(仮題)ヴィークル・メアを求めて/(旧)母父の名で帰ってきた 作:MenoMash
どうも、オグリキャップ産駒のサラ系牝馬、キナダネオンの2005です。最近親離れしました。リードホースになった半姉キナダナノハナは厳しくも優しい黒鹿毛のゴリウーマンです。500キロ越えの馬体は迫力満点のUDK。
さて、適度に走って早々に繁殖入りという、馬生舐めてるとしか思えない願望持ちの私であるが、実は血統以外に生まれ持ったものがあるのだ。
まず、大前提として走ることに関してはオーナーブリーダーの小前田社長も、厩務員のコタローも端から期待していない。私に期待してくれるのは、リードホースの半姉くらいである。
オグリキャップの血を、ヒカリデユールの血を繋ぎ、やがてヴィークル・メアへと至る牝系を遺すこと。それしか望まれていないし、そもそも私の存在自体が社長の趣味なのだ。
私の生まれたカノウ牧場は、南房総国定公園内に存在する観光メインの牧場である。カノウ牧場の小前田社長は株式会社日本電波塔の社長でもあって、いわゆる名士というやつなのではないだろうか。知らんけど。
そんな小前田社長、馬主業にも手を出しており、私の母であるキナダネオンも、その産駒の半兄・半姉も小前田社長の持ち馬である。キナダネオンは鹿野山特別、父サクラユタカオーの半兄キナダアクルオーはアクアラインステークスが主な勝ち鞍。他に船橋などを主戦場とするキナダ冠の半兄・半姉がいるが、成績はあまりよくないらしい。ついこの間も乗馬に転職した半兄が牧場へUターンしてきたところである。
2、3勝以上の半姉たちがお婿さんをもらっていたりするが、ほとんどの兄姉は乗馬になって人間相手に媚を売るか、ごくまれにリードホースとして弟妹や甥姪の面倒をみている。
そんな風に馬の面倒をきちんと見てくれる馬主だということを親離れしてから知って、心に余裕が少しできた。後になってみれば、人から馬に転生したことに混乱もしていたのだろう。この頃になり、ようやく自分の体に注目したのだが……
白い。白いのである。私の毛は。オグリキャップやタマモクロスの例から、葦毛なるものがあるのは知っていた。だが、年月を経て白くなるという葦毛とは違い、私はもう白いのだ。
リードホースを務める半姉が言うには、馬のお巡りさんになった半弟キナダアクルオーも白くて目立つが、私よりは地味だったらしい。年々視界の端でチラつくようになったが、昔は半姉と同じような見た目だったとか。おそらく葦毛なのだろう。
コタローとその愉快な仲間たちによると、私は突然変異の白毛らしい。オグリキャップ産駒の白毛牝馬なら、きっと繁殖入りはできるだろう、と仲間内で話していた。白毛というのは、たぶん珍しくて価値があるのだろう。仲間たちの反応からそう思った。
現状主人公の一人称独白のみだけど、次話あたりから会話や別視点も入れていきたい・・・
4歳・秋の遠征先アンケート(本編の結末は大きく変わりませんが、ウマ娘編の展開には影響あります)
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アメリカ・BC(オールウェザー)
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オーストラリア・メルボルンカップ(芝)