この前書きの欄に、うっかり本文を投稿した、しかけた事があるという経験をお持ちの方は、ちょっと同士。
ちょっと便利な道具を手に入れるだけのはずが、気付けば熱田神宮を大いに盛り上げる加藤さんの回になっていました。
そんな思いがけないイベントをこなして手に入れた、方位磁針の揺れる先を見つめます。
え~っと、方角は~。
北があちらだから、西はこっちですね。よし、進む方向を確認できました。
間違えて逆に進んで、気付いたら後戻りしていたとか、最悪ですからね。
それに気付いた時の徒労感とか、怒りのぶつけ先が無いイライラとか、結構なストレスでしたよ。(実体験)
え~っと、そろそろ中津川あたりだから。苗木城が見えてくるはず?
地図なんていう、中世では重大機密を持ち歩けるわけが無いので、記憶頼りなせいで、イマイチ怪しい。
それでも大雑把でも日本地図と地理が頭に入っているおかげで、こうして旅が出来ています。
これも地味な現代知識チート。地味に助かっています。
そういえばこの辺りの恵那って、今回の信濃独立の動乱に、関わりそうで関わらなかったらしいですよ。
なんでも信玄が調略をかけていて、伊那を後ろから突かせようとしていたとか。
こちらも越後からの援軍を待っていましたが、信玄も恵那の動きを待っていたんですね。
道理で、素早く侵攻してきた割には、積極的に城を攻めて来ないわけです。
恵那が動いたぞ、こちらに付いた伊那が危機だ。ってなったら『援軍を送るか? どこからだ、篭城中のこの城から?』ってなって、混乱しますからね。
士気も落ちます。守ってくれないトップだと思われたら、勝頼の信濃での立場も脆いものになります。さすが信玄、イヤらしい一手です。
恵那の土豪らの武田への好感度が低すぎて、失敗しましたが。
強引に統率できるだけの有力な武将を回せなかったのも、失敗の理由ですね。
まあ、そういう武将を恵那に回す余裕が武田家に無かったんでしょう。
そうだろうなと思っていましたし、来ていないと確認もできていたので『恵那が動く事は無いな』と油断していたんで、ちょっと危なかったんですが。
なぜ恵那の武田家への好感度が低かったのかと言えば。まあ、いつものです。
信濃を制した後も、武田家は通常営業を続けていました。そうだね、略奪だね。
当然、伊那のお隣の恵那も、略奪対象です。ちょくちょくやっていました。
何度も略奪されて、相手が被害の大きさに耐えられなくなって「もう勘弁してください」と、配下に降る。
それが、武田家の侵略パターンのひとつなので、まさに通常営業ではあったのです。
そして恵那もそうして、武田家の武力に屈したはずでした。
しかし今回、その支配は揺らいでいました。
武田親子による、内戦のせいです。あと力で押さえつけられて、無理やり支配されているので元々忠誠度が低かったのもあります。
「これは我らも、独立の好機ではないか?」
「いや、上手く事が運ぶとは限らん。戦わずとも、兵を出すくらいはした方が良い」
「いっそ味方の振りをして近付き、この機に信玄を亡き者にできないか?」
場所は恵那ですが、小田原会議だったようです。
しかし小田原とは違って、意見が出揃った結果、彼らは答えを出しました。
『俺達が動かなくて、武田が負けたらそれはめでたい。武田が勝っても、米と銭ですむだろう。武田だし』
それが答えでいいのか、キミたち。
武田を恐れているのか、理解できているのかどっちなんだ。
そうしてやって来るはずのなくなった恵那衆を待つ信玄に、越後から謙信来たという報告が先に来てしまって、時間切れに。
武田軍は決戦の地、川中島へと向かった。というわけです。
本来の武田家であったなら、恵那の土豪たちは信玄の指示に従って出兵していたと思います。
しかし現在、内乱でその武威は半減しています。ただでさえ恵那七頭と言われ、7つの家で離合集散、小競り合いをしていた地域。
そんなグダグダな地域を問答無用でまとめて動かすには、足りていなかった。そういう事でしょう。
日和見しよう。という方向で一致団結しやがりましたが。
