしても限度がある。よほど死にたいようだな」

 

アルフィアは完全に怒髪天を衝いていた、それはそうだろう。

 

大事な妹が生んだ「甥」に別世界とは言え黒き終末である黒竜が宿っていると言われればキレるだろうなぁ。

 

「爺、俺もその手の類の冗談は好かん。こんな場所にまでやってきて言いたいことはそれだったのか?」

 

ザルドからも怒気が溢れているのが解かる、まぁ散々神ゼウスのやりたい放題に巻き込まれていたからというのもあるだろうがな。

 

「おい、何時までだんまりを決め込んでいる。貴様は言われなければ行動もできない木偶なのか?」

 

アルフィアの怒気を孕んだ声でそう言ってくる。

 

「神ゼウスの言っていることは紛れもない事実だ」

 

「ほう、誤魔化しもせずに肯定するか」

 

「お前達ゼウスとヘラの眷族は非常識の塊の集団だからな、俺がついた嘘など簡単に看破してしまうだろうよ」

 

アルフィアの問いに俺が肯定する。

 

「ならば問おう、お前は何故その子に宿った?」

 

「お前の甥であるベル・クラネルに宿ったことに関しては俺にも理解出来ていない。黒龍の時代(とき)俺は一人の狩人(えいゆう)によって討たれたはずだった。しかし、次に目を覚ました時にはベル・クラネル(この身体)になっていた」

 

「……チッ、嘘はついていないようだな」

 

俺の言葉にアルフィアは噓をついていないことを察して舌打ちをしてくる。

 

「当たり前だ、ベル・クラネルにとってアルフィア(おまえ)は唯一残った肉親であり実母(メーテリア)を知る人物だ。そんな相手に嘘などつかん」

 

「メーテリアの事を知っているのはあの狒々爺の好々爺にでも教えてもらったのか」

 

「いや、人間時代(前々世)の時に知っただけだ」

 

「ほう、他に何を知っている?」

 

「昔メーテリアのおやつを勝手に食べたヘラとアルフィア(おまえ)に対して烈火のごとく怒り狂い、その時の彼女の迫力の前にお前は死を覚悟し、ヘラは屈辱で身を震えながら涙目になった事か」

 

「……忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)忘れろ(ゴスペル)!!」

 

アルフィアの黒歴史を口にした瞬間、容赦ない魔法での弾幕が襲い掛かってくる。

 

「こいつ意外と大人げねぇな⁉」

 

「解る」「解る」

 

くたばれ(ゴスペル)

 

「「ぎゃぁああああああああああっ⁉」」

 

俺の言葉に反応して神ゼウスとザルドが同意した瞬間、ゴスぺられた。

 

「貴様には詳しく聞くことが出来たが、その前に確かめることがある」

 

「なんだ」

 

制裁という名の八つ当たりを済ませたアルフィアは冷静さを取り戻し問いかけてくる。

 

「貴様はこの世界で何をするつもりだ」

 

「黒竜討伐」

 

「「ほう」」

 

その言葉を出した瞬間、アルフィアとザルドの雰囲気が変わった。

 

「俺達が出来なかった事をお前がやるというのか」

 

「そうだ」

 

「お前は何もわかってはいない、あの黒き終末がどういった存在なのかを」

 

黒龍(おれ)の事も知らないだろ」

 

アルフィアとザルドの言葉に俺は返す。

 

「ならば、お前の事を教えてもらおう」

 

「その身をもってな」

 

「いいだろう、かかってこい」

 

ここに世界最大の親子喧嘩が勃発する。

 

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