(仮題)ヴィークル・メアを求めて/(旧)母父の名で帰ってきた   作:MenoMash

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初馬友のシールドライオットが登場


うまのがっこう2

 どうも、リュウールドレです。少し涼しくなってきましたね。

 

 最近ようやっと、ハミやら鞍やら、色んな変なものをつけられることに慣れてきました。手綱で指示を出されることにもすっかり慣れて、たまに人間が乗ったりもしますが、普通に気に育わないので振り下ろしています。

 正直あまり良いことはありませんが、思いっきり耳を絞って振り下ろしたはずなのに、ベタベタ触ってくるウザイヒトミミを蹴らなかったら、犬君がおやつをくれたのが、最近のハイライトです。

 

 この頃、犬君のやつは気が利くようになったようで、おやつにイチジクを出すようになりました。ヒトミミたちの会話を聞いていると、実家から私の好物がイチジクであることを教えてもらっていたのだとか。相変わらず良い仕事だ、コタロー。ここの牧場にイチジクはないので、旬の盛りになるまで別のフルーツをおやつに出していたらしい。

 犬君は無駄にベタベタしてこないし、おやつにイチジクをくれるので、撫でさせてもいいし、少しなら乗せてやってもいいかと思った。実際に少しだけど乗せてやったら驚かれた。コタローと愉快な仲間たちほどではないが、犬君は怪我した雀を医者にみせてやるような良いやつだから乗せてやったのだ、ベタベタ野郎は近寄るな。

 ウザイやつの顔を見るたびに後ろ脚で蹴ろうとすると、犬君が困ったような顔をするから、たまに前脚で小突いたり、服を破ったりする程度に留めているのだ。調子に乗るな。

 ついでに放牧地に出現した何だか気持ち悪い鹿は、ついうっかり後ろ脚で蹴ったら一発で大人しくなりました。私の後ろに立つな。

 

 変な鹿を沈めてから、周りの馬たちが私より先に食事をしなくなった。別に先に食べてもいいのに、なんか律義に待っている。これまでずっとひとりでいたから分からないけど、もしかして仲間に入れてもらえたのだろうか。

 実家にいた時は、ナノハナ姉さんと一緒に「いただきます」してから食べてたけど、あいつらは一応家族だから。他人?他馬?どうしではどうすべきか知らなかった。馬も人間と同じで皆で一緒に食べたりするのかな。

 

 他の馬と関わるようになると、色んなことを知っているやつと出会ったりする。

 どうも犬君の名前は犬君ではないらしい。へー、そうなんだ。あんま興味ないや。

 人間を蹴るときは前脚。後ろ脚で蹴ってはダメだとか、服破るときは肉噛まないように調節しないと怒られるとか、そういう知識は他の馬たちに教えてもらった。すごくタメになる。

 その中で一番大事なのは、レースで勝つと良いおやつがもらえること。最近一緒にご飯食べてるシールドライオットの母馬が言っていたらしいが、レースに勝てば勝つほど待遇が良くなるらしい。それは勿論、おやつにも適応されるのだとか。

 

 シールドライオットは、ここの育成牧場生まれの地元民。一緒にご飯食べてる仲間の中で、この場所について一番詳しい。部屋も隣だし、この育成牧場にいる馬の中では最も親しくしている相手だ。

 ライオットは賢いし、人当たりもいいので、人間に従うメリットも教えてくれる。それに、私と同じサラブレッド系種だが、私と違って所謂アラ系というやつらしい。ちょっと小柄で遅いけど、頑丈なやつ。ライオットの方は、私がデカくて速いだけだというけど、他の連中と比べても小さくて遅いのは事実だ。

 

 そのライオットが言うには、うるさいのも痛いのも嫌いなら、尚更人間に従った方が良いらしい。人間は馬が従ってさえいれば、痛くもしないし、うるさくもしないらしい。馬が何を考えているかなんて、人間にはわからないし、大人しく従っていれば撫でてくれるし、おやつもくれる。

 うーん、確かに大半の人間は私の考えなんて理解してないと思うけど。でも、コタローはニュアンスくらいは理解していたと思う。最近は犬君も、私が蹴るのを我慢したくらいのことはわかるっぽいし。

 

 でも、あの賢いライオットが言うんだから、人間には馬の気持ちはわからないのだろうか。




前回やらかしてしかいなかったリュウールドレ。
友達ができたことで、漸くやっていいこと悪いことを理解し始める。

ちなみに本文中では判別がつかないのですが、主人公が「大人しく」させたのは鹿ではなく、キョンです。描写不足ですみません。

4歳・秋の遠征先アンケート(本編の結末は大きく変わりませんが、ウマ娘編の展開には影響あります)

  • アメリカ・BC(オールウェザー)
  • オーストラリア・メルボルンカップ(芝)
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