大甘菜は真冬の空に咲き誇る   作:百合って良いよねって思う

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誤字報告ありがとうございます。投稿主はタイピング下手くその頭よわよわだからよく誤字を起こす。推敲したり何度も確認はしているのですが漏れる部分も出てきてしまいますので誤字に気づいた方は報告お願いいたします。



カード設定
タイプ:ピュア
スキル:「許されるなら……」(4.5秒間GREATがPERFECTになり、5秒間スコアが10%UP)


☆2[25時、ナイトコードで。]大暮甘菜

[前編]

「……あれ、誰もいない?珍しいな」

 

まふゆが戻ってきて、ニーゴが再始動してからかなり時間が経った。初めてのオフ会から既に新曲を2曲は出してるし、3曲目も大体半分くらいの所まで来ている。

ミックスがキリのいい所までできたから確認してもらおうと少し早めにナイトコードにログインしたが、珍しいことにKもいなかった。

 

「作業、先に進めちゃおうかな」

 

25時までまだ時間はあるし、確認してもらってからやろうとしていた作業を先に進めておくか迷っていた時、スマホの通知が目に止まった。ピクシェアからの通知で、中身を見てみれば最初期からフォローしてるえななんの自撮り投稿が見える。

 

「えななん、またフォロワー増えてる。やっぱりどんなセカイでもこういうのは人気なんだな~」

 

まぁ私も毎回いいねと保存してるから人のこと言えないけど。

 

「えっと……そういえばそろそろLeo/needの初ライブかな?」

 

Leo/needが活動予定のライブハウスを見つけるのは意外と簡単だった。元々あそこは日野森志歩がバイトで時々助っ人をすることもあったから「銀髪の上手いベーシストの話」をすれば必然的に情報は集まる。

 

「モアジャンもビビバスもワンダショ結成されたし、少し忙しくなるかな」

 

ワンダショとビビバスの結成最初のショーとライブは見ることができて満足だ。原作のイベントはできるだけ生で見たい。ニーゴは図らずとも見ることができるが、他のユニットはちゃんと予定を組まなければ難しいのだ。まぁ今のところなんとかなると思う。

 

「次のイベントは……雨上がりは見れる場面がないし、マリオネットかな」

 

ともすれば一応人形展のチケットを手に入れておいた方がいいだろう。奏が貰うチケットが5人分あるとは限らない。もしもの時に物語が円滑に進むようにしなくては。

 

「文化祭も近いなぁ……ロミオ・ザ・バトルロワイアルは絶対見たいし」

 

あれは流石に気になりすぎる。前世から見てみたいと思っていたもののひとつだ。……そういえばうちのクラス、何するんだろう。

 

「その後は……ペイルカラーと、シークレット・ディスタンス……」

 

私がいる影響がどこまで及ぶのかわからない以上、変に道が逸れないよう気を使う必要がある。

 

「大丈夫……まだ、大丈夫」

 

他のユニットのみんなにはバレてない。ワンダショもビビバスも変装してるし、私はまだただのモブでいられてるはずだ。

 

ニーゴでの責任は全うしなければならない。それと同時に、他のユニットに影響を与えないように注しなければ――。

 

 

 

[後編]

 

「あ、甘菜のピザ届いたよ」

「ありがと、瑞希」

 

おおよそ4回目のオフ会にて、私達はいつものファミレスに集まっていた。

 

「瑞希のポテトもそうだけど、甘菜もここに来るといっつもそのピザ頼むよね」

 

絵名の追及には、奏とまふゆも肯定するようにうなずいている。ちなみにまふゆはピザばっかりの私に流石に思うところがあったのか原作のように奏に合わせるようになった。初オフ以降もたまにふたりで勉強ついでにご飯を食べる機会があったのだが、そのたびにピザを頼んだのが悪かったのだろうか。……自分で選べるようになったのも成長だよね……うん。

 

「まあ、好きだしね。ピザなんて家で作るのも無理だし」

 

家ではよくピザソースとチーズと食パンでピザトーストを作って食べてるが、あれとピザはなんとなく別物に感じる。それに……

 

「昔家族で一回だけ行ったファミレスでね、ピザを食べさせてくれたの」

 

前世での話だ。前世のお父さんとお母さんは忙しくて、私に構ってくれる時間は少なかった。でもちゃんと愛されてるのはわかってたし、私は小さい頃からなんでもできてひとりでご飯を作れたから何も問題なかった。その代わりこんな風に誰かとご飯を食べに行く機会が少なかったのだ。たまに食べに行く時はフルコースで出てくるようなかなり高級なところに行ってたし、ピザを食べる機会なんてなかった。

 

でも、一回だけ。小さい頃に一回だけ、家族でファミレスに行ったことがある。その時のファミレスはこっちにはないけれど、そこで食べたマルゲリータピザがとても印象的だった。

 

「あの時のピザの味が忘れられないんだ……だから、ここに来るとつい頼んじゃって」

「甘菜……」

「ごめん、なんか湿っぽい話になっちゃったね。正直なところ、あんまり深い理由じゃないよ。瑞希がポテトを頼むのと似たようなものだから、あんまり気にしないで」

「家族とは……あんまり、ご飯食べに行かないの?」

「ファミレスに行く機会がなかったんだよ。外で食べる時って大体高級なところだから。所謂フルコースみたいなやつ。ピザなんて出てこなくて」

 

そもそも今世では外食なんて母親が見栄を張るためにしか行っていない。だから行くのはいつも有名な三ツ星レストランだったりで、ファミレスなんて論外みたいな態度だった。流石に呆れた私は途中から……正確には妹ができてから参加すらしなくなったけど。

 

「……甘菜って、もしかしてお嬢様だったりする?」

「確かに、今の話を聞いてるとそんな感じがするね」

「そんなんじゃないよー。ただ、少しお金に余裕があっただけ」

「……甘菜のお父さんは、有名な小説家だから」

「え、そうなの!?」

「あー、うん。……一応。七光みたいに言われるのは好きじゃないから自分からは言わないんだけどね」

 

今世の父親は小説家だ。分類を言うならSF作家ってやつ。意外と人気みたいで私も読んだが、確かに若者に人気が出そうな話だった。

 

「ていうか、私の家族の話はいいでしょ。冷めちゃうし早く食べよ!」

「それもそうだね」

 

家族の話は、あまりしたくない。前世も今世も、いい思い出がないから。

 

――甘菜はすごいなぁ。

 

――いい曲ね。聴いた人が自然と笑顔になれる、そんな曲。

 

……思い出したくない、大切な思い出しかないから。




甘菜ちゃんのキャラクターコンセプトは「全てを与えられた、孤独な少女」
いつか救われるといいね
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