尾張グダグダ戦国記   作:far

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統一もしますけどね。ゆるーい感じで。
参勤交代も設定はされるけど、ゆるくなりそう。
あと首都が大阪になりそう。


【仲間が】天下統一より、天下泰平【増えたよ】

 

「いや、まさか織田家の人間まで来ていようとは!」

 

「ええ、正に複雑怪奇とはこの事かと。ですがこのお人が関わると、たまにある事のようですよ?」

 

「HAHAHA ごくたまに、ですよ。そうそうはありませんよ」

 

 はい。現在、北条氏康と徳川家康の会談に混ざっております私です。

 

 後の事は家康さんに任せて、さっさと逃げ去るつもりだったのに、どうしてこうなったのでしょう?

 というか北条氏康という北条家の当主自ら、他国に万の軍を率いて遠征とか、何やってるんですかあなた、

 確か今は50歳前後で、寿命があと10年を切っていて。(うろおぼえ)

 有力な国人の群れとも言える、関東諸侯と戦って、関東制覇に来た上杉謙信と戦って、その後ハイエナしに来た武田信玄とも戦って。

 その全てを跳ね返して、北条の全盛期を築いたデキる三代目。

 

 息子の氏政がその成果を全部、盛大に裏目る前フリにしちゃいましたが。

 

 氏政は、信長さんは天下人だと認めていたらしく、従属しようとしていたらしいです。

 しかし恒例の本能寺でオジャン。いや、マジで影響大きいですね本能寺。

 

 それで中央がしばらくグダグダだと踏んだ氏政は、領土を広げて、統治を頑張って、関東に深く根を張りました。

 

 だから、滅んだのです。

 

 広がった領土は、秀吉が攻めて来る前に頭を下げる事をさせず。

 いざ攻めて来た時にも『ここまで大きくなった我らが…』『せっかく大きくしたのに削られるのは…』と納得しない家臣や親族たちを作ってしまいました。

 そして深く張り巡らせた根は『もはや全て取り除く他、無し』と秀吉に決意させるほどに、強く根付いてしまっていました。

 

 秀吉に限らず『当主らの切腹の代わりにお家は存続』というのが、当時は普通です。

 特に恨みがあったり、よほどやらかしていなければ家門断絶まではいきません。

 秀吉がそれをやったのは、秀次と、織田家の中で最も仲が悪かった疑惑のある佐々成政くらい。

 

 織田信雄も一応当てはまりますが、信忠の子の三法師はちゃんと面倒見て、城主にしてたりするし、信雄だから、まあいいかなって。

 

 北条家も、再三の従属命令を無視して、やっと従属すると思ったら『一度も戦わず降伏とな?』と勝手に攻めかかっちゃったオバカさんが出て。

 それを処罰するでなく、なしくずしにそのまま対立して、小田原城にガッツリ篭城キメて、最後まで戦っちゃった。

 そんな経緯に加えての、誰か北条家の縁者が立てば『うちのお殿さまは北条がええだ』と、絶対騒乱が起きるほど、土地になじんでしまっているので。

 

 排除も、まあ、仕方が無いかなって。

 

 今世では、違う展開になりそうですが。

 近畿の勢力をもう少し整理して、四国地方は三好家、中国地方は毛利家など、各地をまとめる大名家を決めての連合国家にしよう。

 長慶さまたち三好家の上層部が今、そんな構想を練っているからです。

 

 そうなった場合、関東の代表はといえば、北条家になります。実力では。

 鎌倉公方とか小弓公方とか古河公方とか、足利将軍家が過去に関東の統制を狙って送り出した親族の末裔もいますが。

 『基本お飾りで、独自の力なんか持っていない』という室町将軍のお約束をキッチリ踏襲しているので、関東諸侯全てにいう事を聞かせるのは、無理なので。

 

 でもやかましそうだし、そっちに付きそうな諸侯もいるし。やっぱり関東はまだ荒れますかね、たぶん。

 

「ところで、良い武器を持っておられますな? 是非我が北条にも分けていただきたいのですが」

 

 おっと、少し考え事をしている間に、会談が進んでいたみたいですね。

 手すきになった北条氏康が、こちらに話しかけてきましたよ。

 

 会談と言っても、江尻城から少し離れた原っぱの草を刈って、陣幕で覆っただけの場所で。

 そこにおのおの床机(しょうぎ)*1を持ち込んで座って話していただけですからねえ。

 お互い軍勢から離れて、少数での話し合いなので、誰に話しかけるのも容易だったりするのです。

 

 でも気軽にアレが欲しいとか言うな。

 家康さんも『えっ、なにそれズルいワシも欲しい』っていう目で見ない。

 確かにアレは持っててもイジッても楽しいオモチャですが、強力な兵器でもあるんですよ。

 

 それにしては気軽にブッパしてたな って?

