異世界に舞い降りた鋼鉄の翼   作:天崎零総帥

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第1話

 

??? ??? ???

 

「…ん?ここはって服が…」

疾風

「おいおい!こいつは飛行服だぜ!」

 

零と疾風は再び目を覚ますと、今度は水上機のコックピット(疾風は後部銃座席)であった。そして衣服がスーツではなく飛行服になり首元にはマフラーをしていた。

 

「九五式水偵か、コックピットのメーター類がやけに近代的だが、とりま飛ぶか。その前に…」

 

操縦桿を動かし翼の稼働を目視でしっかりと確認し「点火」と書かれた赤いボタンを長押しすると。

 

パンッ!パンッ!パンッ! バラララララララ!!!

 

数回の爆発音の後、点火した発動機が轟音を立て黒い排煙を吐き出しながら回転し始めプロペラを回し始める。

 

「疾風、飛べるか?」

疾風

「無問題、いつでも行けるぜ。」

「分かった、後部銃座頼むぞ。」

疾風

「ガッテンでい!」

 

そう言い、後部の7.7mm機銃を動かす。零はスロットルをゆっくりと前に押し出すと機体が徐々にスピードを上げ海面を跳ね始める。

 

「ふぅ~」

 

ゆっくりと操縦桿を引き機体を上昇させる。

 

「さて、何処へ行くか…」

疾風

「零兄、レーダーには何か映って無いのか?」

 

そう言い、周囲をきょろきょろと見渡していると[ピピーッ!]と警報の様な音と共にレーダーに赤と青の反応が現れた。

 

「ゲームで言うところの、敵と味方か。疾風、行けるか?」

疾風

「天崎疾風!戦闘態勢に入る!」

 

疾風は機銃に弾を装填する。零は操縦桿をレーダーの反応のあった方へと傾けて向かう。

 

 

 

大型貨客船「竜彦丸」

本船はハワイ発新横須賀着の日本海運船籍の貨客船であるが本船は現在、複数隻のボートで構成された海賊船団の襲撃を受けていた。

 

船員

「船長!ブルーマーメイドの到着まで30分は掛かるとの事です!」

船長

「海賊船は!」

船員

「何とか撃退は出来ていますが、乗り込まれるのは時間の問題です!」

船長

「クソッタレ!!」

 

イライラを込めた拳を操舵室の窓へとぶつけると、船員が新たな報告をする。

 

船員

「船長!左舷上方に高速飛行物体です!」

船長

「ブルーマーメイドの飛行船か!」

船員

「いえ!速度が違いすぎます!」

船長

「なに!?どのくらいだ!」

船員

「時速190km/h以上です!」

船長

「海賊の新型飛行船か!?」

船員

「不明です!」

 

船員からの報告は、艦橋内の空気をある意味一変させた。

 

 

side out

 

数十分後

 

「あれか…赤が小型船、青が大型客船か。」

 

双眼鏡で目標を見ると、其処には一隻の貨客船を複数の小型ボートが取り囲んでいた。

 

「ジョリー・ロジャー、海賊か。」

疾風

「中東の海賊みてぇだな。」

 

横目で機関銃の残弾数を確認する。無論ここまで一発も使っていないので7.7mm機関銃弾は一発も減っていない。更に先程から無線機が平文の救助要請の電文を受信していた。

 

「助けるか。」

疾風

「おし!」

 

巡行に合わせていた速度を上げ、操縦桿を客船方向に傾ける。

 

「まずはあのボートから…」

 

零が最初に照準を合わせたのは左舷前方を航行していたボートであった。

 

「食らいやがれ!!」

 

バババババババババ!!!!

 

機首の機銃が火を吹くと、7.7mm機銃弾がボートを襲い燃料タンクに命中したのかエンジンが火を吹き暫くすると、爆発を起こした。

 

疾風

「1隻轟沈!!」

 

後部銃座の疾風が戦果を報告する。そして振り返ると他の海賊船は陣形を崩して、右往左往していた。

 

「次は…お前だ!」

 

次に照準を定めたのは、先程攻撃したボートを避け様と舵を切り舷側を晒していたボートであった。

 

バババババババババ!!!! バァン!

 

今度は船体中央部に積まれていた武器に命中し爆発、ボートは真っ二つとなり炎上、海面を漂流し始めた。その後も海賊船に銃撃を繰り返し、20分が過ぎた頃には逃亡を図ろうとしたものや、どさくさに紛れて客船に乗り込もうとしていたのを含めて全ての海賊船を撃沈させていた。

 

「さ~てと、ん?」

 

零が下を見ると、海面をオレンジ色の何かが浮かんで居た。

 

「救命胴衣か。」

疾風

「っぽいな。どうする?」

「助ける。」

疾風

「了解!」

 

すかさず操縦桿を捻り急降下し、高度とスピードを落として着水しゆっくりと救命胴衣を見つけた方へと進む。

 

疾風

「あんた!大丈夫か!」

男性

「なっ、何とか!」

疾風

「これに乗れ!」

 

