お前どんなヤツやねん……
あと前回の話の受けが過去イチ悪かったです。
オッサンらと接待お茶会やってただけなので、まあ残念ながら当然なのかなあ。
華が無いのです。
でもこの話にまともに出た女性って、帰蝶さまくらいじゃないかな。
あれ、要るのかヒロインって?
さて。前回、三好長慶さま方に、私の方の事情を把握されておりましたが、これは特に不思議な事ではありません。
だって熱田商人の加藤さんに、情報はフルオープンでいいですって言ってありましたから。
探られて困る事情も、裏もありませんからねえ。
いっそ無防備戦術ですよ。実際、そのおかげで話が早かったわけですし。
まあ、マジでヤバい裏は、ちょっと調べたくらいでは絶対にわかりませんからね。
将軍暗殺とか、関係者以外にはバレませんよ。たぶんセーフ。
調べて出てくる実行犯は、杉谷善住坊『という事になった』ので、私はセーフです。
寺格の売買契約は『実際にそちらの寺院を確認してから…』との事なので、もう少しかかりますが、それでも寺院のネットワークは使えるようになりまして。
それで暗殺の片棒担いだ蒲生さん経由で、杉谷を紹介してもらった後藤家と甲賀衆にクレームを入れてもらったんですよ。
「おぅ、この落とし前どうつけるんじゃ、誠意見せぃ、誠意ぃ!」
という、アレですね。
しかし杉谷個人の暴走だったせいで、甲賀衆が責任を取りたがらなくて困りました。
「仕事はやり終わった後だったし、殺しにかかった杉谷は返り討ちにあって死んでいるし、もうそれで問題解決しているのでは?」
とか言い出しましてねえ……
「そうかそうか。良かった! これで今後はお前達を仕事が終わった後に、口封じで始末しても良いのだな! …ん? なんだ? そういうのもアリだと今お前達が決めたであろう?」
蒲生さんが露骨に脅しを入れたら、アッサリ頭を下げてきたそうですが。
信頼関係舐めたら、そりゃそういう扱いになりますよ。
まったく、忍者なら忍者らしく、そういう卑劣な行いはバレないようにやってくれないと。
とまあ、そういう経緯での話し合いの結果、杉谷に全部アレコレを被ってもらって、甲賀衆も六角親子に手は貸さないとか、いくつか約定を交わして、手打ちとなりました。
蒲生さんはともかく、跡を継いだばかりの後藤さんも、シッカリしているみたいですね。これなら近江は安心です。
安心して、仲間に誘えます。斉藤家と一緒に、浅井家と戦おうぜ! 多分そのうち朝倉家も出てくるから、頑張って下さい。
織田家と私は、後ろからその姿を心より応援するものであります。
いや、だって直接領地を接していませんし……
家康さんの所に余裕がありそうで、交渉がうまくいったら援軍に行ってもらいますから、ファイトですよ。
まあ、近江の事はさて置いて。
こちらの事情を広めておいたおかげで、話が回り始めまして。
あとは近くになら出歩けるようになった義興くん21歳と茶でもシバきつつ、成果を待っていようと思ったんですよ。
ですが人生は、いつだって思った通りには行かないもので。
現在、私は『オラッ、まだ 文化 あるだろ。ジャンプしろオラァ!』と公家たちから文化を吐き出させられております。
どういう事なの。
私もそう思いますし、あなた方もそう思ったでしょう。文化ってなんだよ(哲学)と。
キッカケは冷泉さまです。
帰還の挨拶とか、官位申請の手続きとかで、色んな公家らの家を回って顔と話をつないでくれた。
そこまでは良かったし有難いのですが、ついでに情報交換やら世間話やらをするわけですよ。
「なんぞ尾張でオモロい事はありましたや?」
「なかなか興味深い、独自の流行が生まれておじゃりましたよ」
とか、ちょっと自慢げに語っちゃったらしくてですね。
いや、まあ、わかりますよ?
都落ちから帰ってきたか、と見下してマウント取りに来る。それも「さぞご苦労が…」などと労わるフリをして取りに来る公家らが、ムカついたんですよね?
「田舎の尾張なんぞで、あったわけないわなあ? なんかあったんか~?」と揶揄されて、カッとなっちゃったんですよね?
それで「いやいやいい所だったし楽しかったぞ」と尾張ごと持ち上げて、ちょっとでも見返したかったというのは、わかるんですよ?