 

 …………ええ、まあ、はい。ごめん、ちょっと反論できない。

 

 しかし、木砲を北条家に提供、ですか。

 ん~…… そうすると、ああなって、こうなって。ふぅむ。

 

 うん。アリですね。

 

「いいですよ。上司の許可が出ましたら、条件付きになりますが、ご提供いたしましょう」

 

「えっ」「ちょっ!」

 

 言ってみただけだったっぽい北条氏康は、たいへんに驚いて、家康さんもギョッとしていますね。

 

「大丈夫。その場合、徳川家にもお渡ししますよ。是非、北条家との国境の城などに配備してください」

 

 三河から、このあたり。駿府くらいまでは家康さんに、関東は北条家に。

 それぞれを担当してもらって、地域の諸々の問題を解決していってくれたら、助かるんですよ。

 

 その過程で、木砲の威力についても学習してもらえたら『お互いコレを向け合ってるのか。ヤベェな』と理解してくれるでしょうし。

 これがMAD、相互破壊保証、でしたか? 冷戦という名の平和です。

 

 それに関東は先ほども言いましたが、足利将軍家の分家と、国人しかいねぇ! という関東諸侯の制圧と整理という終わらなさそうな仕事がありますし。

 家康さんは、吉良家とか今川家の残党とか、領内でまだ対立気味の一向宗とかの始末に加えて『部下が全員三河武士』という大問題がありますので。

 お互いに、争いあってる余裕はなくなるんじゃないかなって。

 それらの問題をそれぞれ片付けてくれると、三好家が遠征しなくて良くなって、実に助かりますので、是非頑張っていただきたい。

 

 これが地方自治だ…! (問題を)地産地消!

 

「さて、北条さま。徳川殿も。

 これは執権 三好家を天下の采配を握る家として、名目上だけでも上の存在と認めてもらっての話になりますが――

 この戦国の世を終わらせて、天下泰平を築き、その上で地方の覇者として立つおつもりは、ありませんか?」

 

 もうね。戦国時代とか、そろそろお腹いっぱいなんですよ。

 私は転生者なのでそう感じる、感じられるのですが、今の世代なんか、生まれてからずっと戦国時代ですからねえ。

 他の時代を知らないので、終わらせるという発想すら出てこない、持っていない人が、武将でも圧倒的大多数という。

 

 なら、私がやるしかないじゃないですか。戦国時代の幕を引いてやりますよ!

 本来ほぼやりとげるはずだった、私がうっかり殺っちゃった信長さんの代わりにねえ!

 

「待て待て待て待て! 突然、何の話だ!? そもそも織田家の人間ではなかったのか!?」

 

 おっと、いきなり三好家サイドの立場で話したので、北条氏康が混乱していますね。

 家康さんはそんな北条氏康を『うむ。それはワシもかつて通った道だ。わかるぞ』という顔で、優しい目で見つめています。

 

 まあ、私の経歴はかなり謎な事になっていますからねえ。

 解説しても、一発で分かってくれるでしょうか?

 

 北条氏康が分かってくれるまで帰れない会議、スタートです。

 

 

 ~~主人公 説明中~~

 

 

 そして『どうしてそうなったのだ?』という、私にも分からない謎以外は北条氏康が理解してくれたので、会議は終わって、次の会議が始まりました。

 議題は『今川家、どうするよ』です。

 

 現在も今川氏真は、駿府で徳川軍に包囲されていまして、北条家からの助けを待っています。

 その北条家は、このまま帰るつもりっぽいので、その助けは永遠に来ないのですが。

 

 ですがこうして話し合いの場を持った以上『じゃあ好きに始末してくれていいよ』とは北条氏康も言いづらいわけで。

 

 『今川家を救助する、という口実で領土拡大しにきました!』

 というのが北条家の本音で、その領土が係争地だった河東どころか、その先まで手に入った以上、あとはもう帰っても全然問題は無いのですが。

 こう、建て前は建て前として大事だし、あからさまに実だけを取って、義理や名誉や名目を捨てたら武田だし。

 

 でもここから戦して、徳川軍を蹴散らして駿府を奪還しても、そのまま北条軍が居座って維持、とかは流石に無理です。

 ずっと軍を派遣しているのって、兵糧を始めすごい物資を食いますし、兵力が手薄と見た、関東のいずれかの家が動きかねません。

 でも今川家単独では、絶対に無理。

 元からボロボロだった今川家の威信は、駿府を包囲されて、徳川家に武田家に北条家と、他国の兵に領土を好きに荒らされた事で地に落ちています。

 今川家の下に集い、戦ってくれる領主や国人たちなど、極々少数です。兵である、徴兵された農民らも付いてきてくれないでしょう。

 