そう言い、疾風が機体下部のフロートを指さすと男性はフロートによじ登った。

 

男性

「たっ、助かりました。」

「ご無事で何よりだ。」

男性

「それより、あなたたちは…」

「我々は唯のパイロットだ、あまり詮索はしないように。」

男性

「ああ、分かった。」

 

そんな話をしていると、一隻の白いボートが接近してきた。それを確認すると発動機を停止させた。

 

船長

「大丈夫か!」

男性

「キャプテン!」

 

白いボートはスピードを落として九五式水偵に横づけた。

 

船長

「私は、貨客船竜彦丸の船長です。今回は窮地を救っていただき誠にありがとうございます。」

 

そう言い帽子を取ると頭を下げる。それにつられて便乗していた船員達も頭を下げる。

 

「いえいえ、私も偶然緊急無線を聞いて駆け付けただけですので。」

 

話していると、レーダーに反応があり1隻の大型艦艇が接近を感知し、その方向へ双眼鏡を向けると、1隻の黒いインディペンデンス級が小型のボートを先頭に接近していた。

 

船員

「キャプテン!ブルーマーメイドの応援です!」

船長

「これはありがたい。」

疾風

「(なぁ、零兄、あれって。)」

「(ああ、関わったら面倒そうだな。)では、私はこれで失礼。それと危険ですのでこいつから離れてください。」

船長

「えっ?お仲間と合流なさらなくて良いのですか?」

「勘違いされているようだが、我々はあの船の乗組員とは何の関係性もない唯のパイロットですよ。では。」

船長

「はぁ、分かりました。今回は本当にありがとうございます。」

 

お礼を言うと、ボートは九五式水偵から離れて客船に戻って行った。それを確認すると、素早くベルトを締めて発動機を再点火する。再点火された発動機が唸りを上げプロペラを高速で回転させる。そして水飛沫を上げながらゆっくりと加速していると

 

??

『そこのスキッパー!!今すぐ止まりなさー!!』

 

真横を並走する黒いボートから拡声器で呼びかけられる。

 

「(これは水上機だから問題ないな。ヨシ!(某現場猫風))」

 

そんなことを考えながら、徐々にスピードを上げていく。すると並走していた黒いボートがどんどん引き離されていく。

 

??

『とっ、止まれーーー!!!!』

 

最後は、怒号の様な叫びを最後に機体を離昇させ再び大空へと飛び立った。

 

 

ブルマーside

 

貨客船からの海賊強襲の緊急通報を受けた「べんてん」は現場に急行していた、しかし到着目前に該当船から謎の知らせを受け乗員たちは困惑していた。

 

真冬

「空を飛ぶ高速飛行物体?」

乗組員

「何でもその飛行物体が海賊船に機銃掃射している様です。」

真冬

「飛行船じゃないんだよな?」

乗組員

「はい、飛行船というより鳥の様に見えるとの事です。」

真冬

「ん~。」

 

真冬は腕を組み考える。

 

真冬

「取り敢えず、急いで向かおう。」

乗組員

「はい。」

 

暫く航行していると、黒煙が昇っておりその近くを目標の貨客船が航行しているのを発見する。真冬は副艦長に艦を任せいつも通り他の隊員と共にボートへ乗り込むと海上に停泊していた異形の物体へと近づいた。すると

 

 

ガァァァァアアアアア

 

爆音を轟かせながら、前方のプロペラを高速で回転させながら海上を高速で航行し始めた。

 

真冬

「あ、あー。そこのスキッパー!!今すぐ止まりなさーい!!」

 

メガホンでそう言うが、聞こえていないのか若しくは無視しているのか、スピードを落とす気配は見せなかった。

 

真冬

「ボートを前に!」

隊員

「はい!」

 

隊員はスロットルを上げると、ボートのスピードも上がり速度のメーターの指針は既に振り切れていた。そして後ろに居た隊員がカメラを起動し謎のボートを撮影する。

 

真冬

「もっとスピード上げろよ!」

隊員

「無理です!既にフルスロットルです!」

真冬

「新型高速ボートのフルスロットルと並ぶって、どんなボート何だよ!」

 

真冬が悪態付いていると

 

隊員

「未確認ボート、更に増速!」

真冬

「何!?」

 

真冬が九五式水偵の方を見ると、先程まで並走していたはずがあっと言う間に通り過ぎて行った。

 

真冬

「とっ、止まれーーー!!!」

 

そう叫ぶと

 

真冬&隊員

「「なっ!?」」

 

目の前のボートは離昇し、大空へと飛んで行った。

 

真冬

「あれが…未確認高速飛行物体…」

 

真冬は追跡を止め、母艦へと戻って行った。海賊は水偵が既に全滅させており漂流している海賊やボートの残骸を回収し、ボートに搭載されていた記録映像と客船の乗組員や乗客が撮影していた映像を提供してもらい、本土のブルーマーメイド日本支部へと報告する事になった。

 

 

 

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