尾張グダグダ戦国記   作:far

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ペットロスにつき、今週はこの話だけで
また一週間お休みします…


【あらすじと】他者視点で振り返ってみる その3【裏事情3】

 

 <主人公。というかメインのあらすじ>

 『今はアイツの顔を見たくねぇな』と上司の丹羽に思われ、諏訪からの帰還を許されずに、そのまま美濃へと飛ばされた。

 ただ丹羽は冷却期間のつもりだったが、充電期間になったかもしれない。

 美濃への道中ですら、途中にあった遠山家で商談と条約を勝手に結んでるし。

 本人としては、途中にいくつもあった関所でのストレス解消がてらの、織田家への奉公のつもりだった模様。良かれと思って。

 

 目的地の稲葉山城は、斉藤龍興から竹中半兵衛が乗っ取っていた。

 しかし誰も付いてこなかったので、夫の信長が死んで美濃に帰ってきていた帰蝶が「ならワタシに従え」と唱えている謎の地。

 『どういう事なの』と探るのも、主人公の仕事なのだ。

 なお訪ねた結果、主人公と半兵衛は一瞬で意気投合(笑)して、視線での会話すらこなす仲に。

 

 信長リスペクトで、はっちゃけていらっしゃった帰蝶が登場したタイミングで、浅井家襲来の知らせが入る。

 「よっしゃ初陣!」と、はしゃぐ帰蝶に「いやいやいやいや」と止めに入る、半兵衛と主人公。

 「でも近くに来てるのは100人いないッスよ」という斥候の追加報告で「ほな、ええか…」と妥協して帰蝶出陣。

 

 その準備の間に、主人公は半兵衛の弟から聞き込みをする。自分と同じ転生者なのかどうかを、確かめるために。

 たぶん違うと判明。実は、いたらいいな、と少し期待していた。現代と戦国の価値観と環境と民度のギャップをグチれる仲間が欲しかった。

 孤独を感じるには、時代が賑やかで生命力にあふれすぎているが、それはそれとしてストレスは溜まっているらしい。

 

 帰蝶が少数相手に無双する背景で、主人公と半兵衛が協議。

 こう兵が少ないって事は、よっぽど小分けにして分散してるって事で、広範囲に拡散してるって事で。

 美濃のあちこちで、こうやって村々が襲われまくってるって事で。

 ヤバいやんけ。と気付く。

 

 しかしそちらを救う手を打つのではなく「浅井の本陣叩こうぜ! 信長ならそうしたってことさ」と帰蝶を扇動する主人公。

 

 実際、動かせる兵が少なすぎて、村々へと分けて派遣するには兵数が足らなさ過ぎるので、効果は薄い。

 しかも実行したとしたら、稲葉山城はほぼカラっぽ。

 浅井を討つか追い返すのを先にしないと、稲葉山城を落とされ、国が獲られる。

 半兵衛は国の命運を賭けた戦いに望む決意をして、ならば城に残す兵など不要! と全軍出撃を決める。

 

 それに武功欲しさで、ついていく主人公。

 

 「まともに誇れる武勇伝が欲しいから」などと口では言っているが、本当に欲しいのは『ここに自分がいた』という爪痕を歴史に残したいから。

 令和の世にはもう戻れないが、せめて名前だけになっても、令和まで伝われ。という『本人も自覚していない』願いからの行動です。

 

 そのために狙われた浅井長政。武力とカリスマによる軍の統率で、主人公らを返り討ちにする。

 

 戦いの流れは、まず長政が本陣を奇襲され、大半の兵を見捨てて退却した。

 しかしその見捨てた兵は一向宗

 それも伊勢長島から、途中で仲間を増やしつつ流れてきた、余所者の流民かつ暴民たち。

 いなくなってくれた方が都合がいい、というか、処分のために連れてきたまである。なのでこれはこれで、計画通り。

 その帰り道で、またしても奇襲にあう浅井軍。主人公らは、ここで返り討ちになった。

 長政は、有力で忠実な土豪の磯野を主人公に討ち取られるも、奇襲部隊の大将の氏家卜全を討ち取り、自国へと帰還。

 

 一向宗を使い潰す事で、実は戦力はあまり減っていない浅井家。

 無論それに気付いている半兵衛の打った手は『主人公の出張』。行き先は、近江の六角家。

 美濃国内の一向宗を処分して、国力を立て直すまで浅井家を牽制してくれないか? 出来れば叩いてくれないか?

