ゼンゼロ探偵もの概念 作:オルペウスペロペロ
「着いたぞ」
バレエツインズに到着した俺たちはホロウ内部へと突入していた。
バレエツインズ内部に入るのは初めてでは無いがやはり入る度にここは他のホロウとは比べ異質さを感じる。
なんというか何かにずっと見られているという気持ちになり落ち着かない。
少し前を歩いていたエクスがこちらを振り返る。
「先ほど経緯は聞いたが本当に子供がホロウに拉致されたのか?」
「ン、ンナ!ンナナン!(ま、間違いないよ!連れて行くときホロウに捨てるとかなんとか言ってたんだ!)
「ふーむ、なぜそんなことになったんだ?そもそも何故路地裏に子供1人いたのだ?」
「ンナ、ワタワタ(それは、ご主人様がある猫を追いかけてて、その先で聞いちゃあいけないものを聞いちゃったみたいなんだ)」
エクスが連れてきたボンプに質問をして返ってきた返答に困惑した。
聞いちゃあいけない話って何を聞いたら子供をホロウに捨てようとなるのか。
「なんなんだそいつら。何を聞いたらそうなるんだ?」
「ンナ、ンナワタ(わ、わからないよ。ただA3鉱石がどうのっていうのが聞こえて…)」
「A3鉱石だと!?」
エクスはボンプだがホロウに関することならかなり知識がある。
だが先ほどのA3鉱石の名前が出たときの慌てように何か不安を感じた。
「なぜそいつらがA3鉱石の名前を出したがわからん。しかし拉致した連中は私が思う以上に危険な奴らなのかもしれなんな」
「おいおい、A3鉱石ってそんな危険なもんなのか?」
「そうだが…というか最近おまえにも話してやっただろう」
何?そんな覚えないぞ。
反論しようとした矢先進行方向に気配を感じた。
「…エーテリアスだな」
「ふむ、お邪魔虫が出てきたようだな。アッシュ出番だぞ」
「あいよ」
「ンナ…(あ、あの…!)」
連れてきたボンプが小さな声でストップがかかった。
どうやらご主人様のことを気にかけているようだった。
「ご主人様のことだろ?言わなかったがホロウに入る前に隠されていた複数のバイクを見つけた。このホロウにホロウレイダーがいるのは間違いない。それとバレエツインズに侵入してから痕跡はちゃんと追えている。この先にホロウレイダー達がいるのは間違いないだろう」
「ンナ、ンナナ!(す、すごい!)」
喜んでいるボンプをよそにエクスが小さな声で
(それで子供がホロウにいた痕跡はあったのか?)
(いいや、見つかっていない。いない可能性もあるが拉致したのは子供だ。ずっと抱えて移動してる可能性もある)
ここに来るまでに連れてきたボンプのご主人様らしき痕跡はなかった。
保険をかけてリサに近くのほかのホロウに行くよう手配はしてあるが正直はやくホロウレイダー達を見つけ子供をホロウに連れ込んでいるのか確認するのが最優先になる。
そのためにはまずは―
「まずは目の前のエーテリアスを片付ける!」
ホロウでの戦いにおいて最もに重要なことがある。
それは先手を取ることだ。
「先手必勝!」
スタンロッドで一体のエーテリアスの核に叩き込む。
残り3体。
戦闘態勢に入ったがもう2体は間合いに入っている。
「遅いっ!」
一体の核にロッドを突き刺し、横にいたエーテリアスの核を蹴り上げて砕く。
残り1体。
一対一ならあとは簡単だ。
振りかぶったエーテリアスの攻撃をかわし、エーテリアスの核をロッドで打ち砕いた。
崩れ落ちていく4体エーテリアスの体は塵になった。
「戦闘終了と」
周りの気配を探るがエーテリアスの気配もない。
ホロウの片隅で隠れていた2匹のボンプ達も出てくる。
「エーテリアスは片付けた。行こう」
2匹のボンプを引き連れバレエツインズの奥へ進んでいく。
進んでいる途中で先ほど話していた鉱石のことについて思い出した。
「エーテリアスのせいで聞きそびれたがA3鉱石って?」
エクスに解説を求めるとやれやれと話し始めた。
「つい先日A3鉱石について話したというのにもう忘れたのか。やはりお前は頭の中まで筋肉でできているようだな…」
「すまん、すまん。やっぱりお前はホロウについて一番知っているからな。もう一度教えてくれないか?」
「ふふん、そうだろう。私はホロウについて詳しいからな教えてやろう」
やはりホロウについてほめるとちょろいな。
いい気分になったら聞いてもないことしゃべりだすから牽制しておかなければならない。
「すまないが今は状況が状況だからわかりやすく、短くで頼むぞエクス先生」