でもそれで『じゃあちょうど現地の人が来てるし、直接尾張独自の文化とやらを見せてもらおか』となって、私に負担が回ってくるのは、なんでですかねえ。
まあ、やるしかないんでやりますけど。
ここで引いたら、尾張ごとナメられて、官位申請どころではなくなるからです。
失敗した上に、尾張の評判を落としてきました! とか無事に尾張の土を踏めなくなります。
そうなったらもう『京を火の海にして、うやむやにする』ぐらいしか対策が思いつきませんね。
さすがにこの文化財の山どころか、文化財の結晶みたいな都を火にかけたくはないので、やりますよ。
室町公家どもに、見せてやりますよ! 現代知識チートっていう文化をね!
尾張の文化と違うんかいって?
室町時代の尾張に、京の公家を唸らす文化があるわけ無いでしょ。(失礼)
まずは音楽からです。
雅楽という、笙などの笛、太鼓などの打楽器を使う楽団はあったのですが、現在の荒れた京では自然解散して久しかったので、まずは演奏できるメンツを探して集めました。
義興くんが。
「いや助かりましたよ。どう探してよいものか、途方に暮れるところでした」
「なあに。もう体も楽になってきたというのに、父上たちがあまり動くのを許してくれなくてね。いい機会だったのさ」
『公家で雅楽器を使える人』というニッチな人材を探すのに、育ちのいい御曹司の助力はマジで助かりました。
そして集めた雅楽器の使い手たちに、ひとりひとり別々に個別面談です。
まずは楽器の音を聞かせてもらい、それに合わせて曲を仕込みました。
口笛か手拍子で。
だってさすがに笙とか琵琶とか弾けないんだもん…… シチリキとか漢字で書けないし、開始と終わりだけ鳴らす
……もしかして鞨鼓って、( )このカッコの語源だったりするんでしょうか。
教えてくれ令和のAIたち。(正解)
そうして個別で仕込んで、いざ合わせて演奏してみると、思った以上に上手くハマりました。
舐めた顔をしていたので『あとでシメるか…』と考えていた、名前も聞いていない公家すらも、素直に感動しています。
「おお…… 見た事も無いはずの、赤茶けた岩の荒野の上を、鳥のように飛びながら、空から見下ろしている光景が、見える……」
なお流れている曲は、アメ○カ横断ウル○ラクイズのOPで流れる、アレです。曲名わかんないけど。
テー レー テーテテーテテー♪
今世では絶対に行けないけど、行きたいですねニューヨーク。
だってまだヨーロッパ人が未到達で、手付かずの自然と資源の宝庫ですからね。
そりゃ誰より早く駆けつけて、我が物にしたくなります。
あの天高くそびえる摩天楼や、青白い自由の女神には絶対に出会えないので、それくらいしかないとも言いますが。
「駆けて行く若者たちが見える…… 手にするのは手紙か? それを渡して、うん? ハズレとはなんだ?」
ちょっと待って。そこの公家さん、なにか見えないもの見すぎてない? 何者ですかアナタ。
気になるので、別の曲を演奏して実験してみますか。
「おう、今度は空を飛び行く鳥の姿がハッキリと…… あれはワシか。頭部に羽毛のない、奇妙なワシ。しかし力強く、高く飛ぶものよ……」
今度の曲は『コンドルは飛んで行く』でした。
ちゃんと見えてますね…… 感受性が鋭すぎるのか、それともただのオカしい人なのか。
それとも、前世持ちという意味での『同類』か。
ちょっと確認してみ… えっ、なに。次は他の文化をって、ちょ、待って。
あの人が誰かだけ、教えて。
四条家の人?
五条じゃないんだ。そういう意味での六眼持ちとか、てっきりそういうネタかと……
いや、こっちの話で。
四条なら、確か包丁術が家伝でしたよね? 次は尾張の料理を味わっていただきましょうか。
もう少し、この四条さんのデータが欲しいですからね。
そして日を改め、場所も四条さんの屋敷へと移って、私のターン。
鴨肉を使った焼き鳥や、果物と組み合わせた葛切り、あとギリ開発前の
細川で一番有名だろう、ミスター古今伝授こと細川幽斎(藤孝)の家臣の開発者さんには悪いですが、手柄はもらっていきます。
鱧は生命力が強いので、生きたまま運んでも海から京まで持ちます。だからかなり昔から京で愛されてきた食材です。
これの新しい食べ方とか、かなり強力な武器ですからね。申し訳ありませんが、使わせてもらいます。ごめんね、名前を覚えていない誰か。
小骨が多くて、そのままでは食べられない鱧ですが、骨ごと潰してすり身にすれば問題なく食べられます。
ですが湯引きにしたり、焼いても美味いのです。
だから小骨を細かく切り刻んで、普通に食べられるように手を加えるぜ。というのが骨切りですね。
頭で出汁を取っての、伝統的なお吸い物に入った、新感覚の鱧はどうですか四条さん。
卵が手に入ったので、柳川仕立てにもしましたよ。煎り酒*1をかけ焼きにした、焼き物はどうです。天婦羅は……天ツユが作れないんで塩でどうぞ。
「いま少し、米飯をいただこうか」
おかわり要求してますけど、それあなたがどこかから出してきたやつですよね?
