あらすじまとめちゃってからも、章を続けてもいい。自由とはそういう事だ…
あらすじだけをご覧の方もおられると思いますが、それ以外もヨロシクね!
「ではいくぞー! いーち! にー! さーん! ダアァァァ!!」
京の都の寺と名乗るには、やや外れにある、小さなお寺。
その境内では、大きくても15には届かない歳の子供達が集まっていました。
そしてその前で令和というか、むしろ昭和の、戦後の日本人なら誰でも知っているであろうあの掛け声とパフォーマンスをする、元気なオッサンがいました。
これ、長慶さまです。
何処から見てもノリノリです。まことにありがとうございました。寄付とか手続きとか。
さて。どこから話したものでしょうか。
始まりは、そう。私の、何となくの転生者ムーブだったんですよ。
はい。転生者ムーブです。
なんかもう、思い返すだけで色々諸々ありすぎたこの1563年も――――
あっ、走馬灯みたいに、今年1年の光景が……
年が明ける前から木曽家へ向かって、そこから諏訪へ。
勝頼さまを武田家から諏訪家へ引き抜いて、藤吉郎くんと一緒に諏訪と伊那を駆け回って、信濃を独立させて。
信玄と戦うかと思ったら、謙信が援軍に来たんでそっち行って負けて帰ったんで、後始末して、次は美濃へ。
半兵衛どのと知己になって、帰蝶さまの謎ムーブがユカイだったんで、手を貸したらなんか龍興を討っちゃって。
浅井家が攻めてきたと思ったら、一向宗捨てに来ただけだったんで、やって来た不破さんを巻き込んで対処して。
そしたら知らない間に黒い噂でいっぱいになった丹羽様が、これまたいつの間にか話を纏めて、織田、斉藤、諏訪の三家合同で官位申請するからやれって、京まで出張。
その途中で、ついで仕事のはずの近江で、なんやかんやで将軍義輝を暗殺して、ついでに遺産を一部かっぱらって売りさばいて。
それに巻き込んだ蒲生家や後藤家と、京で縁が出来た三好家の和平がてら、室町幕府を一緒に乗っ取って。
って、濃いんですけど。
これ本当に、今年一年間のイベントですか???
というか、 まだ今年終わってない ってマジですか?
この秋は、わりと平和に過ごせましたけども。
スー… ハー… さて、一旦深呼吸して落ち着きましたし、回想はここまです。
長慶さまがなぜ、 京の郊外の寺でボンバイエ していたのかと、私の転生者ムーブの話に戻りましょう。
あれ、戻っていいのかな、これ。字面がヒドいけども。
まあいいや。
――――そんな1563年も、ようやく夏が終わって秋を通り越して、冬が見えてきましたが。
三好家の荒くれたちによる、都を制覇するまで終わらないケンカ祭りはまだ続いておりまして。
それでも多少は治安が回復しては来たのです。
夜はともかく、昼に街中を出歩いても、チンピラの群れと遭遇する確率が、明らかに下がっていますし。
(注意:無くなったとは言っていない)
そうなると、景気が良くなったと勘違いして、京に来ちゃう人たちもいまして。
商人とか、流民さんたちなら、まだいいんですが。
子供を捨てに来る人たちが、ね?
口減らしでトドメを刺したり、野山に捨てるよりは…… と、京までわざわざ捨てに来るんですよ。
まあ実際、そんな孤児になった子らも何割かは生きていけるくらいには、京も回復してはいるようですけども。
で、そんな孤児の中にですね。なんかこう、磨いたら光るかな、という感じの子も、いましてね?
つい、拾って、キレイにして、新しい服も着せて、ごはんも食べさせて、ちょっとだけ教育もして。
で、そこでこう思っちゃったわけですよ。
「違うな」
何か違うというか。求めていた人材じゃないというか。
でもちゃんとした服も着ていて、簡単ながら礼儀もわきまえているなら就職できるだろ。と放り出しまして。
それを四回やったら、義興くんに怒られました。
『デリヘルで四回チェンジしたらヤクザが来たでござる』みたいだなって思いました。
「いえ、彼らもそのまま普通に野にいるよりは、生きていく可能性は間違いなく上がっていますし、私も別に対価などもらっていませんし」
確かに中途半端に手を出しましたけど、いい事しかしていませんよね? と言い訳したのですが。
「他人の人生に手を出したのだ。いま少し、責任と人情を持て」
とまで言われてしまいまして。
いや、責任はともかく、人情って。
何もしないよりも、はるかに情もカネもかけましたよ?
