尾張グダグダ戦国記   作:far

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【あらすじと】他者視点で振り返ってみる その2【裏事情2】

 

 <主人公>

 斉藤家が攻めてきて、織田家の幹部らが手一杯になった隙を突くように、勝手に対外的な手を打った。

 本人的には状況を見て、今動かないと後々困るな。という軽い気持ちだった模様。

 

 武田の内乱よ長引け。と、商人を動かして諏訪へ食糧などを流していた。

 代金は懐に入れていないが、勝手に織田の兵糧を使っているので、たぶんこれも丹羽がキレた一因。

 のちに諏訪家からの報酬として、この米の一部が主人公に証文の形で返って来るが、たぶん誰も気付かないのでセーフ。

 

 鳴海城を占拠中の一向一揆らが、史実通り負けるだろうと踏んで、尾張にある一向宗の寺経由で交渉していた。

 逃走時の船を手配するなどして、彼らを尾張を通り越して伊勢長島に受け流す事に成功。尾張の民への被害を押さえ込んだ。

 なお長島は当然のように満杯になって、一揆勢はさらに他所へと流れた。『主に浅井方面へ』。

 移動が今度は陸路だったので、その通り道になった場所、伊勢北部などは当然荒らされた。

 

 森可成に「浅井にツテを作って、可能なら斉藤を攻めてもらったら楽になりますね」と吹き込んで、巻き込んだ。

 しかし浅井には「何を出す?」と足元を見られて、『この時は』動いてもらえなかった。

 

 <ストレスフル丹羽長秀>

 もはやこれまで。そう思い極めて、信行を暗殺して燃え尽きていた所を、救いに来てくれた。

 それも斉藤家に包囲された、清洲城に、単身で。しかも聞いたことも無い武器を用意して。

 

 「部下に恵まれたな…」

 

 と思っていたら、なんかその部下はオカしな事をしていた。勝手に何やってるんだ、お前。

 清洲城篭城、暗殺、脱出、部下。会議。報告。事後処理。絶望と通常と希望の反復横とびで、彼の心はちょっとヒビ割れた。

 心の防衛本能が働いて、その部下こと主人公を尾張から遠ざけた。

 連絡を取らなかったのも、これ以上のストレスから心を守るための無意識の行動。

 

 つまり。彼には時間が必要だった。

 

 

 <もう一回出番があるか怪しい加藤順盛>

 「変わった物を欲しがる客がいる」と聞いて、会ってみたら若造だったので、カモだと思ったら詐欺(サギ)だった。

 しかし別に敵対する必要も無いな。と、利用する方向で話を進めたが、思った以上にイケそうなアイディアを聞かされて、利用しあう関係へと譲歩した。

 新しい事を始めようと動いていたら、少し気分が若返った。京風の店を開くために、自ら畿内へ行ってみようと準備中。

 一度店を乗っ取ろうとして失敗した、2号店の元店長を使って、主人公に何かイタズラができないかも考え中。

 

 

 <実は相棒枠だった本多藤吉郎(豊臣秀吉)>

 史実同様、身一つで乗り込んで、人をたらしこんで、何とかするプロ。

 主人公が諏訪で上手く立ち回れたのも、彼のフォローがあったからというのが大きい。

 文字はまだ勉強中だが、手紙の内容などは主人公と一緒に考えていたし、手分けして信濃の国人らの間を回ったりもしていた。

 

 しかし勝頼との初対面など、ヤバい所や大事な所は主人公に投げていた。

 

 後に松平(徳川)の領土になるとか、付き合いがあるとかだったら出張っていたが、そうでは無かったのでリスクを避けたのだ。

 主人公もそれは理解しているが、自分の方が地位が高いのも確かなので、割り切った。

 そして助かったのも事実なので、好感度稼ぎも兼ねて、色々と教え込んだのだが、一つミスがあった。

 

「川中島の戦いは第五次まで……」

 

 と秀吉に語ってしまったが、第五次は今世ではまだ起きていなかったのだ。

 主人公の講義を聴いた時には秀吉も気付いていなかったが、後に地元の人との会話の中で、その事に気付く。

 しかし第五次は『小競り合いのみで、両軍とも本格的に戦おうとせず、謙信が引いた』という内容なので。

 『どこかで勘違いがあったんかのう?』と、疑問に思いつつも、流した。

 しかし、頭の片隅には残っている。

 