用意してないんですけど。
この真夏のクソ暑いのに用意した、八丁味噌の味噌煮込みうどんならありますけど。
じゃあなんで用意したんだって? だって尾張の名物っていったら、やっぱりコレかなって。
外すわけにはいかないかなあって。
天むすは、あれは実は三重県発祥らしいので除きました。いや、マジで。
「うぬう、熱い!」
「でしょうね」
作ってるだけでも熱かったですからねえ。
その熱々の味噌煮込みうどんを「濃い! 濃いぞこれ!」と時折叫びながら、器用に音を立てずにすすっているのは、四条隆益。
そういえば笙の担当のひとりとして、雅楽団にもいましたね。
『素材を直接手で触れずに、箸と包丁で調理する』という謎の縛りを結んでいる料理術の他にも、笙も家伝だったようです。
公家は一条家と二条家と九条家が摂関家なので『三~八条どこいった?』と気になって調べた事がありました。
そもそも名前の由来が、京の都の大通りの名前で、一条通りに住んでいる一条さん みたいな起こりであるらしく。
別に親戚とか一族で『我ら一条から九条にまで別れようぞ』とか『分家が出来るたびにナンバーが増えていった』とかでは無いようなのです。
だから家格もバラバラで、三条家は清華、四条さんと六、七、八条家は羽林、五条家は半家。
なお公家のランクは、摂関家>清華家>大臣家>羽林家=名家>半家となるので、五条家だけあからさまに違ったりします。
具体的には、公家は家のランクで出世にロックがかかるので、五条家だけほぼ公卿になれません。
そして公卿じゃないと荘園が持てないので、収入が、その、うん。
まあこの時代は大体の公家の荘園が地元の土豪に横領されているので、摂関家だろうと半家だろうと苦しい生活なのは一緒だから、問題ないですね。
この四条さんのお屋敷も、よく見ないでもだいぶくたびれて、手入れの必要がありそうですが『今はこれが精一杯…』という感じで、素人が直そうとした跡がある。みたいな感じですからねえ。
惜しいなあ。羽林の格の公家の当主なので、家臣に勧誘できないんですよね。
お金無さそうだし、それさえなければスカウトできそうなんですが。
あのリアクション芸は、少し惜しい。
あれだけで、史実だったら信長さんや秀吉のお伽衆入りを狙えますよ。
よし、代わりに三好長慶さまに推薦しておきますか。
あの天下人には、そういう緊張をほぐしてくれるユカイな道化が必要だと思うのですよ。
ついでに落語でもいくつか仕込んでおきますか。火炎太鼓とか寿限無とか、ハテナとか。
人生には余裕とユーモアが必要なんです。ブラック労働、ダメ絶対。
気付けば、やらなきゃどうにも回らなくなっているとしても。それでも叫びましょう。
ブラック労働、反対! 万歳ホワイト労働生活!
なお私は不労所得を目指していますが…… この時代に可能ですかねえ。
隠居生活って、本来そういうものだと思うんですが。
何を紹介したのか、していないのかそろそろ把握できなくなってきましたが
小説家になろう から おけむら 氏の 勇者互助組合 交流型掲示板 を推してみる。
小説家になろうというか、なった人と作品。ゆえにweb版はかなり圧縮されてダイジェストに。それでも面白いよ。私は気に入って小説版買ってましたが。
掲示板形式の走りの作品。無数の異世界が存在する中で、魔王を倒した成果で勇者認定、異世界に召喚されたら勇者認定など、勇者の資格を満たしたら掲示板に接続できる術式を、むかーしのスゴイ勇者が開発。無数の後輩らがスレ立てしたり、ダベッたりしている。
野菜を鎧のように装着、変身して畑を荒らす謎の侵略者と戦うベジタヴォーンさんや、ラスボスまで全部テイムしちゃった人や、勇者やり終わったヒマな方々や、魔法少女にメイドに魔王にロボと、キャラが豊富。