 そうお願いしに行って欲しいと依頼した。

 

 他国人の主人公に。なお色々考えて、それを了承する主人公。それでいいのかお前達。

 

 でも六角家へ行く前に、一度尾張に戻って、報告連絡相談をやっと丹羽にする主人公。どうして今までやってなかったんですか?

 報告を受ける丹羽の顔から、苦笑が消えることは無かったというが、その腹の中では陰謀と策が渦を巻いていた。

 

 

 <竹中半兵衛>

 ひと目で主人公を自分と『同類』だと直感する。主人公は転生者仲間か? とすら疑ったほど、感性が近いと感じ取っていたが、半兵衛は少し違った。

 『策士であり、人を騙す側の人間で、そのために思考を巡らせる、信用してはいけない人間だ。自分と同じく』と確信したのだ。

 今すぐ殺すか、末永く仲良くなるかを考えたのは、両者一緒だが、半兵衛の方がずっと殺す寄りの考えだった。

 帰蝶があと少し遅れて登場していたら、マジで殺し合いが始まっていた。

 その場合は、主人公の隠し武器の『お守りのふりした流星錘』が初披露されていた、かもしれない。

 

 ちょっと小隊を連れて偵察に出た主人公が、斉藤龍興を仕留めて帰って来たことで、好感度が大幅アップしている。

 稲葉山城を乗っ取った時に殺したかったが、流石に国主を殺すと美濃の全てが敵に回るので、できなかった。

 それを『今なら殺して闇に葬っても大丈夫!』というタイミングで狙ったように実行してくれたので、大変にありがたかったのだ。

 自分でやったわけじゃない、となる点も高得点。いざとなったら斬り捨てられる他国人というのが、もう最高。とも思っている。

 しょせんは『主人公の同類』である。

 

 好感度の上がった主人公と少し雑談などもして、自分の知らない知識と視点を持っていると気付き、教材としても見始めた。

 主人公が美濃を離れても、文通する気マンマン。どちらも内通を疑われないといいですね。

 

 主人公に個人的な報酬として、寺をひとつねだられたが『どうせこのあと一向宗の寺はいくつも潰すし、いいか』と了承した。

 何に使うかは、あえて聞いていない。でもそこに知り合いの坊主を入れる約束はした。

 

 嫁の実家の当主の安藤守就が尾張侵攻の時に亡くなっているので、安藤家もある程度仕切っている。

 また嫁の立場が少し低下したので、帰蝶さまへの婿入り候補の1人になっているが、もちろん半兵衛は嫌がっている。

 

 最後の浅井家への奇襲は、帰蝶とともに斉藤家のメインの軍の方を指揮していたので、不参加。

 もし参加していたら、氏家の代わりに討ち取られていた。

 

 

 <帰蝶>

 史実では、ずっと信長の元で飼い殺しだったのではなかろうか。そう思われるほどに資料が無い。

 まあ、女性の名前が残らないのが基本なほど、元々女性の記述は少ないのだが。

 本作では、若くして死んだ夫、信長に『思う所は多々あったし、疎遠な仲ではあったが、その自由な生き様にどこかあこがれもあった』という設定。

 

 また信長が亡くなった上に、尾張がグダグダで子供もいないので、実家へと帰っている。

 史実では当主になっていた義龍が受け入れ拒否したが、さすがにこの状況では断らなかった。

 

 その義龍も死んで、甥っ子の龍興が当主になったが、特に何も無かった。

 いきなり生えてきた出戻りの伯母さんとか、十代の龍興にはどうしていいかわからず、興味も湧かなかったようだ。

 そうして帰蝶は、また立場はあるものの、何もすることも無い、宙ぶらりんな存在になった。

 半兵衛が稲葉山城を乗っ取って、従わない武士や奉公人は追い出されて。行き場の無い彼女は残る事はできたものの、その立場はますます宙に浮いたものとなって。

 

 そして彼女のストレスが、ハジケた。

 

「ドイツもコイツもワタシを放って、好きにやってくれるじゃない! ならワタシも好きにやる! やってやる!」

 

 その結果が、半兵衛に「アンタじゃ無理だ。ワタシが代わる」と言い放って、稲葉山城の主を乗っ取っての、美濃じゅうへの「ワタシに従え!」宣言であった。

 ほぼ全ての土豪が「???」となって、困惑しただけで終わって、従うものはほぼいなかった。ですよね。

 むしろ従った極一部が何なの。

 

