黒龍の転生者、白兎になる   作:馬です

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親子喧嘩

互いににらみ合う俺とアルフィア、ザルドは動かないのは仕掛け時(タイミング)を間違えれば主導権を握られてしまうからだ。

 

睨みあう事数分、状況が動いた。

 

福音(ゴスペル)

 

最初に動いたのはアルフィア、自身の最速の魔法で戦端を開く。

 

「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

俺はその不可視の音の魔法をさっきと同様に拳で粉砕すると、今度はザルドの大剣による剛撃が雄たけびと共に打ち下ろされる。

 

「温い」

 

俺はその大剣の一撃を片手で受け止めた。

 

「これがお前の全力か、《暴喰》のザルド。これでかつて黒龍(おれ)に挑んできた大剣使いの方が脅威に思えるぞ」

 

「面白い!!」

 

その言葉と共にザルドは大剣を縦横無尽に暴風が如く振るう。

 

「激しさは増したが…、まだ温い」

 

俺は暴風の如く振るわれる大剣を拳で弾く。

 

福音(ゴスペル)

 

ザルドの斬撃の嵐の中、それごと吹き飛ばす威力の魔法を放つアルフィア。

 

それを俺は地面をめくりあげて土壁を作り防ぐも砕けるがその一瞬を利用して離れる。

 

「なるほど、面倒だな」

 

「平然と防いでおいてよく言う」

 

俺の言葉にアルフィアはそう零す。

 

「俺としてはお前たちの身体の事もあるからここまでにしておきたいんだが、それではお前たちは納得する訳もないな」

 

「当然だ、黒竜を討つと大言を吐いたのだ、我々を納得するだけの力を示せ」

 

「アルフィアの言う通りだ、俺達の身体などを理由に止めること許さん」

 

「なら、お前達の“最強”を打ち破って終いとする」

 

「「上等」」

 

俺の言葉を最後に二人は詠唱に入る。

 

「【祝福の禍根 生誕の呪い 半身喰らいし我が身の原罪】【禊はなく 浄化はなく 救いはなく 鳴り響く天の音色こそ私の罪】【神々の喇叭 精霊の竪琴 光の旋律 すなわち災禍の烙印】【箱庭に愛されし我が運命(いのち)よ砕け散れ 私は貴様(お前)を憎んでいる】【代償はここに 罪の証をもって万物(すべて)を滅ぼす】【哭け 聖鐘楼】【ジェノス・アンジェラス】!!」

 

「【父神(ちち)よ許せ 神々の晩餐を平らげることを】【貪れ、炎獄の舌 喰らえ、灼熱の牙】【レーア・アムブロシア】!!」

 

最大火力の魔法攻撃に加え、両派閥の絶技「斬光」が共に放たれる。

 

それに対して、俺は息を吸いこみ勢い良く炎を噴く。

 

「劫火」

 

その一言を最後に炎はすべてを飲み込み大爆発を起こした。

 

一拍置いた後、俺は口を開く。

 

「これで納得したか、アルフィアにザルド」

 

「あぁ、これだけの力があれば文句も出ん」

 

「……」

 

俺の問いかけにザルドはそう言い、アルフィアは口を噤んだままだった。

 

頭では理解はしていても納得はしたくないといった感じだな。

 

「お前は言ったな、黒龍を討つと」

 

「あぁ」

 

「それを成し遂げた後、どうするつもりだ」

 

アルフィアがそんなことを問いかけてくる。

 

「出来ることなら、この身体を本来のベル・クラネルに返却したいところだがそれが叶わなければオラリオに行くつもりだ」

 

「そうか」

 

「ここだけの話だが…」

 

「?」

 

「今のままではオラリオの冒険者共には黒竜討伐なんぞ夢のまた夢いや、そのまま限界がきて黒竜の餌にしかならん」

 

「「「⁉」」」

 

俺の言葉にアルフィア、ザルド、神ゼウスが驚きで絶句する。

 

「それについて何か確信があるのか?」

 

「ある」

 

「「「………」」」

 

ザルドの問いに俺ははっきりと答える。

 

「異界の黒龍いや、()()よ全て儂らに教えてはくれんか?」

 

「…⁉」

 

神ゼウスの言葉にいや、その呼び方を聞いて俺は驚く。

 

しかし、それを話したら何か揺り返しが来るのではないかとも考えてしまう。

 

だが、俺は俺自身をベル・クラネルとして見てくれた神ゼウスの思いに答えたくなってしまった。

 

「解った、話そう」

 

そうして、俺は三人に話すのだった。

 

 

 

オラリオに行く時、所属派閥は?

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