ゼンゼロ探偵もの概念   作:オルペウスペロペロ

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幕間 パエトーンと機械少女

 

「エーテルブースター最大出力。ターゲットを殲滅します。」

 

長い金髪をたなびかせホロウを翔ける少女がエーテルの群れに飛び込み文字通り殲滅していく。

コアを粉砕されたエーテリアスたちは塵になっていく。

 

そして近くの瓦礫を避けると中からぐったりとしている一匹のボンプを抱えた。

 

「パエトーン、依頼にあった容姿のボンプを発見しました。バッテリー切れを防ぐためのスリープモードになっているようです。」

 

少女の後ろのぴょこりと顔をのぞかせた新たなボンプはポテポテと少女に近寄ってくる。

01とついたスカーフをつけたボンプに発見したボンプを全体的に見せるように突き出す。

 

「うん、間違いないよ。お疲れ様リサ。傷は無いけれどボンプの容体が悪化するかもしれない急いで脱出しよう。」

 

 ボンプから聞こえたのは男性の声であった。ボンプと同期してタイムラグ無しでホロウを案内する。そう彼こそプロキシの中でも伝説のプロキシ、「パエトーン」と呼ばれていた。

 

 

「それにしても、僕にも機械人の友達がいるが君は豪快だね。背中のブースターでエーテリアスに突っ込んで行く様はまさにアクション映画に出てくる主人公の様だ。」

 

「お褒めに預かり光栄です、パエトーン。脱出の案内お願いいたします。」

 

 横目に見る彼女の表情からははおよそ感情らしいものを感じない機械人の知り合いとは異なり本当に機械のような、例えるなら「人形」の様な少女であった。

 イアスの操作をしながら彼は想起する。

リサと呼ばれる機械人の彼女との出会いはインターノット上の彼女からの依頼を受けたことから出会った。

依頼の報酬でディニーを持ち合わせてないこと彼女は支払いを自分の実力を売り込んで来たときは驚いたが彼女の実力は並のエーテリアスの敵にならないことを最初の依頼の時に思い知った。

今も僕たちの依頼の時々手伝ってもらうくらいには彼女の実力は申し分ない。

彼女の素性は探偵事務所に属していると言うことしか知らないが彼女が良い機械人であるということ。

それが僕たち兄妹の中での評価だ。

 

 そんな事を思いふけているとホロウの外に繋がる裂け目に辿り着いていた。

 

「何事もなく脱出いたしました。これからの指示を下さい。」

 

「そうだね、ボンプの容態が気になるけど依頼内容通り依頼人に引き渡そう。」

 

「かしこまりました。これより依頼人の指定場所へ向かいボンプを引渡しを実行します。プロキシ貴方はいかが致しますか?」

 

「僕たちはここで引き上げるよ。ボンプのことお願いするよ。」

 

「かしこまりました。それでは引渡しに向かいます。」

 

「あ、ちょっと待って。依頼料の事なんだけど」

 

そう言って彼女を呼び止めるが

 

「私にとって貴方がたは私の大切な人を救ってくれた命の恩人です。あなた方の依頼の報酬は望みません。それでは失礼します。」

 

そう言ってしまうと去っていってしまった。

彼女の背を見送っていると見知った顔が近付いてきた。

 

「お兄ちゃん、回収に来たよ」

 

「リン、お疲れ様。イアスの事お願いするよ。僕は一足先に休ませてもらうかな。」

 

「オッケー」

 

 イアスとの同期を切って椅子から立ち上がる。

伸びをしてテレビ前のソファーに座りインターノットを開いて眺め始めた。

そうしているとノックノックに依頼人から依頼完了の連絡が入る。

プロキシ業を始めて今ではそこそこ余裕がある生活を送れている。

そんな中ホロウレイダーとして無償で手伝ってもらった彼女に後ろめたさを感じていた。

 

「次の依頼でリサにはちゃんとディニーを受け取って貰わないとな」

 

 そう呟いて先ほどのプロキシ業の疲れからかまぶたが重くなってくる。

眠気に任せソファーに横になったところで意識を手放した。

 

 

 そうしてまたこの街の1日は巡る。

 

 

 

 一方ルミナススクエア「バートン探偵事務所」に着いたリサはエレベーターに乗ったところだった。

 

(少し、遅くなってしまいました。)

 

 時刻は日付が変わりかけの真夜中だった。他の階のテナントからは人気はなくしんと静まっている。

エレベーターから降りると廊下の長椅子で力尽きている所長アッシュとその上でスピスピと寝ているキングの姿を確認した。

近づくとパチリと起きたキングがにゃんと小さき鳴き足元の近くをウロウロするので少しかがみキングを撫でて事務所の鍵を開け猫と少女は事務所の扉をくぐるのだった。

 

 

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