 でも信長も一時期そんなモンだったな……

 

 と『想像上の信長』と同じ状況である事で、めげなかった帰蝶は次は戦場へと打って出た。

 尾張の飼い殺し時代に、出かけるのに便利だからと乗馬はマスター済みだ。

 ストレス解消と、運動不足解消と、ヒマつぶしと、いつか織田の嫡男を養育するかも…… という密かな願望で身に着けたスキルが、なぜか今、輝いていた。

 同じ理由でマスターした武術も、輝いている。

 

 自分に何かあったら、大変な事になる。と追いかけてくる味方の必死な顔も。敵兵を切り裂いた、ナギナタからの手応えすらも。

 何もかもが、自由そのものであるように思えて、帰蝶は楽しかった。

 

 なお、衝動的な行動だったのと、今が楽しいので、後の事は考えていない。

 後継者問題への答えは、彼女の中では真っ白だ。

 

 

 <竹中久作重矩>

 主人公に武勇伝をねだったら、主君の兄=信長をヤッたよ! と言われて困惑する。

 それは勘違いで、主人公は信広の方のつもりだった。

 しかし疑問に思った彼は、のちに兄の半兵衛重治にこの事の解説を頼んでしまう。その結果……

 

「ぶっちゃけ、ヤッたんですか?」

 

「いえ、津々木蔵人という人物がヤッた事になっています」

 

「なるほど…… そういう事ですか。その津々木という方はお亡くなりに?」

 

「ええ。信行さまとご一緒に、切腹なされた。 ……という事になっています」

 

 という胡散臭い会話が主人公と半兵衛の間にあったらしい。

 

 ほとんどの国人らは協力してくれないわ、仕事は美濃一国の運営なので山積みだわで、空前の人手不足の中、兄の補佐として酷使されている。

 史実の通り、のんべんだらりと領主生活をしながら、鍛えてたまに戦に出て、という生活は無理そう。

 そのぶん、能力は育つかも。

 

 

 <実は新たな被害者の浅井長政>

 殿様、東から一向宗が!

 突然、そんな知らせが舞い込んできて、気付けば領内で一向一揆が起きそうだった人。

 すみません、その一向宗、元はうちの主人公が三河から流したヤツなんですよ。

 三河(鳴海城)→伊勢長島→浅井 と、流れるごとに仲間を増やして次の場所へとやってきた、ヒャッハーたちです。

 

 長政、とりあえず武力で鎮圧する。なお多分最適解。

 

 そしてどこぞの世紀末覇者が、ヒャッハーたちを率いていたように。長政もボコった一向宗らを率いる事に成功します。

 力づくでわからせたとも言う。

 

 どうやって取り込んだのか、主人公が疑問に思っていたが『武力で』というシンプルな答えだった。脳筋!

 

 そのまま開墾などに使うなり、バラして町村に吸収させるなりして、領民にする事もできた。

 でもこんな奴らを領内に取り込むのを嫌がった長政、一向宗を使い捨てる事を決定。行き先は、六角か斉藤か、少し迷って、半兵衛がヤンチャしてた斉藤へ。

 美濃には一向宗の寺も多かったという事情も、後押しした。

 

 そして一向宗使い捨てと、美濃の弱体化には成功するも、磯野員昌をはじめ多くの指揮官を失う。

 

 一向宗だけでは戦場でまとまった動きすらとれないので、小隊長や中隊長のポジに浅井の武士をつけざるを得なかった。

 特に美濃に広げずに、本陣に残した兵たちになら、なおの事。

 

 そしてその指揮官たちだけを狙って消していく、姿を見せない妖怪が戦場に出ました。

 

 主人公です。武勇伝になればいいな。という軽い願いが、浅井家の指揮系統と人材に重いダメージに。

 戦後に『しばらくは戦どころじゃねぇな』という状況になったのは、斉藤家も浅井家も変わらないというオチに。

 

 『どうしてこうなった』と嘆く長政だが、犯人はわからない。

 弓で遠距離で仕留めた獲物は、だいたい近くの発見者が首を取って、自分の手柄にしちゃうから、主人公の名前があまり出ないのだ。

 全く、というわけではないが。少なくとも磯野殺しの犯人なのは、後に調べた結果、判明する。

 

 