 それはそうと、聞けば聞くだけ、九州や東北、近畿も中国四国もと、だいたい何でも答えてくれる主人公に引いている。

 この違和感を追求しなかったのも、なにか妙なモノが出てきたら怖かったから、という部分もある。

 

 なお武田義信の所に単独で交渉に行かされたりと、危険の完全回避には失敗している。

 それでも「援助は今川からだけで、足りますか?」と、義信を家康と連絡を取らせたりと、タダでは転んでいない。

 

 信濃の後に主人公が美濃に飛ばされたが、秀吉は奥三河の国人衆の説得に飛ばされる。どちらもまだ家に帰れない模様。

 

 

 <何かがキマッた諏訪四郎勝頼>

 史実では武田四郎勝頼。

 魔王(信玄)に家と国を滅ぼされて、さらわれて子を産まされた姫という、ファンタジー世界かな? という人生の母親を持つ。

 魔王軍(武田家)の中で、孤立気味に育つ。事実、幼少期の記録は、信頼できる物は無い。乳母や傅役などが誰だったのかも、わからない。

 このところは、予定には無かった魔王の後継者ルートに乗ってしまって、人生に悩んでいた。

 

 そんな彼に、自由になっていいんですよ。好きにしていいんです。と全肯定ハム太郎したのが主人公です。

 

 荒んでいた心にスーッと効いてしまった結果、17歳の若武者は、魔王に反逆する魔王の息子、勇者コースを走り始めてしまいました。

 なお進む方向を、主人公が時にそれとなく、時に露骨に指示した模様。お前、自由にやらせないのかよ。

 

 しかし結果は上手くいくので、喜んで従って、更にスピード上げて走って行く勝頼。

 

 それを見ていた諏訪頼忠や、その重臣たち。結果にはニッコリしながら、心の中では苦笑い。

 代わろうにも、武田からの監視で動けないので、見ているだけしか出来ないのが歯がゆいのもあった。

 

 

 <長尾じゃない上杉謙信>

 実は昨年、長尾影虎から正式に上杉謙信と名前を変えていた。

 そこへ長尾の宛て名で主人公から手紙が来たので、実はちょっとイラッとしていた。

 しかしその手紙で『一昨年大いに叩いたはずの武田が、再び諏訪で戦をする』と知って、深読みする。

 

「そうか。武田信玄を完全に破らねば、上杉の名跡を継ぐのは早いと言いたいのだな」

 

 主人公さん、そこまで考えてないと思うよ。

 

 でもそのおかげで謙信が出陣して、信玄が川中島に急行する判断を下したので、結果的オーライ。

 

 

 <不屈の武田信玄>

 物資の流れから、諏訪で反乱が起きると読み、入念に丁寧に、出陣の手はずを整える。

 スキを見せれば、義信が動く。ならば軍を組織し、動かしたと知った義信が動き出す前に、事を終えてしまえば良い。

 早きこと風の如く。その試みは成功しました。

 恵那の国人らへも手を伸ばし、動くよう命じた。これは別働隊の代わり。

 決め手になるとまで期待はしていないが、彼らが動くだけで、勝頼らは対応しなければならなくなって、こちらが勝ちやすくなる。

 義信が動く前に、決着をつけるための策。

 

 それがまさかピクリとも動かないとか、思わないじゃん…

 

 言い訳できる程度に、せめて軍は組織して、姿を見せて即帰るくらいはするだろうと思っていた信玄は、見事に裏切られました。

 しかも謙信来ちゃった。

 義信というタイムリミットを常に意識せざるを得ない信玄は『謙信を片手間は無理だが、勝頼ならイケる』と判断して、メインの相手を謙信に切り替える。

 よって、諏訪を離れて、川中島へ。謙信と戦うなら、そこしか有り得ないから。

 

 そして伏兵で勝頼をあしらいつつ、謙信と決戦へ。

 

 しかし普通に負ける。

 

 史実だと軍を建てなおして、第五次川中島で謙信と向き合うまで3年。今世での2年では、足りなかった。

 なにせ第四次では、弟の信繁、諸角 虎定、三枝守直、軍師山本勘助など、幹部クラスが多数戦死しているほど。その被害は、本当に大きかった。

 

 左翼が崩れた時に“逃げ弾正”の異名を持つ高坂昌信が討ち取られ、信玄は撤退を決意。

 しかし逃げ道では、まだ勝頼らとの戦闘が終わっておらず、道はふさがっていた。

 信玄、留まっていたら被害はひどい事になると判断。無理やり通るべく、あえて指揮を緩めて、兵らに無秩序な敗走をさせる。

 

