尾張グダグダ戦国記   作:far

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3連休も普通に仕事という方がいらっしゃいましたら
一緒に頑張りましょうね。ワシもじゃ皆。


【あらすじと】他者視点で振り返ってみる その4の2【裏事情4-2】

 

 <丹羽長秀>

 いつしかザ・黒幕の座にいる、尾張の闇米。

 

「はいはい、ワシのせいワシのせい」

「それもワシだ」

 

 この2つのセリフを、最近は使いこなしているらしい。

 冷静に考えたら、主人公の仕事は城を与えるレヴェルのものでは? しかも複数あるのでは? と気付いてしまった。

 でもあいつに城を任せるのは怖いんで、向こうから言い出すまで保留にしよう。と心の棚に上げておく事にした。

 だいぶん部下に影響を受けているようだ。

 

 諏訪へと主人公を追放同然で解き放って、その後に美濃にも出張させた結果。

 使命を与えて放し飼いにした方が、尾張で勝手に動かれるよりもマシなのでは? と気付く。

 尾張にいた場合、勝手に一向宗と同盟っぽいナニかを結んで、家康暗殺に動いていた可能性すらあるので、多分正解だ。

 

 主人公の足跡を通じて、近隣諸国に情報網を広げている。そんな事をしているから、人手不足になるんだが。

 でもそのおかげで、近頃では村井に「そろそろワシを越えたか…」と誉められた。

 その夜は居酒屋で、お気に入りの麦焼酎を痛飲したとか。世代が上の、デキる上司にやっと認められたのが相当嬉しかったらしい。

 

 主人公が美濃で寺を手に入れた事は、報告を受けている。その運営方針も聞いた。

 しかし自身の情報網に、美濃の寺社の情報網も勝手に接続されて、一気に範囲が広がる事を、彼はまだ知らない。

 

 京での手続きのアレコレを熟知していて、絶対に必要な人材なので、個人的な友人の冷泉季方を主人公と一緒に行かせたが、当然心配している。

 変な影響受けないだろうな。とか。

 

 仕事のストレスが溜まると、清洲城脱出の時の大八車の上から手投げ弾を投げまくって、斉藤の兵らを爆破していった時を思い出す。

 あの快感と爽快感をもう一度。とか思っている。

 主人公と共に伊勢侵攻を企んだのは、その願望もあっての事だったりする。

 この丹羽の願望を出来るだけ安全に叶えるため、主人公は後に頭を絞る必要に駆られる、かもしれない。

 

 

 <竹中半兵衛>

 美濃の実質指導者。しかし支配力が低すぎて(笑)(カッコわらい)が付く状態なのが最近の悩み。

 帰蝶に婿入りすれば状況は改善する、かもしれないが、9歳年上の28歳の嫁は、19歳にはキツいッス。

 

 少しでも力を付けて、美濃の支配力を…… と、浅井との戦で亡くなった氏家卜全の領地を斉藤家預かりとして接収。

 結果、余計に他の土豪たちの警戒を呼ぶ。

 従って戦って、戦死したら所領没収とか、そらそうよ。

 

 もうこうなったら自分にヘイト集めて、不破の方に人望集めて、それを美濃統治に活用できないかと方向転換した。

 不破に官位を。というのもその一環。帰蝶の旦那ポジをパスするという目的だけではないのだ。

 

 主人公から、ヨーヨーをもらった。

 普通に遊ぶ以外にも、こうやって隠し武器にも使えますよ、と流星錘としての使い方も伝授されたが、遊具として使う方が気に入っている。

 本体の側面が開くのも、開いたら竹中家の家紋が出てくるのも、まだ気付いていない。

 

 さりげに諏訪との貿易を開始して、その通り道の恵那への影響力も増加中。

 

 

 <不破光治>

 成り行きで美濃の中枢に手を貸すことになった、浅井との国境近くの不破郡の領主。

 先祖は不破の関の番人だったらしいが、不破の関自体が8世紀に作られて、それから百年しないで789年に停止されたので、1563年の設定の現在では、うん。

 鎌倉時代も関銭は取っていたらしいので、停止させられた後も独自運営はしていたらしい。

 

 現在はよく国人領主らと、斉藤家(半兵衛)との板ばさみになっている。

 現場と上層部との架け橋兼クッション。たぶんそのうちボロボロになっていく。

 