 <本多藤吉郎(豊臣秀吉)>

 主人公の出身が農民という設定が出た結果、ちょろっと出番があった人。

 主人公は、同じ尾張の農民の出身だよ、よろしくね! と好感度を稼ぐつもりだったが、完全に空振りだった。お前のような農民がいるか

 でも第二の主人公がいたら怖いので、一回尾張に戻って、そういう農民がいないか確認に行こうかと思っている。

 もし見つかったら? 殺すか取り込むか、すごく悩むんじゃないかな。

 ただ落ち着いたら行こう、とも思っているので、多分相当先になると思われる。

 弟(長秀=豊臣秀長)と妹(朝日)が主人公のグループに就職したのは、まだ知らない。

 現在は、奥三河を回って、土豪を説得中。

 

 

 <被害者のままじゃいられない丹羽長秀>

 主人公が旅立ち前に贈ってきた座布団を愛用しているが、最初は中身の綿が綿火薬ではないかと疑い、ちょっぴり抜き出して火をつけてみた。

 普通に燃えたので、安心しつつ『いざという時の秘密兵器ではないのか……』と少しガッカリしたらしい。

 

 堀久太郎11歳を諏訪へと派遣した、鬼上司。その報告から予想できる手と、必要な手を即座に打つ。

 情報が入って、動き出してさえしまえばただの仕事なので、彼に何も恐れる事などなかった。

 その事に気が付いたので、主人公の行動と影響を恐れる心が、かなり和らいだ。好き勝手する事への怒りは、わりと据え置きだったが。

 

 だが予定外に早く帰ってきてしまった主人公に、怒りと説教のタイミングを逃す。

 普段溜め込むタイプなので、吐き出すのがヘタなのだ。

 

 主人公を自分で出張させられなかったので、出張を上乗せした。

 そろそろ京、というか朝廷とのツテが欲しいし、色々立場の弱い坊丸の権威として官位も欲しい。

 しかし清々しいほどに、今の織田家には何も無い。ゼニだけはあるが、他にはマジで何も無い。しかしだ。

 

 そこに、諏訪家に官位もらえってそそのかしたバカがおるじゃろ?

 

 あとそのバカ、三河の松平家と同盟をいかが? って寝言もホザいたじゃろ?

 

 両方合わせて、三国で協力したら、朝廷や幕府も話くらいは聞いてくれるんじゃね?

 

 という構想を練っていた模様。

 なお美濃の斉藤家、というか帰蝶もこれに混ぜられそうだな。と更に企んでいる。

 

 マジで暗黒宰相になりそう。三国同盟を成し遂げた先輩の、今川にいた黒衣の宰相とはエラい違いだ。

 

 

 <第二の丹羽になれるか不破光治>

 突如領地を浅井家と一向宗に攻め込まれた人。突発的な軍事行動だったので、察知できた時には、もう遅かった。

 なので降伏して、様子見に。一向宗マシマシな陣営に、国がヤベエと略奪の規模を予想して、危機感を持つ。

 

 彼の領地の不破郡には江戸時代に願正寺と名前を変え、平尾御坊と呼ばれた有力な一向宗のお寺があります。

 だから一向宗の信者なら、うちの領土では大人しくしてくれるはず。大人しくしていろ。頼む。南無阿弥陀仏……!

 不破はそう願っていたが、その願いは裏切られた。

 この一向宗らは伊勢からの道中、ずっと略奪してきた結果、すっかり略奪に慣れ親しんでしまっていたのだ。

 

 今の斉藤家は、これに対処できるのか? できないなら残念だが、領地は荒らされようと自分の家と、せめて西美濃のいくつかの家だけは守る。

 

 一向宗の乱行は、不破にそんな悲壮な覚悟を固めさせて、独り稲葉山城へと走らせた。

 願わくは、斉藤家に、竹中半兵衛にウワサの半分でも知恵と力があるようにと願って。

 今度は、御仏には祈らなかった。

 

 そして報われた。『不破家は浅井家に降伏した。そして浅井の軍が今、領地にいる』竹中半兵衛らは、彼の隠し事を見事に見抜いてくれたのだ。

 

 そんな願いの叶った会議に、なんか変なのがいた。

 

 その変なのは、妙に芝居がかったおどけた態度で会議を回し、そして会議が一旦中断すると、今度は妙になれなれしくなった。

 なんなんだ、甘くした抹茶とか。旨かったが。

 

