異世界に舞い降りた鋼鉄の翼   作:天崎零総帥

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第3話

疾風

「もうちょい右、そのまま真っすぐ。」

「ヨーソロー」

 

零は翼の上に乗った疾風の指示に従い操縦桿を動かし、進路を調整する。

 

疾風

「そのまま…スロットルゼロ!」

 

スロットルをゼロにし機体は最低回転で前進すると

 

ガゴン!! ガチャン!

 

フロートが海面下にある運搬台車に載ると何故か勝手に固定され、運搬台車がワイヤーで引き上げられる。

 

「多分、初回限定だろうな。」

疾風

「ゲームのチュートリアルかよ…」

 

翼に乗っていた疾風が降りて、後部銃座に座る。そして引き上げられた九五式水偵は倉庫に入ると、ウィンチが巻き上げを止め停止した。

 

「取り敢えず、降りるか。」

疾風

「OK!」

 

機体から降りると、其処はまるで作業小屋の様に工具や大型工作機器が置かれ、天井には滑車の付いたフックが吊るされていた。

 

疾風

「一通りの整備は出来そうだな。」

「ああ、やろうと思えばエンジンの換装に翼の修復も可能なようだ。」

 

半ば散乱状態の作業倉庫内を見渡す。

 

「取り敢えず出るか。」

疾風

「そうだな。」

 

そう言い、外に出ると一本の未舗装路が山の中に通っていた。

 

疾風

「イクゾォォォ!!」

 

そう言い、疾風は道なりに山を駆け上る。

 

「やれやれ、アイツはいつも通りだな。」

 

そう呟くと、歩きながら疾風の後を追う零。

 

暫く歩き続けると、其処には二階建ての洋風な家が建っていた。そして疾風が正面玄関前の小さな門の横の壁を見ていた。

 

「どうしたんだ?」

疾風

「零兄、これ見てくれ。」

 

そう言い、、指さした表札には[天崎 零]と[天崎 疾風]と書かれていた。

 

「つまり…」

疾風

「ここが…」

 

零・疾風

「「俺(私)たちの家なのか!?」」

 

零と疾風の絶叫が島全体に響き渡っていたころ、日本のブルーマーメイド日本支部では会議を終えた真霜が母親の真雪と妹の真冬の2人を交えて話し合っていた。

 

真雪

『二人乗りで、ブルーマーメイドの新型ボートのフルスロットルでも追いつけない程の高速で、武装して軽快に空を飛ぶ飛行機械ね。』

真冬

「あれはマジで異界の異物って感じだな。」

真霜

「何とか接触出来ないかしらね。」

真冬

「…それは難しくないか?居場所が分かれば、うちの乗組員を率いて行くんだけどな。」

真霜

「そうね。」

真雪

『…一つ提案があるのだけど。』

真霜・真冬

「「提案?」」

 

真霜と真冬が母の提案を聞いている頃…

 

 

疾風

「広いな!!」

「そうだな。」

 

家の大広間は和室2部屋分の広さがあり、他にもカウンタータイプのキッチンにリビング、そして二階には個室が何部屋かあった。

 

「家の一段下には滑走路と格納庫、そしてそのまま下に行けば水上機用の格納庫か。立地としては最適だな。」

疾風

「なぁ、格納庫の中見に行こうぜ!」

「分かった分かった、全くお前さんは本当に元気だな。」

疾風

「イクゾォォォ!!!」(全力疾走)

「はぁ…」

 

零は疾風の元気に呆れながらも付いて行くのであった。

 

 

格納庫前

 

疾風

「ふぅんぬぅぅぅ!!!」

 

疾風が格納庫の扉にしがみ付き、開けようと扉を引っ張っていた。

 

疾風

「ふぅぅんぬぅぅぅ!!!」ガゴンッ…

「(おっ?)」

 

疾風

「もぉちょいぃぃ!!」ガガガガ…

「(開き始めたな。)」

 

格納庫の扉が完全に開く。

 

「おぉ!」

疾風

「すげぇ!!」

 

そこには2機の戦闘機が鎮座していた。

 

「零式戦に疾風か。」

疾風

「俺たちの名前と同じ機体だな。」

「零式は…二二型甲か?」

疾風

「それにしては推力式単排気管だよな?」

 

目の前に駐機されている零戦は、外見は二二型甲に酷似しているがエンジンカウルから特徴的な排気管が伸びていた。

 

「うむ…疾風の方は一型の…甲か?」

疾風

「の量産型だな。推力式単排気管だし、ホ103が付いてる。」

「こっちのは…二二型甲と五二型系列のミックスみたいだな。ん?」

 

二二型甲擬きを見ていると、胴体の日の丸の尾翼側の下にあるネームプレートを目を凝らして見ると

 

「零式艦上戦闘機二四型甲…聞いた事が無いな。」

 

ネームプレートには、はっきりと[零式艦上戦闘機二四型甲]と刻印されていた。

 

疾風

「架空機か?」

「おそらくな。」

 

目の前の架空の零戦を見るが、やはり違和感がある。

 

「まぁ、今考えてもどうしようもない。」

疾風

「そうだな。試運転とかは明日辺りにするか。」

「だな。」

 

2人は格納庫から出て、鍵をしっかりと閉めたのを確認すると、家の方へと歩き出した。

 

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