「うむ、任せろ。A3鉱石、正式名称はエーテル3型鉱石。名前の由来等は省いてこの鉱石は持っているだけで罪となる第2種危険ホロウ物質だ。」
「なんだと?治安局どころか下手したらH.A.N.D案件だろそれ」
「そうだ。というかニュースで大事になっていただろうが。」
ニュース、大事といったら最近請け負った邪兎屋の依頼人の素性調査のとき出てきた…。
「あの時話したが、この鉱石の判明している性質はとても不安定であり持ち帰ろうとした研究チームは爆散した。そのためA3鉱石は研究が進んでいない未知の鉱石だ。」
「おいおいおい、それってその鉱石は爆弾ってことか!」
「さらに爆発した範囲はエーテル障害が発生しエーテル適応体質がないものが近づくといくつかの症状が発症することが確認されている。」
「めちゃくちゃ危険じゃあねえか!」
「だから危険なんだろうといってるだろう!」
「ン、ンナ…(そ、そんな…)」
これは拉致した奴らボコボコにするだけじゃあすまないかもしれない。
痕跡は追えている、急がなければ。
「ここだ。」
バレエツインズになんて出入りする奴らはほとんどない。
中は薄気味悪く、夜になれば視界も悪いためホロウレイダーも敬遠しがちだ。
そのため出入りがある場所はわかりやすい。
「ンナ、ンナナ!(ご主人様、ご主人様だ!)」
開けた場所でホロウレイダーが7人。
その奥で縛られて口がふさがれている子供を見つけた。
「見つけた。急いでホロウから脱出しなくちゃまずいな」
「で?どうするんだ?」
「治安局も待ってられん。俺は正面からやりあう。エクスは子供の保護を頼む」
「あと少しでお前も浸食状態になってバケモンの仲間入りだな」
「ヒヒッ!お前が悪いんだぜ?あんなところで俺たちの話を聞いちまったからよう」
「ようやく大金が手に入るチャンスなんだ。どこから邪魔が入るかわからんからな悪く思うなよ」
「それにしても前回の取引の失敗で半分持ってかれたのは残念でしたねえ、兄貴。」
「ああ、危険なものだから近寄りたくもなかったが自分たちで売っちまえば問題ねえ。さっさと受け渡して楽したいぜ」
「ああ、そうその大事そうに保管してるケースの中にしかないってことか」
「ああそうだ、って誰だお前!!」
「こういうもんだ!」
ロッドのスタン機能を稼働し近くにいたホロウレイダーにお見舞いした。
「ギョエッーー!」
強い電力によって一瞬で意識を持っていくことに成功。
残り6人。
「こ、こいつどこから、というかいつからそこにいたんだ!?」
「こっ、この野郎っ!!」
近くにいたやつが槍みたいな武器で攻撃してくる。
槍の攻撃は点である。
見え見えの攻撃など当たることはない。
ホロウで戦うときに2番目に重要なこと本気を出すときは一瞬でいい。
突いてきたやつの横に避け思いっきりけってやったら部屋の壁にぶち当たった。
5人がこちらに集中する。
「どうも、おたくらがよくないもの持っているということは治安局に通報済みだが抵抗するかい?」
「こ、この野郎っ!どこから嗅ぎ付けてきやがった!相手は一人だ、やるぞお前ら!」
兄貴と呼ばれていた男が周りに指示を出した。
二人同時に俺に接近してくるが、
「ほい」
「ぐおあっーー!!」
「うおっあーー!!」
リボルバーを取り出し数発叩き込んだ。
「安心しろ非殺傷弾だ。死ぬほど痛いだろうが」
俺のやることはあとはこいつらを倒すだけだ。
後は派手にやるだけだ。
「あ、兄貴、こいつ只者じゃあねえ!さっきからゆったりしてる風に見えるけど一瞬目で追えない」
「こ、こいつ…!このガキがどうなっても!」
男が振り返るがそこにさっきまで転がっていた子供は消えていた。
俺が最初に視線が集中しているときからエクスに救助を頼んでおいたのだ。
この戦闘において重要なこととは倒すことよりどのようにして子供を救助するかだった。
そのため気配を消してわざわざ驚かしてやったのだが。
「な、なにいっ!どういう―」
「それじゃあ起きたら反省しろよ」
後ろを向けて驚いている男はあまりにも隙だらけだ。
スタンロッドで電気を流してやった。
「あ、兄貴ぃ!」
「しばらく仲良く寝ててくれ」
残りのホロウレイダーはスタンロッドで寝てもらった。
もう少ししたらここに治安局がやってくる。
全員縛ったら隠れていよう。
少しした後治安局が乗り込んできた。