一つにまとまって動こうとすると、バラバラになりますが、何もせずスルーするのは出来るようです。
これだから国人衆は。
もう見えてきた苗木城の城主の遠山家も、そんな感じの国人です。
名前が高山か遠山かあやふやでしたが、遠山でよかったようです。そう言えば、あの遠山の金さんのご先祖でしたっけ。
それと前回言っていた、伊勢湾で殺害されたらしい遠山さんの家も、この遠山さんみたいですね。
しかも次期当主だったとか…… ご愁傷様です。
遠山家は、史実で武田家に降りつつも、美濃を取った織田家にも頭を下げて、両属になっていました。
国境の小領主として、どちらにもいい顔をして、時には外交のパイプになって、必死に生き残りを図っていたわけですね。よくある悲哀ではあります。
だいたい失敗して滅びますが。
必死ゆえに、自分の事しか見えておらず、自分の都合でしか動かず、大国の思惑や立場に考えが至らずに、空気読めない短慮からの死亡というパターンが多いですね。
その場合、自分が死ぬだけではなくて、だいたいどこかにも大迷惑をかけて死にます。
お隣への略奪が良くある事だったので、お互いが別の大国に属すようになって、その大国同士の緊張が高まっていて。
もう今までのように軽い気持ちで略奪しちゃったら、大国同士の戦いの引き金に……
という時でも「でもちょっと生活苦しいから」と略奪に走るのが国人衆。
それで大事になるとか、知った事ではないのです。自分だけ。自分が得をするかどうか。それだけしか見えておらず、考えていないのです。
私的な関所を勝手に作って、ゼニを徴収するとかが、その際たるものです。
そのせいで物価が上がったり、流通量自体が減って更に物価が上がったり、それで自分の領の人口の何十、何百倍の人間に被害を与えても、自分にゼニが入れば良いのです。
おまけに私的な関所なので、街道の維持管理や、警備にはもちろん関わっていません。マジで邪魔なだけです。いや、公的な関所でも、この時代だとその辺は怪しいですけども。
言ってみれば、勝手に消費税かけて、懐に入れるだけで何もしない行為ですね。
そう考えると、殺意が湧きませんか?
私は湧きました。移動途中に何度も止められて、通行税を寄越せ、荷物を見せろともう、鬱陶しいのなんの。
こちらが独りだからと舐めて来て、いい物持ってるなよこせとか、護身用に持っていた脇差しを持っていったアノヤロウは、絶対に許さん。
そんな事もあろうかと、数打ちの量産品でしたし、長距離移動するのに重いから太刀は持ってこなかったので、被害としては軽いものですが、気分は良くないんですよ。
いや、そんな個人的なことだけではなくて、ですね。
そりゃ戦国時代に他家を慮っていたら、土佐の一条家とか、あるいは肥前の熊に食われた家みたいに、差し出した手を噛まれて、そのまま食い殺されますけども。
そういう甘い甘くないの話では無くて、視野が狭い、視点が低い、と言いたいのです。
まあ、だからこそ、こうして口先だけで利用できるという事でもあるのですが。
「今回の信濃独立をもって、ひとまず武田の脅威は去りましたな。まずは、おめでとうございます。
しかし永遠というわけではありません。川中島でまた痛い目を見たとはいえ、信玄が健在だからです。
つまり御家がするべきは、今のうちに力を蓄える事。できれば信濃を援助して、武田への盾として長持ちしてもらう事でしょう」
「それは、まあ、ごもっともですなあ」
私という突然の使者に、反応を探りながら恐る恐る返事を返す、苗木城城主の遠山直藤。
思い付きでやって来たので、突然なのは当たり前です。準備や予測が出来ているほうがおかしい。
こちらも織田家からの書状などはありませんが、諏訪で貰った感状(功績を記した感謝状。公的な履歴書みたいなもの)を身分証に使って、話し合いに持ち込みました。
そして諏訪での、私自身が実際に見聞きした最新情報を伝えて、それから遠山家の現状をレクチャーしてから、誘導にかけます。
「美濃でも、稲葉山城を竹中なる家臣が乗っ取り、斉藤龍興は城を追い出されたとか。
斉藤義龍が尾張で亡くなってから間も無く、家臣らの混乱が収まっていない中でのこの事件は、更なる混乱を招くでしょう。