 だから官位で補強入れようね。と半兵衛が企み、主人公が動くと知った不破は「アレに借りを作ると怖い」と独自に官位を得ようと動いた。

 

 そして失敗する。

 

 室町の将軍は、六角や三好のヒモだが態度はデカいし、気位は高かった。

 そうやって上だぞと常に示していないと、下げたらもう二度と上げられないので。

 自力があって、へりくだるのなら、いつでも頭は上げられる。でも何も無くて下げたら、どうやって上げたら良いのか。

 

 でもそうやって見下げられて、踏みつけられる側には、知ったこっちゃないわけで。

 

 武士の一分。舐められたら殺せ。相手が誰でも、殺っちゃダメな場所でも。

 不破は以前『コイツは間違いなく凄腕の暗殺者だ…!』と確信した主人公に依頼する決意をした。

 あわよくば共倒れしないかな、とちょっと思いつつ。

 

 なお依頼料は1000貫。

 

 から、官位にかかった料金を引いて残った分。お使いか。おつりがお小遣いか。

 

 すでに200貫ちょっとを将軍に巻き上げられているが、自分の官位の代金は自分で出す。と少し無理をした。

 でも無理はしているので、依頼料はそんな感じが精一杯、との事。

 

 不破の関は、東海道の鈴鹿関、北陸道の愛発関とともに三関と呼ばれ、天皇の譲位や崩御の際には『閉関(こげん)』という、関所を閉める儀式が幕末まで行われた場所。

 つまりそこまでが天皇の権威の内側であり、その外側は、まあ、田舎というか、エミシというか。

 

「そんな場所の番人が官位とな?」

 

 そうやって側近の一人に笑われたのが、不破のキレポイントだった。

 なお将軍が死んだ影響などは考えていない。美濃の国人領主にとって、室町の将軍はもはやその程度の存在でしかないのだから。

 

 

 <堀久太郎秀政>

 死んだ目で仕事をする姿を目撃された、同情をほしいままにする11歳児。

 同情するなら休みをくれ。

 諏訪と恵那だけではなく、とうとう美濃へも派遣される。でもさすがに部下は付けてもらえた。

 年上の部下が。

 しかも29歳。『干支が一回り半も上なんですが』というのが堀の初対面時の感想。

 部下は蜂屋頼隆。史実では信長の黒母衣衆で、佐々成政や川尻秀隆、中川重政らと同僚で、歴戦の武将。

 その武勇は確かで、年齢ゆえに軽く見られる事も多い堀を色んな意味で守れるので、ありがたい部下ではある。

 

 なので“名人”久太郎は、彼を格下の部下としてではなく、あえて父親のように接して頼りにした。

 すると蜂屋も、そんな子供を無下には出来ずに、率先して守ろうとし始めた。

 

「計画通り」

 

 そう堀が思ったかどうかはわからないが、確実に尾張の、いや丹羽たちの流儀が彼にも受け継がれていた。

 

 

 <本多藤吉郎(秀吉)>

 武田の手に落ちた、今川領の奥三河。

 そこに単独で放り込まれ、全部を松平家康へと引き込んで、なおかつ武田家の謀臣の曽根昌世まで内通させて帰ってきた男。

 松平家は丹羽とは違うので、彼の「出世させて下さい」という願いは叶うだろう。

 でも手柄が大きすぎて、これに見合った昇進だと一気に進みすぎて、絶対に角が立つからどうしよう? と上層部が悩んでいる。

 しかし誰かさんの諏訪での働きを見ていた藤吉郎は、ある程度感覚が麻痺していて『ちょい上手くいったわ』程度にしか思っていない。

 しっかりしろ。目を覚ませ。それはマネちゃいけない生き方だ。

 

 史実の織田家ルートでさえ、地縁血縁をフル活用してなお部下が足りなかったのに、三河で上手くいくわけも無く、出世しても家臣には苦労するのが確定している。

 しかも弟の秀長は、かなり稼げる大店の大番頭に就職しているので、引き抜けないぞ。

 とりあえず生き残りの川並衆を拾う所から、頑張れ。

 

 最近、家康と直接会って誉められた。

 それはいいのだが、その時に織田家との和睦を進めるチーム入りも命じられてしまう。

 

「あの人と関わるんは、できるだけ避けたい」

 