「……了解しました」
言いたいことはありましたが、今の私は三好家の与力。義興くんはその三好家の後継者ですからね。
主筋の命ならば、不満は引っ込めて聞かねばなりません。だって、お給料もらってますし。
というわけで、郊外の借金で経営破たんした寺の債権を買い取って、お安く場所と人員を確保。
孤児院の運営を始めたというわけです。
そして長慶さまが、たまにこの孤児院に姿を見せるようになりました。
ストレス耐性が完全に回復していないので、政務から逃げたくなってしまう時があって。
そこに隠れるのにちょうどいい場所が出来てしまった、という事らしいです。
職場から離れすぎず、近すぎもせず、見つかりにくい。という絶妙な好立地なんだとか。
そして私が孤児院に延々と予算出すのがイヤなので、独立採算でやっていけるようにと各種の芸を仕込んでいたのも、長慶さまは見ていたわけで。
その一部に、なんかハマッてしまわれたわけで。
一回こっきりのネタだったはずが、続きを書かされてしまいました。
正直、戦うだけだと尺が足りないしネタも足りないので、東海道五十三次をパクッ…インスパ… いやパクリだな、あれ。
パクッて、イ○キとバ○が嫁さんたちから逃げ出して、三河から伊勢、さらに京まで旅をしながら、各地で騒動に巻き込まれて勧善懲悪。
最後は「どっちが強いんだ?」という、時の権力者の素朴な疑問に答えるべく、また自分たちもそれを知りたくて、相棒同士の戦いに……
と気付けば、なんか王道っぽくなってました。
演じるのが子供達だけなんで、ほほえましい感じではあったんですけどね。
逆にそれが血なまぐささや暴力のニオイを消して、長慶さまにウケた理由かもしれません。
で、長慶さまって、この間、自分で舞台に立ちましたよね?
はい。今度もまた『ワシも舞台に立ってもよいのだな!』と言い出しまして。
語尾に付くのが『?』じゃなくて『!』になっていまして。
あれは、疑問や確認ではなくて、念押しというか命令でしたねえ。
でも子供らに混じって、長慶さまを出すとですね。
戦闘のシーンで『オッサンが子供相手に本気出して暴れる』みたいな光景にしか、ならないわけでして。
結果。三好家の荒くれさんたちの中から、芝居っけのあった人たちを探して、イチから仕込むという新たな仕事が。
やりましたけど。
天下人のメンタル調整のための仕事は、だいたいの事に優先します。
だから荒くれの人たちにも、拒否権はありませんでしたよ。
例えそれが元幕臣でも。ねえ、進士晴舎さん。
「まさか子供の見世物になろうとは」
「子供だからですよ。深い考えとか、一切無いですからね。何の裏も無い相手との触れ合いが、長慶さまを癒すのです」
さすがに嘆いておられたので、そうやってフォローを入れておきました。無論、テキトーな口からでまかせですが。
なお義興くんも馬場役で出演しています。
長慶さまが主役の案斗仁王をやるので、その相方となると、荒くれの皆さんも遠慮しましてねえ。
「ぜひ孤児院の視察に来てください。やれと命じた結果を、一度ご覧下さいな」
とか言って連れ出して、いざ来てみたら父親の長慶さまや家臣たちがいて。
劇の台本を渡されて、突然稽古に放り込まれてうろたえる義興くんは、実に面白かったですねえ。
あの『どういうことなの』という顔は、すごく良かったです。
それと長慶さまたちの劇は、進士晴舎さんが言っていたように、子供らの前でしかやっていません。京の町中でやると、流石に暗殺の危険があるので。
まあ、そんな人生劇場は置いておいて。
せっかく孤児院が出来たなら、と、何人か追加で拾ってきまして。
そろばんが覚えられそうなら、将来の文官として育成。
話を覚えられそうなら、とりあえず落語を二つ三つ仕込んで、街頭ライブ。
女児は、元々見た目が良さげなのしか拾っていないので、半家以下の下級公家を利用した経歴ロンダリングで、お嬢様に生まれ変わってもらって。
今はお嬢様に相応しい教養と所作を身に付けるべく、いくつかの公家の家で修行中です。
何年かしたら、どこかいい所へ嫁に行くんじゃないですかね。(すでに他人事)
どれもダメだった子は、劇に来ていた荒くれたちの下っ端になって、犯罪者を探したり情報を集めてくる、少年探偵団みたいな集団になっていました。
私も知らない間に、勝手にそうなっていたんですよねえ。まあ、問題が片付くなら、ええか……
あと手先が器用で、素直だったのを2人、義興くんの料理番に押し付けました。
私の教えた料理と、料理番の身につけた基礎を学ばせるためです。いずれ京でも料理店を始めるために。
私は今、三好政権のもとで戦国時代を終わらせようとしています。