エーテリアスに襲われないよう見張っていたが縄に縛られたホロウレイダーを見つけ呆気に取られている隙に途中でエクスと合流して俺はホロウから脱出に向かっていた。
「子供は浸食状態になる前に救出できた」
「しばらくは入院だろうが、とりあえず安心か」
「お前はなぜ、猫探しから1ディニーにもならない厄介ごとに巻き込まれるのだ」
俺だって好きで巻き込まれているつもりはないんだが。
「もしかしたらそういう星のもとで生まれんたんだろうよ。お前のことで今も巻き込まれてるし」
「そうだな、解剖したらその体質何かわかるかもしれんな」
「悪かったよ。解剖はやめてくれ」
「それにしてもこの事件には謎が残っている」
「謎?」
「A3鉱石のことだ。不安定なあの鉱石は爆弾の性質があるとはいえ運用できるような研究は進んでいない。もしかしたら未発表の技術で保管できていたのかもしれないな」
「あー、もしかしたらニュースでその辺も発表されるかもしれないな」
「そんなわけなかろう!H.A.N.Dの中で研究されて終わりだ!素人め!やはりあのケース一度開けるべきだった!」
あーだの、こーだの言い出したエクス。
長くなりそうな妄想を流そうとしたがお怒りを買ってしまった。
とりあえず鉱石から興味をそらすことはできたみたいだ。
あと少しでホロウからの脱出のところまできた。
階段を上がろうとしたところで人がいることに気が付いた。
「誰だ?」
ここはホロウだ、普通の人がいることなんてことはない。
「流石はアッシュ・バートンということですか」
後ろから姿を現した人に俺は目をむいた。
その姿がおよそ人から離れた頭の形状をしていたからだ。
服装はきっちりとした男性者のスーツを着ており、何より異質なのは頭部がTVモニターのようなものになっていた。
機械人?なのだろうか。
モニターにはデフォルトされたボンプがこちらを見ていた。
「お久しぶりです。ようやく挨拶できましたね」
何より知らない奴が俺の名前を出してきたことに驚いていた。
だ、誰なんだ。
こいつはいったい、誰なんだろうか。
「お前、【
「ええ、あなたのお名前も伺っても?ボンプさん」
「…エクスだ。覚えておけ」
「
「その通りですよ、アッシュ・バートンさん」
思い出してもらってうれしいのかモニターのボンプが笑顔の表情に切り替わる。
だが、こいつからはうれしいという感情を感じない。
はなしていてもこちらを見ていないそんな風に感じた。
「研究所はあなたたちに壊されてしまってもう一年たちますね。
「…復讐か?リナはもうあんたらのものじゃない」
「いいえ!そんなことありません。
「ほかの研究ってまさか」
脳裏によみがえる一年前の光景。
おぞましい研究によって生まれた彼女たちを。
その横でエクスが答えた。
「A3鉱石のことか?」
「エクスさんはお気づきになりましたか。A3鉱石の保管がたまたま出来まして。最初の取引の調査に来られてたようでしたので丁度いいと思い挨拶に来たのです。」
「まあ、研究の副産物でたまたま出来上がったものだったのですが、こうしてまた出会うきっかけになったと考えたらよいものでした。」
「もう黙ってくれ、次何か言うと打っちまいそうだ」
リボルバーを取り出し
「残念ですね仲良くできると思ったのですが。今回は挨拶もできましたからお暇させてもらいましょうか」
「お前は世のために治安局につかまっておいてくれ」
発砲しようとした瞬間、扉が閉じ銃弾を遮った。
「それではアッシュ・バートンさん、エクスさんまたいつかお会いしましょう」
俺たちはゆったりと去っていく
放心している俺にエクスが足を小突いた。
「帰るぞ、時間の無駄だ。」
モヤモヤする心を抱えてホロウから脱出するのだった。
A3鉱石は本編には出てないオリジナルの鉱石です。
ホロウからエーテル資源を取っているということからその中には有害な取扱が危険なものもあるんじゃないかなと思い作りました。
A3鉱石
正式名称「エーテル3型鉱石」
不安定な物質であり、見つけた研究チームが持ち帰ろうとした所ホロウから持ち出し2分21秒経過した後に鉱石は爆発した。
爆発した範囲は保管していた車を跡形もなく吹き飛んだ。
運んでいた研究チーム生存者は確認出来ず、爆破した範囲はエーテル障害を引き起こしエーテル適応体質でないと近付けない事象が確認された。
そのため旧エリー都はA3鉱石は第2種ホロウ危険物質に指定した。
またA3鉱石は発見が稀な貴重な鉱石なため研究が進んでない未知の鉱石でもある。