しかもそこに、龍興とは違う旗頭、帰蝶という女傑が稲葉山城で号令を出し始めたとか。そんな美濃は、頼りになりますかな?」
「だから織田に従え、と?」
遠山直藤が出したのは、短絡的な答えでした。それも正解です。
ですが満点ではありません。だって今の織田家に、こんな場所まで保護する力は無いもん。
特に人手がね、足らないんですよ……
だから傘下に入ってくれるならそれもいいけど、そこまで面倒見られないから、今はもっとゆる~い関係でとどめておいて欲しいのです。
そして織田家の代わりに、働いて欲しい。
「そこまでは申しませぬ。まだ関係を持ってすらおらぬ遠山家に、いきなりそんな無礼な真似はいたしません。まずは、お付き合いを始めましょう」
具体的には、これから始まる信濃と尾張の交易の通り道になるけど、関所で止めるのは最小限にして欲しいのです。
ここ恵那も、中山道という五街道のひとつにある宿場町のひとつ、のはずなんですが。全然発展していないんですよね。
道は整備されていなくて曲がりくねって、舗装されてなくて、高低差もモロにそのままですし。山賊もいましたし。関所はあるし。関所はあるし。関所はムダにあるし。
むしろ発展しないように、ガチガチに封印をかけているような気さえしてきましたよ。
遠山直藤も交易に噛んで、こちら側に立ったなら、関所の煩わしさと鬱陶しさと、不利益と不合理に気付くはずです。「無くせ、あんなもん」と思うはずです。
そうなったら真の仲間だよ。一緒に、国人退治を頑張ろうね。
世のため人のため。消費ぜ、もとい、関所撲滅のために、恵那七頭をまとめあげて、織田家の盟友になって欲しいな。
「ほう。織田の荷に関銭をかけて良いのは、うちだけとする、ですか……」
「ええ。何重にもゼニを取られては、結局は荷の量は減らさざるを得ずに、どこも損となりますからな。まとめて管理していただければ有難い」
そのための第一歩を踏み出してもらうために、踏み出す先に解かりやすいエサを置きまして、と。
さあ、食いつけ食いつけ、遠山直藤。
丹羽様には無断の、私の独断専行なんで、実はこれは空手形だぞ。
まあ、織田家に色々とリソースが足りないから、私が怒られるだけで9割通りますけど。
もし仮にそこに気付いて、ツッコまれても「私を信じて下さい」で押し通す自信がありますから、大丈夫。
どうしようかなー。ここで決断できずに、検討するとか言っちゃうような当主だと頼りないから、他の家に行っちゃおうかなー。
ややわざとらしく、そんな事を態度で匂わせながら決断を促すと、とうとう遠山直藤は落ちました。
やったぜ。
これで尾張と信濃の交易の利益率が上がりますね。
離れても諏訪の力になる。そう言って離れた勝頼さまにも、言い訳が立つってものです。
さて、あとは…… 丹羽様にはどう上手く言い訳しましょうか。
要はどう上手くこの事を表現して言いくるめるか、ですね。うなれ私のメイン技能、弁舌/言いくるめ。
しかしいい口実を思いついたとして、連絡手段はマジでどうしよう。
この後は、美濃直行なんですよねえ。
あっ、そうだ。遠藤さん! 遠藤さん!
私、勝頼様に直接のツテがありますので、紹介状いりませんか? 書きますよ。
その代わりに、織田へも書状を持って行って頂けませんか? あて先は清洲城の丹羽長秀様で。
あ、やってくれます? じゃあお願いしますねー。
小説家になろう より、となりの山田 氏の作品 進め!別府造船所(仮) を推してみる
残念ながらエタっていますが、だいたい俺たちの(財閥との)戦いはこれからだ!という辺りまでは進んでいるので、いいかなって。
明治元年あたりに転生して、よし今の時代なら軍人がエリートやな!と海軍学校を受験するも、普通に落ちるw
親の造船会社に就職するも、九州の別府という地方からスタート。
とりあえずWW1の特需に乗るべく、新しいドッグを造る… お金が無いので、銀行に融資を頼みまくって、それでも足らなさそうだったので、それを勝手に投資にツッコんで、資金調達しているw ここのオリ主もたいがいオカしい。