 心底そう思ったが、主命を断るわけにもいかないので、極力表に出ないでやりすごそうと決意した。

 『まあワシはまだ新参、奥ゆかしさっちゅ~ヤツを演出するのもええじゃろ』と考えてもいるが。

 

 行き先を教えていなかったのに、美濃にいた主人公から手紙が来て、少し怯えた。

 美濃の斉藤家の家臣の一人から諏訪家を経由して、そこからは修験者の一人が運んで、奥三河の藤吉郎へ届けられた。

 内容は村の家と家の間と軒を使って出来る、ブドウ棚の作り方。どうも、将来ワインの供給地にしたいらしい。

 

 それと浅井家の動きと、斉藤家との戦の結果について。

 

「普通はそっちが本道のはずなんじゃが、ついでのように書いてある……」

 

 そもそもなんでワシに教えるんじゃ。やっぱりあの人はわからん。

 サジを投げつつも、とりあえずブドウについては布教した。

 

 

 <冷泉季方>

 尾張へと都落ちしていた公家。家格は羽林。家伝は和歌と故実。

 荒れ果てた京は危険で、しかも和歌と礼法などの講師で稼ぐにも客が激減していたので、金がありそうな地方へと流れた。

 東の尾張まで来たのは、西は前関白や前左大臣などまでついでに殺害された大寧寺の変があったので、避けた結果だと思われる。

 

 なにせ大寧寺の変のラストで大内義隆を介錯して、その後は敵の陶らの軍に突撃して戦死したと言われる忠臣、冷泉隆豊は彼の親類。

 変を起こした陶春賢もとうに討ち取られているが、それでも縁起も気分も良くは無い。

 

 だがやって来た尾張で、レヴェルやストレス、マジやテキトー。独特の流行り言葉を取り入れた和歌を面白いと思ってしまった。

 それを詠んだひとりが、丹羽だった。話しかけたら話は合うし、大物だったので、スポンサーになってもらった。

 まさかそのせいで、主人公の京への旅の連れとして、京への道のりから官位を得る方法まで、各種ガイドを務める事になろうとは思っても見なかっただろう。

 

 旅の道中に賊に襲われるや、分かっていたかのようにスムーズに、焚き火から火のついたマキを投げつけ、ひるんだところを刺して。

 初めて来た町のはずなのに、なぜか名物料理を知っていて、食べて「そうそう、これこれ」のような反応をして。

 脚絆や塩アメなど、自分が知らない、旅が楽になる知識と道具も持っている。

 

 普段は怪しいまでに行動が胡散臭くて、いざ危機になれば、妙に的確な行動を取る。

 コイツを京へと連れて行っていいものか、と小一時間悩んだ。

 

 しかし『いや、公家の上層部もたいがいだったな』と思い出したので『ほな、ええか……』と納得した。

 

 観音寺騒動に巻き込まれて、逃走中に『やっぱやめときゃ良かった』と早速後悔したが。

 

 しかし丹羽の依頼だけでも、通常の3倍の官位の紹介料が入るのに加えて、主人公の寺格などの依頼料も上乗せで懐は非常に潤うので頑張れ。

 

 <円融>

 オリキャラ。主人公の手足となって働く、斥候、情報収集をこなす部下が欲しいな、と出した。

 なぜか即行で離脱したが。なぜだろう。

 主人公の助けになるよう、能力設定をしたのが悪かったんだろう、たぶん。

 

 本人にしてみれば、高野山で修験者の修行してたら、中小企業の織田から契約社員の誘いが来たので乗った。

 するとその試用期間中に、中堅企業の斉藤家から正社員への更なるスカウトが。しかも圧が強い。これは乗るしか無かった。

 そうして気付けば、修験道の修行者のはずなのに、禅宗の寺の住職になって、美濃の情報と物流の重要拠点の運営者になっていた。

 

 あっという間に出世したとも、流されてブラック業務に就いてしまったとも言える。

 主人公と半兵衛と、どちらの被害者なのかは見方による。

 

 

 <蒲生賢秀>

 蒲生氏郷(7歳)の父親。主人公が将軍暗殺を企んでいると見破ったのは氏郷にしようかと思ったけど、流石に若すぎたので、この人の手柄に。

 でも実は『狙ってるのは将軍だろ?』というのはハッタリだった。

 甲賀衆と鉄砲打ちを雇うという思考材料から、暗殺までは考え付いていた。それでもさすがに標的まではわからなかったので、取りあえず近くの一番大物を持ち出して、ビビらせようとしたのだ。