 そしていざ浅井軍の本陣へと向かえば、その途中に勝手に不破の名前を使われた。「あっ、私たちは不破家の兵です」じゃないんだわ。

 浅井軍の本陣を奇襲できる所まで近付けなかったら、確かに話にならないし、その途中での遭遇なので、何とか誤魔化す必要は確かにあった。

 でも、あれはないわ。と憤っていた。戦後、浅井家に不破家の裏切りがバレたらマズいので、必死にならざるを得なくなった事も、怒りに油を注いだ。

 『この戦が終わったら、覚えていろ』と思っていた。

 

 でも戦での振る舞いを見て『よし、関わらないでおこう』と考えを改める。

 なんであいつ、戦場で次々暗殺してるんだ。

 いや戦っているだけ、といえばそうだけど。手口があからさまに暗殺なのよ。それに戦場でなくても出来るだろ、あれ。

 

 『あいつを単独で送り込んできていたのって、もしかしてそういう…?』という疑いも持つ。

 道化じみた言動も出来る、知恵も回る、弓の腕もある。

 『間違いない。ヤツは凄腕の暗殺者だ…!』 (注意:違います)

 

 不破はそこから更に考えを進めた。『その凄腕の獲物は誰だったのか?』

 浅井家の者とは考えがたい。いや、戦場で狙ってはいたが。

 浅井家狙いだとしたら、先に美濃に来ているのは早すぎる。いつ浅井家の出陣を知ったというのだ。

 ならば斉藤家の者が標的という事になるが、別に誰か死んだものは……

 

 龍興様が、行方知れずになったままだ……!

 

 待て、待て。龍興様がいなくなって、得をしたのは誰だ?

 帰蝶様ではないか? そして帰蝶様は、尾張にツテがある……

 元々、なぜあの方が表に出てきたのか、謎であったが、そういう事か!? 美濃を、獲るため…!

 尾張の者を使って、斉藤家の当主を消し、その実権を握ったのか!?(注意:偶然です)

 まさか半兵衛殿の、稲葉山城乗っ取りも、彼女の手引きがあったのか…? (注意:ありません)

 

 どこからだ。

 一体全体、どこからどこまでが(はかりごと)なのだ…! 

 そして仕掛けたのは誰だ? 半兵衛か? 帰蝶か? あの尾張者か? それとも織田の誰かか?

 最も怪しいのは、近頃何かとウワサのある、織田の丹羽五郎佐か……

 これから美濃は、どうなってしまうというのだ。

 

 勝手に戦慄する彼は、戦後は斉藤家の中央に近い人物としてその能力を重宝され、大事に酷使される。

 あの尾張のヤベーのと仲が良い半兵衛にも、疑惑の女の帰蝶にも疑いを持ちながらなので、ムダにストレスを溜めながら

 

 なお彼も帰蝶さまの婿候補である。

 

 

 <最も立場が弱そうな被害者の堀久太郎秀政>

 外交やった事ないのに、事務仕事は出来るから、と木曽家と諏訪家と織田家の間を、何度も往復の使者になった11歳児。

 後に行き先に遠山家も加わった。

 条約の確認、こういう場合はどうなるんだ? という質問への回答。工事費用の負担率などの実務的な話し合い。

 彼の仕事は多岐に渡った。工事費用の1割が主人公の負担になったのは、場の冗談からではあったが、成立したのは『お前いい加減にしろよ』という関係者一同からの怒りである。

 

「結果的には、織田家にとって良い方へと転がるし、良かれと思って動いてはいるのだ…… だが絶対にマネはするなよ」

 

 そう丹羽から何度も聞いていたので、主人公に逆に興味を持っていた。

 実際に目にして、その尻拭いとも言うべき仕事を(丹羽に)させられて、しかし未だに評価に困っている。なんやあいつ。

 権限が不明なのに、勝手に仕事や条約を取って、友好関係と相手の感謝と恩義までセットで稼いで、あとの処理はよろしくと立ち去ってるの、なんなんだ。

 

「最後まで仕事しろよ! というか、僕がやってるコレって、あなたの仕事でしょ!?」

 

 凄いのは認めるし、わかるんだけど、こう、なんというか、こう…!

 言葉が出てこないようだが、きっと丹羽は解かってくれる。でも仕事を投げてくるのも丹羽なんだ。

 久太郎くんの感情のブツけ先は、どこだろう。

 

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