先生やお金持ちの後輩のヒモで悪いか? 作:エリ寄越せよ運営
先生の家に置かれた時計の時針は既に12時を指している。
だが俺はそんな事を気にせずバニラアイスを食べながらぐーたらしていた。
先生殿は買い物でいないので注意する者はいないのであるから良しとしよう。
「あ〜、冷房の効いた部屋は気持ちいなぁ〜!」
エアコンは人類が生み出した傑作だと染み染み思う。
俺は涼しい風を受けながらソファで溶けていると
バァン!
ドアが蹴破られる。
「おいおい..玄関って知ってるのか?今度は誰...はぁ、またお前来たのか」
蹴破られたドアの前に立っていたのは
「やっほ〜☆ミズキ!」
「聖園ミカ」
派手な登場の仕方をして出てきたのは聖園ミカ、こいつは俺がティーパーティー所属していた時の同僚っぽい上の立場だった奴だ。
「何回言ったら分かるんだ、俺は」
「ティーパーティーには戻らない、かな?もう聞き飽きちゃったよ」
「分かってんなら結構、俺は安全に過ごしたいんだよ」
ゲヘナとか意味わからん、常に戦争が起っていやがる。
「うざったるい量の書類、頭のおかしい外交、俺は全てが面倒くさくなったんだ、だから俺は働くのを辞めた」
「ふ〜ん...だから先生に養われてるって訳じゃんね」
「そうですけど、ヒモで何か文句あります?」
「あるよ!何で急に辞めちゃったの?早く戻ってきてよ!」
ミカは俺の手を掴んで引っ張る。
「嫌です、養われる生活に順応した俺は働く人間にはなれません」
そう言って俺はミカの手を振りほどこうとするが....出来ない。
「あれ、ミズキ動いてないから力も無くなっちゃったの?」
「煽ってんのか?当たり前だろ養われてんだぞこっちは、なんで動く必要があんだ」
「じゃあ、えいっ☆」
俺はミカにソファに押し倒される。
ミカは笑ってた、だが目は笑ってない。
「あのね?私、ミズキが突然居なくなっちゃって私おかしくなりそうだったの!ずっと待ってたんだけどやっぱり来ないしずっと寂しかったんだよ?」
こいつは止まらない、いや…もう止められない。
「ミズキがいないと全部つまらないの、この寂しさをなくしてよ、ねえミズキ...早く戻ってきてくれないかなっ?戻ってきてくれないと...」
ーーーー私、全部壊しちゃいそう。
「ああそうですか…いや戻らないに決まってるでしょ」
普通こんなに詰め寄られたら何も言い返せない人も居るだろうが俺は勿論黙らない。
「…え?」
「だからさ、俺は先生殿のヒモな訳、分かる?先生殿に養われてるただのヒモなんだけど?ヒモが働けると思うなよ、働いたら負けるんだよね。そんでもって今の状態で素晴らしい生活が送れてるし後輩達からいろいろ差し入れもらってるし働く意味すら見いだせないから、というかさっきも言ったけど俺はこの生活に順応したからもう社畜生活には戻れませんごめんなさい。」
俺は長文で叩きつけた、これで流石に理解しただろう。
「そっか、ミズキはそうなんだね…ま、いいや。答えなんて、最初から期待してないじゃんね」
「じゃあ、私がミズキを管理してあげる!」
今のミカは俺が昔知っていた明るさは消え失せ、狂気に染まっていた。
勿論抵抗したいがヒモであると同時にニートでもある俺は力が衰えていたため抵抗が出来ない
「(拝啓、先生殿へ…俺は先生殿の家を出そうです、出たくないから助けて)」
と、願っていると
"…玄関壊れてたんだけど、後でミズキ君に請求しとかなきゃ…何してるの君たち"
運良く先生が帰ってきた。
「あっ、先生!ミズキ君をちょっと貰っても良いかな〜、大事な人だから」
"……やだよ。せっかく養って飼い慣らしたヒモを持ってかないで"
「いや言い方ァ!!!」
俺の事をペットか何かだと思ってる先生、思わずツッコミたくなるほどだった。
"……ミズキ君、玄関の修理費。あと窓ガラスの清掃代も追加"
何か余計なの追加されてるんだけど。
「え何で俺なの」
"君の過去が招いた結果でしょ、責任くらい取れるよね?"
「いやヒモごときに責任取るのは無理ですけど」
"はぁ…君はミカちゃんと言ったかな?"
「そういえば先生とは会ったこと無かったね!話はナギちゃんから聞いてたけど」
ミカの言葉からめんどくさい人物その2が出てきた、頭痛い...
"……ミズキ君は私が保護したんだ。勝手に持って行かないでくれるかな"
「ミズキは先生に迷惑かけちゃってるでしょ?私が一生面倒見るから大丈夫!」
"ごめんねミカちゃん、今所有権を握ってるのは私なんだ"
「俺ペットと同等の価値なの?人権じゃなくて所有権しか無かったの?」
ヒモって人権無くなるんだなと初めて学んだ。
"それに、こんなこと生徒には言いたくないけど…"
「何かな〜?」
"私はシャーレの“先生”なんだ、君をどうすることだって…出来る"
先生鬼強え!このまま逆らうやつぶっ潰していきましょうよ!
「…先生って、厄介だね☆」
「ほら、先生は強いんだ、俺はさっさとゲームしたいから帰った帰った!」
「ミズキは黙ってて」
とんでもない圧力をこっちに掛けてきた、怖い。
「…今日は諦めるけど、次は必ずミズキを貰うからね」
ミカは潔く自分がぶっ壊した玄関から帰っていった
"…ミズキ君、あとで請求するね"
「...はい」
もうやだ。