ゼンゼロ探偵もの概念 作:オルペウスペロペロ
「おや、いらっしゃいニコ。今日はどうしたんだい?」
六分街Random Playの扉をくぐるとアキラが店番をしていた。
新しくビデオを仕入れたのか脇に抱えた箱の中からビデオを取り出し棚へ陳列していた。
「ふふん、今日はおすすめの映画をいくつかお願いするわ。」
「ニコ、借りてくれるのは嬉しいんだが前回次借りるときに返すと言ったツケはどうするんだい?」
そう言ったアキラの目は笑っているが言葉の節々から怒気を感じる。
「わ、わかってるわよ。今日はチャージをお願いするわ」
今までのプロキシ業、映画のレンタル料のツケ分のディニーをカウンターへ置いた。
彼は余りに予想外だったのか落としかけた段ボールを床に置きながらカウンターに立ちまじまじとディニーを見る。
「これは驚いたなニコ。このディニーはどうしたんだい?邪兎屋にこれだけのディニーがあったなんて、先日ラーメンを奢ったのは失敗だったな」
「ちょっと!自慢じゃないけどうちはいつも金欠なのよ!?報酬がいい依頼のディニーを受け取ったあとだからこうやって支払いが出来たわけよ。この後アンビーたちと打ち上げパーティーの予定なんだから!あ、あと映画のレンタルはこのクーポンお願いね」
「ごめんごめん、冗談だよ。まさかツケが払われる日が来るとは思ってなくて驚いたんだ。お詫びに新しく仕入れたおすすめの映画を用意するよ。」
「ええ、お願いするわ」
そう言うと彼は先ほど陳列していた棚から1つ1つ映画を吟味し始めた。
そうしていくつか映画を選んでいた手を止め
「そういえば驚いたと言えばさっきテレビでホロウ内で違法採掘の取引をしていたグループが捕まったってニュースしていてね。いまどのチャンネルでも報道してるみたいだね。匿名の通報で治安官が現場を押さえたってことらしいけど。」
「へ、へぇーそなのね」
「?」
若干声が上擦ってしたことに気にしたようだが彼はそのまま映画を選ぶ作業に戻った。
数分後選び終えたアキラからビデオを受け取り店から出る。
「またの来店お待ちしてるよ、今度来たときはリンが持って帰ってきてる中にもビデオの中にもおすすめの映画があるんだ。」
「それは楽しみね。それじゃあまた、来るわね!」
手を振り次はパーティー用のおやつを買いに141雑貨店へ足を進めた。
その後ビデオの受け取りに行っていた妹に邪兎屋の返済の話して驚かれるのがその数時間後の事である。
場所は変わりルミナススクエアにあるバートン探偵事務所ではアッシュ・バートンとボンプが話をしていた。
「何か受けた依頼が凄く報道されてるね、エクス」
「当たり前だ、ホロウで採掘されていたあの物質は不安定なため取り扱い自体危険なものだそれを持ち出そうというのだ。2次被害が出なかったのは奇跡だ。あの物質は――」
あ、これは長くなるなと思ったところで思考を放棄した。
エクスと呼ばれた白衣をつけたボンプが今も永遠に語っているだろう。
長いときは1時間以上平気で話してる時があるのだから恐ろしい。
無視したら機嫌が悪くなるので思考を放棄して適当なタイミングで相槌をうつ。
「――という希少なもので性質が安定すればぜひとも研究したいものだ。それよりもだ」
エクスの長い話が終わったようなので今日の夕飯の献立を中断した。
「こんな事を話している場合ではない。私は作業に戻らせてもらう。いち早く私は人間に戻るため記憶を取り戻さなければならないからな」
ポテポテと事務所の作業部屋へエクスは帰っていく。
そう、俺たちは探偵をしながらこの変なボンプの記憶を取り戻すという人が聞けばボンプ特有の中2病的なものだと思うかもしれない事に本気で取り組んでいた。
記憶を取り戻せば人間に戻れると思っているボンプの答えを探すため俺は探偵をしている。
ぐぅと空腹であることを思い出したかのようにお腹がなった。
ふと時計を見て夕飯を作るためスーパーへ行くため支度を始めたのだった。
そうしてアッシュ・バートンが出かけたあと、事務所に出入りする人影があった。
「ただいま帰還しました。おや、キングしかいません。訂正、エクスが作業中なのを感知。」
帰ってきたのは機械人の少女であった。
長い金髪、顔は人形のように整った顔で表情は眉1つ動かない。
手足は人であれば肌に当たる箇所は金属で覆われている。
帰ってきた少女に猫が足元でうろうろしている。
「キング、戻りました。ご飯用意しますので少々お待ちください」
にゃんと返事をしたキングと呼ばれた猫は少女について行った。
これはルミナススクエアで探偵事務所をしているエージェントたちの話。