まずは畿内の三好家と、四国の三好家の経済圏を連携、統一しようと動き出しました。ついでに四国の経済圏も手に入れたいですね。
その経済力を背景に、一向宗を浄土真宗に戻せないか、何とかやってみたいと思いますが…… これいけるかなあ。
軍事的には、近江の蒲生家らと連携して、紀州に逃げた畠山家を討ちたいですね。
これについては、松永サンとも話したのですが。
「貧すれば鈍すると言うが、畠山家は紀州に逃げ込んでから、兄弟で分裂して争っとるぞ」
「えぇ…… ますます勝ち目がなくなるのに」
「兄の畠山高政が『根来寺を中心にした寺社勢力』に取り込まれただけじゃ。
弟の畠山政頼は元は幕臣で相伴衆。覚慶さまに近付こうとしていたおかげで、そうならずにすんだ。だが……」
「ええ、そうですね。もう……」
『もうここまできたら、管領という室町の大幹部の家としては終わりだろうから、介錯してやろう』
それが私と松永サンの出した、共通の答えでした。
まあ、三好家が執権として幕府を仕切りたいので、管領とか復活してもらっても困る。という裏事情もあります。
管領の家は、3つ。この畠山家と、尾張にいるはずの斯波家と、細川家です。
細川家は三好家のかつての主家で、細川春元という人が好き勝手しすぎて長慶さまにキレられて、下克上されてしまって、今は後継者が保護下にいます。
春元本人は、今年の3月に近江の方でくたばったそうです。
蒲生家から伝えられた時に、長慶さまが「ああ、まだ生きてたのか」という軽いリアクションだったので、完全に過去の人になっていたようですね。
斯波家は…… どうしてるんでしょうね?
史実では信長さんとは別系統の織田家が保護していて、その織田家に当主が殺されて、嫡男が信長さんの所に逃げてきて、大義名分になっていましたが。
その前に、尾張自体が色々ありましたからねえ…… 斉藤家とか武田家とか今川家とか。
まだ残ってるのかなあ。『坊丸さましかいねえ!』ってなった時にすら、カケラも名前が出てこなかったので、影響力はもう死んでいますが。
ほなもう、どっちでもええか……
だとするならば、管領の家で生き残っているのは、畠山家のみ。
そういう意味でも、滅ぼさないといけませんね。
「しかし、寺社勢力ですか」
「うむ。大和でも、実質的な守護は興福寺とすら言われておる。面倒だぞ、寺社勢力というのは」
「あ~… じゃあ、まずは?」
「うむ。まずは…」
『紀州の寺社勢力が面倒くさいから、まずは離間の計でも仕掛けて、同士討ちでも狙おう』
また見解の一致を見て、穏便に松永サンとの話し合いは終わりました。
根来だと、甲賀衆が関わりがありそうだから、伊賀の方に依頼してやってもらおうぜ。と手段も決まりましたし、いい会合でしたね。
義興くんの暗殺対策に、仮にどうやって暗殺を狙うのかをまず話し合っていたら、松永サンの息子の久通くんが血相変えてやって来て、止められましたが。
まあ、聞かれたら誤解を招きますからねえ。
と思ったら『逆に参考にされそうだから、やめて下さい』という、ちょっと一味違った意見でした。
史実では父親の陰に隠れていましたが、あの人も面白い人材ですね。
こうして松永サンとの会合で、意見を一致させて、また一歩、戦国の終わりへと近付きました。
そして戦国が終われば、おそらく京の都は永く残ります。史実では、そうでした。
江戸の世を越え、明治大正、昭和の世界大戦すらも無事でいた。
ならばそこに、千年先でも生き残れる店を作ったならば?
京都の老舗。テレビで「このお店を始めたのは~」とか紹介されてしまうポジに、私はなります。
日本最初のウナ丼の専門店なら、いけるでしょう。
やってやりますよ! 令和の更に向こうへ! 届け秘伝の付け足しタレ!
さあて。お店の名前は、どうしましょうか。
カクヨムより。
転生ミミックのダンジョン配信 ~世界唯一の魔物系配信者としてバズった俺、進化を繰り返して最強になる~
純クロン@『努力家な転生第六王子』発売中 氏の作品を推してみる。
いい意味でラノベです。軽く明るく。サックリ読める。連載中で今は76話かな?
現代ダンジョンもの。配信があふれていて、視聴者ゼロでも頑張ってた強メンタルな人が転移トラップにかかり、目覚めたらなぜかッミックになってた。
人でなくなり、動けず、現在地も不明。でもまだ配信されていて、視聴者が来て、バズッた事でテンション上がって、ゴブリンを罠にかけてレベル上げて、進化して… 更なるバズりを目指してダンジョンをさまよう。
悲壮感も後ろ向きも無い、バズりだけを気にするこのメンタル、マジですごいと思う。