 甲斐へと戻った後に、土屋昌続の戦死を知る。勝頼との遭遇は、偶然だったらしい。今回の信玄は、とことん運に見放されていた。

 謙信への敗北の味を噛み締め、勝頼への怒りを飲み込み『今すべきは何か』を考える信玄。

 

「いっそ義信に頭を下げて、家督を譲るか? 否。このまま終われぬ。終わってたまるか

 

 だが武田単独では謙信に勝てない。勝てなかった。ならばどうするか。

 謙信。上杉謙信は、関東管領の上杉家を継いだ名だ。ゆえに関東へと攻め入っている。

 

「北条へ伝令。話し合いたい、と。今川へもだ」

 

 関東には三国同盟の相手、北条がいる。ついでに今川とも話し合って、義信を孤立させて、ヤツに付いた家臣らをこちらへと引き込む。まずは外交からだ。

 武田信玄は、まだ死なない。

 

 

 <働く諏訪頼忠>

 一族の旧領の諏訪の独立を。と動いていたはずが、信濃一国丸ごと独立する事に。どうしてこうなった。

 でも旗頭の勝頼が、諏訪じゃなくて信濃の国主になったんで、諏訪は名実ともにあなたの物だぞ。良かったね。

 その代わりに、同族として勝頼を支えて、家老として信濃全土の面倒を見ないといけない。頑張れ。

 このあと、主人公が恵那の面倒も投げてくるかもしれないけど頑張れ。

 

 

 <道路の木曽義昌>

 諏訪独立に少しだけ手を貸したら、思った以上の大事になっちゃって、頭を抱えた人。

 それをしでかした仕掛け人が、のん気な顔で「ただいま戻ってきました」と顔を出した時は、つい殺意を覚えたという。

 でも尾張と諏訪の交易の中継が美味しそうなので、我慢することにした。

 この後、無茶苦茶街道整備させられる。

 

 

 <勝ち組の諏訪勝頼>

 官位を貰うなら、一度上洛をすべきか考え中。

 グダグダ状態の美濃を通っていくよりも、一度南下して、尾張から海で移動した方が安全か。主人公にも会えるしな、とか計画している。

 早期に実行したら、美濃にいる主人公とはすれ違うぞ。

 

 なお勝頼の前では全力で気配を殺していたおかげで、秀吉はあまり勝頼の心に残っていない。

 言えば確実に思い出してくれる程度の、絶妙な距離を取る事に成功した。

 

 

 <胃痛の丹羽長秀>

 後世に主人公の師匠ポジで伝わりそうな上司。

 主人公を上手く使って、戦国の世をかき回した、大悪魔な扱いになるかもしれない人。

 

 川中島での戦いの後、主人公は事後処理に参加しながら、信濃での全てをレポートにまとめた。

 相変わらず全部事後報告でそれを送ってきたのを読んで、刺すような胃の痛みを覚える。

 

 ちなみに持って来たのは修験者の覚円さんの弟子の一人。

 主人公へ紹介する修験者を探すため、熊野へ行くついでに持って来てくれただけで、主人公の部下でも何でもないので、丹羽長秀は八つ当たりさえできなかった。

 

 今アイツに会ったら、刺すかもしれん。

 

 そう冷静に自己判断して、更なる出張へと送り出した。

 実際、斉藤家を探る必要も、講和の必要もあったので、都合が良くはあった。

 

 でもそれ、更に主人公が何かするスイッチ押しちゃったのと同じだと思うんだ。

 

 

 <新犠牲者の堀久太郎秀政>

 メッセンジャーとして、木曽家まで行かされる。11歳なのに。若いのに利発だったのが悪い。

 今の織田家はマジで人手不足なので、小姓でも使える者は、酷使されるのだ。

 一旦尾張に帰った後に、今度は諏訪にまで行かされる。

 主人公の報告書の内容が「勝頼引き抜いて、信玄退けて、諏訪どころか信濃全土を独立させました」という、信じがたい内容だったせいである。

 そりゃ確認しないと信じられないよね。

 あと道の整備の負担割合とか、交易の品と量と値段とか、内政的な確認が必要な件も多々あるので、たぶん何往復かさせられると思われる。

 頑張れ。

 

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