 大勢の家臣を突然登場させて、プレッシャーをかけたのも圧を高めるため。

 

「ち、違います! そんな大それた事は考えていません!」

 

「ほう、ならば誰を狙っているというのだ」

 

 という流れを想定していた。

 まさかのそのまんま将軍暗殺を企んでいます! と告白されて、実は内心動転していた。

 しかも主人公が「将軍って感じ悪くない?」とか言い出して、家臣らがそれに「ワカる~」と同調しだして、更に焦った。

 『確かにそうだけど、それじゃダメだろ』と、常識を語ろうとしたが、今度は『将軍とか要らないんじゃあないか?』とか言われて困惑する。いや、要るだろ将軍。

 

 ……要るよな?

 

 と少し揺らいだ所で『ここ数年の近江には要らなかったよね?』と追撃が始まる。

 

『六角親子も近江に要らない、というか逆に近江の秩序の邪魔だったよね?』

『じゃあもう、将軍も六角親子も、両方消しちゃおう』

 

 ここまでは説得されかけていた。何なら、家臣らはすでに説得されていた。

 しかし『三好の仕業にしようぜ!』という提案に『卑怯すぎるだろう』という真っ当な反発を覚えてしまう。

 それで少し、正気に返った。いやそもそも将軍暗殺とか大罪だろ。と思い出してしまったのだ。

 

『でも今の将軍消した後に、次期将軍を手に入れて使えたら、近江が手に入るよ?』

 

 と、野心に火を付けられたら、一瞬で全部燃えたが。

 苛立ちも、迷いも、全てが消えてハッキリと未来が見えたらしい。

 しかし『でもその栄光の代償に過重労働が待ってるから、後藤家も巻き込もうね』という忠告に『確かに』と納得できるだけの理性は残っていた。

 

 そんな感じで、大雑把な仕掛けで主人公をつついたら、とんでもないものが出てきてアドリブで近江の頂点を狙う事になった男。

 尾張・美濃・諏訪の官位同盟は京などの畿内をどうするか想定していないので、そちら方面を丸投げされる恐れもあるぞ。

 しっかりしろ。頑張れ、蒲生賢秀。

 

 

 <足利義輝>

 セリフも無く退場した大物。という意味では信長と同じ種類の犠牲者。死因も犯人も信長と同じ。

 矢が眼底を突き抜け、脳まで届いた際に意識を失ったので、苦しんではいないのが救いか。

 

 史実では岩清水八幡宮に一時避難するなど例外を除けば、朽木からの帰京後は死ぬまで京を離れられなかった。

 京では意外と三好と上手くやっていたらしい。幕府の実質運営だった伊勢氏を謀略で決起へと追い込み、始末した節があり、運営を将軍家に取り戻してもいる。

 まあ、運営のノウハウが無いんで、実際に運営できていたかは、うん。

 ただ利権は手に入ったので、それを背景に全国の大名らの戦の調停に乗り出し、名声と影響力を高めた。

 

 その結果、三好に警戒されて、人質を要求されるような関係に戻る。

 有力大名に押し上げてもらったのに、上がったらパージしようとするのが足利将軍家の悪い癖だ。

 そしてパージする時に、他の有力大名を頼るところまでがワンセット。この時に頼りにしていたのは六角家。

 しかし観音寺騒動で、何年も動けなくなる六角。三好も長慶ら首脳陣が次々死んで弱っていったので、義輝はまだ生きていたが、限界はあった。

 永禄の変。義輝本人と、その母親に側室に弟1人まで死に追いやった三好家の暴走にて、29年の彼の幕は閉じた。

 

 このお話だとそれよりも早く、ただ彼ひとりの時に閉じたが、それは良かったのか悪かったのか。

 




全盛期はとうに過ぎたが、まだ存続している個人サイト、Arcadia のSS投稿掲示板から銀河英雄伝説の二次創作、銀凡伝 を推してみる。
銀英伝二次の中ではメジャーな方だと思いますが、2006年の投稿なので、もうご存知でない方もいるかなって。
能力的には凡人だけど、性格は天然で神経が太すぎるオッサンが、ラインハルトの横で原作知識を生かしつつワチャワチャするお話。
当然、思ったんと違う。となる事も多々。ちゃんと完結しているから安心。
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