 つまり、今川家はすでに詰んでいます。

 

 だから北条家の要求は『今川家当主の今川氏真と、その妻の早川殿の助命』が現実的なものとなります。

 早川殿は、北条氏康の娘でもありますし、妥当な要求と言えますね。

 

 大名としての今川家は消滅。領土は江尻城までは徳川家へ。それより東の領土と氏真夫妻は北条家へ。という内容で、話がまとまりました。

 今川家抜きの話し合いで。

 この戦国の世で、力が無いというのは、こういう事なのだと、あらためて教えてくれますねえ。

 

 氏真夫妻が助かったのは、家康さんもホッとしていたようです。

 というのも、家康さんは今川家に人質として入ったものの、将来の幹部候補として育成されていたので、氏真とは面識があったのです。

 というか、かなり仲が良かったっぽいです。年齢は、氏真の方が5歳ほど年上。

 

 同じ太源雪斎という当時一流の文化人にして軍師で宰相な、今川義元の師に学んだ学友でもあり。

 一緒に蹴鞠を何度もやっていた、蹴鞠フレンズでもあり。

 史実では、今川家を滅ぼした家康に、氏真が『それでもあいつの世話になる』と決断するほどの交流があったようなのです。

 できれば殺したくは無い。そう思っていた家康さんにとって、北条氏康による助命願いは、渡りに船な、都合の良い申し出でした。

 

 なお人質時代に家康さんをイジメていたらしい、当時お隣さんだった孕石(はらみいし)なる人には塩を通り越してセメントな対応だったので、マジで仲は良かったんだと思います。

 今川家没落後、孕石は武田家に仕えていたのですが、徳川家による高天神城陥落時に捕虜に。

 領土が広がるだろうし、優秀な武田家臣はいくらでも欲しいな、と思った家康さん。他の捕虜たちには戦いぶりを誉めて助命したり、勧誘をしました。

 

 でも孕石だけは問答無用で切腹

 

 おまけに『昔、隣に住んでた時さぁ?』と、ネチネチいじった後に『じゃあ切腹な』という陰険さ。

 おそらく、謝罪や土下座などをさせた後の『じゃあ切腹な』だったと思われます。

 

 情けは人のためならず。と言いますが。良かったね、氏真。

 大名には致命的に向いてなかったけど、剣術も和歌も蹴鞠も書も礼法もマスタークラス。楽市を信長さんより早く実施と、文官もイケる。

 おまけに嫁を大事にして、家が没落してもずっと付いていてくれる所から見ても、性格も良かった。

 家中が混乱してるから、落ち着くまで親(義元)の敵討ちは無しな。とかやっちゃった、戦国大名には致命的に向いてなかった人だけど。

 いい人ではあって、家康に恨まれずに良かったな!

 だって孕石が報復されたのは、20年以上経ってからだぞ。恨みは絶対に忘れない、機会があるまで待ち続けるのが、家康さんだからね。

 

 ……あれ、ちょっと待って。私は別に、恨まれていませんよね?

 

 目が微妙に笑っていないながらも、ニコニコと笑いながら北条氏康と話している家康さんを見ていたら、不安になってきたんですが。

 大丈夫ですよね? 私は、改名を勧めたり、そのために公家の方々を紹介したり、良い事しかしていないですよね?

 この後も、木砲を提供するわけですし。

 

 う~~ん、どうしましょうかねえ……

 なんせ徳川家康ですからねえ。それも、秀吉付きの。

 晩年まで待って、待って、待ち続けて。好機と見たら、関ヶ原のような天下分け目の戦を起こして、天下統一を狙いそうな気もするんですよねえ。

 そうなったとしても、待っているのはおそらく泰平の200年になりそうなので、良いと言えば、まあ、良いんですけども。

 

 念のために20年くらいしたら、暗殺しといた方がいいでしょうかねえ? 家康さんって。

*1
折りたたみイス。現在にも残る古来よりの発明品




今回は個人サイトを丸ごと推してみる。老舗なので、ご存知の方も多いかも。
○○を応援・支持するHP
ttp://oowoouensizi.xsrv.jp/index.html

2007年開設なので、来年で20周年。ほんと長い。
この後書き同様に、色々と紹介しまくっているので、色々あたってみるのもどうでしょう。歴史あるだけに、数がちょっと膨大だけど。
管理人箱のコーナーにある、自作小説もいいよ。ガンダムの研究者として働いていたら辺境に連れて行かれた とか、724話あって超絶長いけど。
真・恋姫†無双を知っているなら、蜂蜜片手に頑張るのじゃ の方がお勧めかな。豪運+ゆるい内政チート。
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