視界の中を動き回る小さなものがあった。
それは爪楊枝やマッチ、更にはキャラメルなどを巻き込んだ大凡理解出来ないもの。
が、それを脅威に思う事はなかった。
それがあんな事になるとは、誰ひとりとして想像だにしていなかったのだろう。
☁☁☁☁☁
最近、眼下の様子がおかしい様な気がしてならない。
…いやまぁ、では何がおかしいのか?と聞かれたならば、答えづらい話ではあるのだが。
私は、…まぁどこにでもいる存在なのでさして気にしなくても構わないと思う。
恐らく生き物ならば意識するかしないかの差はあるだろうが、やろうと思えば私の存在を認識するのは可能ではないだろうか。
少しおかしいのだ。
最近、
時には牛を
時には蟹や魚などを
またある時には、人や動物すらも巻き込む。
そして恐ろしい事に、その塊の大きさは徐々に。⋯だが、確実に大きくなっているとしか思えなかった。
まぁ、そうは言っても私の眼下にはよく分からない生き物やかなり大きな建造物などもある。
確かにその塊は大きくなりつつあったが、では自分に届き得るとは思えなかった。
どうにもその塊には制限があるらしく、無尽蔵に大きくなっている訳ではなさそうだ。
⋯⋯巻き込まれた者達に対しては、ご愁傷さまとしか言えない話ではあるが。
などと当時の自分は何とも気楽なものであった。
よく考えれば分かろうもの。
時間制限こそあれど、その恐ろしいまでの成長速度。
最初は1家屋程度で収まっていた筈のものが、いつの間にか街の脅威となったその意味を。
☁☁☁☁☁
街中を塊が走っていた。⋯いや、正確にはころがされていた、だろうか?
その塊は塊よりも小さな物は無機物、生物問わず巻き込みながら。
塊によって吹き飛ばされるもの
塊を吹き飛ばして少しでもその大きさを小さくしようとするもの
必死になって逃げ惑うもの
様々なやり方で塊に対抗していた。
元は地面に散らばっていたものを巻き込む程度のもの。殆どの者は「綺麗になるから、良いのかなぁ?」と首を傾げつつも気にしなかった。何せ人にとっては蹴り飛ばせる程度の大きさしか無かったのだから。
警官は必死に発砲した。子供が巻き込まれた、との連絡を受けるに及び、この塊は市民に害を与えるものと認識されたから。
自動車のドライバーなどもこの塊が交通の邪魔となった事からぶつける事を躊躇わない。
⋯それで対応出来た。
出来てしまったのだ、
塊は去り、脅威は除かれた。
そう胸を撫で下ろし、日常へと戻ろうと人々はしていた。
⋯⋯ところが、その塊は更に大きくなって戻ってくる。
最早子供どころか、大人でさえも巻き込める大きさとなって。
街中に悲鳴が響き渡る。
塊が通る度に、様々なものが塊に巻き込まれ、さらなる成長に繋がっていく。
そして、その塊はついに自動車を。
更には家屋すらも呑み込み始めた。
最早誰もこの
その諦めていた。
☁☁☁☁☁
あの、街がどんどん更地になっているのですが?
我が目を疑い、そして余りの惨状に自身の
そして、その惨禍は海を渡り、別の島や海に棲む生物にも襲い掛かる。
そして漸く自身の浅慮を悟った。
(あ、これ自分も巻き込まれる奴では?)
既に巨大な船や高層建築物以外、ほぼあの塊に捕らえられた。その塊は今までの比ではない速度でその大きさを増し、少し前まで巻き込めなかったものすらも取り込んでいる。
そうこう思考を巡らすうちに、「それ見たことか」と言わんばかりにその塊は自身の真下にまで迫っていた。
(何が、なんだか)
それが空に浮かんでいたものの最期の想いだった。
★★★★★
あるところに大コスモの王様が居ました。
その王様は酔っ払い、衝動のままに壊してしまいました。
そう、星々を。
そして、何もなくなった宇宙を正気に戻った王様は見て愕然とします。
どうにかして、星々を直さないと
王様は考えました。
自身の息子、つまり王子に星々を治させようと。
王子の奮闘もあり、星々は戻り星座もまた輝きを取り戻しました。
ただ、その結果とある世界から様々なものが消え去りましたとさ。