サイドストーリーは会話文多め
カード設定
タイプ:ハッピー
スキル:「これくらい普通でしょ?」(5秒間、スコアが20%UP)
☆1[誰もが羨む才女]大暮甘菜
[前編]
私の朝は周りと比べても比較的早い方だ。
朝6時、私の一日は基本的にここからスタートする。
まずは顔を洗い、スキンケアを施す。その後は動きやすいスポーツウェアに着替えてコンビニのおにぎりかサンドイッチ、あるいはエネルギーバーでお腹を満たして日課のランニング。毎朝大体5km程を走る。20分から30分もすれば走り終えるから、その後はダウンをしながら帰宅。シャワーを浴びたら髪を乾かし軽くブラッシング。最低限のケアをして、歯を磨きナチュラルメイクを施す。
朝8時には学校に着くように家を出て、帰ってくるのは部活の有無にもよるが凡そ7時くらいだ。そこから21時くらいまで仮眠を取って、お風呂に入ってから勉強。25時にはナイトコードにログインし、3時か4時くらいまで作業をして眠る。
「……大体こんな感じだよ」
『いやいやいや、こんな感じだよって言われても……大変すぎない?』
『私こんな生活絶対できない……』
おかしいな。Amiaから『みんなって普段どんな生活してるの?ほら、日々のルーティーン的な』って聞かれたから素直に答えただけなのに。
「でも沢山勉強してる分雪の方が大変じゃないかな?私は一人暮らしだから結構自由にできるし」
『そういう問題じゃないと思うな……ちゃんと眠れてるの?』
雪にまで引かれてしまった……そんな馬鹿な。
私は前世から睡眠時間が短かった。大人になってからはその傾向が強くて、一度に4時間以上眠れたのはいつの頃だったか覚えてすらいない。
それに……最近はフラッシュバックも酷くて余計に眠りが浅いのだ。睡眠薬を服用しても3時間程度しか眠れない。
「いつも通りだし問題ないってば。それに私の心配するならKの心配もしてよ」
Kの平均睡眠時間も確か4時間だったはずだ。私だけじゃなくてKも心配されるべきだと思う。
『……K、かんな。今日はもう解散、今すぐ寝て』
「え……まだ全然進んでないんだけど……」
『わたしも、まだ作らなくちゃ――』
『いいから!!寝て!!』
えななんの大声――いや最早叫び声に近かった。彰人くん迷惑してないかな……――がナイトコードに反響する。耳の良い私とKには大ダメージで、なんとか粘ったけど結局そのまま強制的に今日の作業は中断させられてしまった。
……こっそり進めようとしたらえななんから個人チャットで連絡が来て、怒られたくないからその日は大人しく寝た私だった。
***
[後編]
『あー、ようやくテスト終わった~!これでボクは自由!』
『テスト終わったんだ。お疲れ様、Amia』
「お疲れ様〜」
25時……ではなく、14時。テスト最終日で学校も午前中に終わった私は早めにナイトコードにログインしていた。Amia――瑞希も私と同じ学校だから同じ時間に学校も終わっていて、私と同じように早めにログインいたみたいだ。
『あれ、かんなもいるんだ?珍しいね』
「まぁね。今週はテスト期間だから余裕あるんだ」
『ちゃんと勉強してるの?作業遅れるし補習とかにならないでよね』
『えななん、それはブーメランってやつじゃないかなー?』
『はぁ!?んなわけないでしょ!補習なんて引っかかったことないし!』
「あははっ……大丈夫だよ、えななん。こう見えて私成績いいから」
『……そういえば、かんなってまだえななんとAmiaがいなかった頃、雪に勉強教えたことがあったよね』
「あー。あったね、そんなこと」
懐かしいなぁ。確か雪の使ってる教科書のコラムに書いてあった数学オリンピックの問題だったかな?
先生に質問したけどその先生もわからなかったらしくて回答が後日に回されたその日の作業で教えたんだよね。随分気になってたみたいで上の空になってたし。
『え、かんなって雪よりも年下だよね!?』
「うん、そうだよ?」
『……私、かんなのこと見る目変わりそう』
『だよね。えななんの相談にもよく乗ってるしミックスも上手だし……かんなってできないことあるの?』
できないこと、かぁ……。考えても中々出てこない。
「うーん……なにかひとつのことに打ち込むのはそんなに得意じゃないかなぁ。色んなことに手を出して、結局全部中途半端になっちゃうし」
『あー……飽き性ってやつ?にしてはニーゴの活動はきちんとやってるよね』
「飽き性とはちょっと違うかな……ニーゴの活動が続いてるのも楽しいからだし。よくわかんないや」
『ふーん。ま、なんにせよかんなにも苦手なことってあるのね』
「流石にあるよ。私は完璧超人じゃないんだから」
『それはわかってるわよ。でも、本当に何でも淡々とこなしてるように見えるから……躓いてるところとか、見たことないし』
「……そんなことないよ。私は、躊躇ってばっかりだから」
まだ、まふゆと会うのは怖い。嫌われた事実を免罪符に逃げ続けてる。
『かんなは、もっと自信持っていいと思う』
「……K?」
『わたしだけじゃない……雪も、えななんも、Amiaも、かんなの作る作品の良さはわかってる。かんなのミックスは、いつもわたし達の作品を生かしてて、作品を引き立ててくれてるように感じる。それってなかなかできないことだから。かんなのお陰で、わたし達の曲はたくさんの人に届いてる。だから……もっと自信を持っても、罰は当たらないと思うな』
……そこまで言われると、嬉しいな。でも、私のミックスはできるだけ雪のものに寄せてる。だから、本来この称賛を受け取るのは雪のはずだ。私なんかが、受け取っていいものじゃない。
「……そう、なのかな。ありがと、K」
私は私を一生認めないだろう。こんな私なんて――いなくても、何も変わらないんだから。
既にメインストーリーの執筆は終了しており、推敲するだけの状態です
2話は予定通り金曜日に投稿
凡そ4話程度で終わらせます