(どうしてこうなったんだ!?)
クラスの真ん中の最前列に座る男子、織斑 一夏は苦悩していた。
彼以外のクラスメイトが全員女子だからである。
別に一夏が女装して女子高にいる訳でも性同一症でもない。
(はぁ…)
一夏はこの学校、IS学園の生徒としている理由を思い返しながらまたため息をついた。
彼はIS、インフィニット・ストラトスという女性にしか動かせない兵器を動かしてしまったのだ。受験会場に迷った末に。
ISは現行の兵器を軽く凌駕し、開発者の思惑とは全く逆の兵器運用されているのだ。
ISが世間に知られてから社会は女尊男卑に激変した。
そんな状況化で一夏はISを動かしたのだ。
政府やIS委員会は事態を深刻と判断し、一夏をIS学園に入学させた。
ガラッ
教室のドアが開き、一夏は目をやると2人の女子生徒がいた。
いっくんsideout
士織と折紙が自分の教室に入ると彼女たち以外の生徒は全員座っていた。
唯一ISを動かせる男、織斑一夏がいるせいか緊張した空気が流れている。
「ギリギリセーフですよね、山田先生?」
士織たちが教室に向かう途中に会ったクラスの副担任である山田先生に話しかけた。
「はい、ギリギリセーフですよ、五河さん」
「よかった~」
「士織が迷子になるせい」
「ち、違うもん。子猫がいたから可愛がってただけだもん」
士織と折紙が自分の席に着くと山田先生は挨拶をし始めた。
「皆さん入学おめでとうございます。副担任の山田真耶です。1年間よろしくお願いしますね」
「よろしくお願いします」
「「「「「「「…………………」」」」」」」
士織以外の生徒は何も言わなかった。
「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと出席番号順で」
弱冠涙目の山田先生がそう言うと士織の2つ前に座っている生徒が立ち上がる。
「え、えっと相川 静香です。ハンドボール部に入部する予定で、趣味はスポーツ観戦とジョギングです。これからよろしくお願いしますっ!」
一番最初で緊張したであろう静香は自己紹介を終えると山田先生は次の人の名前を呼ぶ。
「五河 折紙さん」
「はい。と……“五河”折紙。好きな人は五河 士織。趣味は士織のスト……観察。最後に織斑 一夏、士織に手を出したら大変な目に逢わせるから手を出さないで」
「「「「「「「………………………」」」」」」」
折紙の自己紹介によりクラスに変な空気が流れた。
「ねえねえ、さっきの自己紹介って…」
「女の子の名前だったよね。まさか同性愛者?」
「今の世の中だったら~珍しくないよ~」
「ここは日本よ」
「IS学園って何処の国にも所属してないからレズピアンスでも大丈夫だよね?」
「ストーカーって言いかけてたよね」
「そんなことより織斑君かっこよくない?」
「仲間がいたわ!(貧乳)」
クラスがざわざわ騒ぎだした。
騒ぎを止める筈の山田先生も「先生として正しい道に……でも本人たちの問題だから……」と本気で悩み始め、誰も止める者がいなくなった。
「(お、折紙っ)」
士織は小声で折紙に話し掛けた。
「(なに?)」
「(『なに?』じゃないよ!なんてこと言うのよ)」
「(私は事実を言ったまで)
「(言うにしてもどうして自己紹介の時に言うのよ)」
「(もしかして、士織は私の事が嫌いなの?)」
折紙は悲しそうな顔をする。
「(嫌いじゃないから。むしろ好きだよ)」
「(士織っ)」
ガラッ
折紙が嬉しさのあまり士織に抱きつこうとすると、教室の扉が勢いよく開き、スーツを着た女性が入ってきた。
クラスの視線は教室に入ってきたその女性へと向かう。
「うるさいぞ」
女性のその一言で騒がしかった教室が静かる。
すると女性は持っていた出席簿を折紙に降り下ろした。
「……っ」
「ちっ」
折紙は出席簿が頭に当たる寸前に身体をずらしそれを避けると女性は舌打ちをした。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押しつけてすまなかったな」
「い、いえっ。副担任ですから。これくらい当たり前ですよ!」
えっへんと腰に手を当てる山田先生。その際に大きな胸がぷるんと揺れる。
「(士織は小さいほうが好き?それとも大きいほう?)」
「(え、何が?)」
士織には折紙が言いたい事が全く分からなかった。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新米を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことをよく聞き、そして理解しろ。理解出来なくても理解しろ。逆らってもいいが私の言うことは聞け。いいな」
織斑先生の無茶ぶりに近い発言に周りからは批判ではなく、絶賛の声が多く上がる。
「キャーーーー!千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!大阪から!」
「あの千冬様からご指導いただけるなんて感謝感激です!」
「私、お姉様のためなら自殺できます!」
「ああっ千冬様!眩しすぎて直視できません!」
騒ぐ生徒を織斑先生は鬱陶しそうに見つめ
「……毎と──」
「織斑先生ってそんなに凄いの?」
「「「「「「「………………………………………………………」」」」」」」
「え、えっ?みんなどうして静かになるの!?」
士織の一言によって騒がしかった教室が一瞬の内に静かになり、その反応に士織は困惑した。
「えっと五河さん、あ、士織さんのほうですよ?本当に織斑先生の事を知らないのですか?」
「はい、知りません」
クラス全員が思っている事を山田先生が士織に尋ねたが、士織の返答に山田先生は困惑した。
今の時代IS乗りだけでなく一般人ですら極普通に知っている織斑 千冬を知らないのだ。余程の世間知らずならあり得るかもしれないが、そんな人が入学出来るほどIS学園の入試テストは簡単ではない……はず。
「じ、じゃあモンドグロッソって知ってますか?」
「たしかIS同士を闘わせる──」
「織斑先生はその優勝──」
「国際軍事訓練でしたのね?」
「………………………」
山田先生も静かになってしまった。
「モンドグロッソは軍事訓練などではない」
織斑先生が士織の間違い(?)を指摘した。
「えっ、そうなんですか!?」
「はぁ、五河お前はなぜ軍事訓練だと思ったんだ?」
「え、えっと、お母さんがそう言ってたので……」
士織がそう言うとクラスがまた騒がしくなった。
「静かにしろ」
織斑先生の一言でまたクラスは静かになる。
「ISを軍事利用することはアラスカ条約で禁止されている。だからモンドグロッソは軍事訓練などではないのだ。分かったか五河?」
「はーい」
士織が返事をすると織斑先生は満足げな顔をし、折紙のほうを見る。
「五河姉、お前の発言には色々問題があったな」
「問題はなかった」
「教師に対する口の聞き方を直せ」
織斑先生は出席簿を降り下ろすが、折紙はそれを難なく避ける。
「ち、」
「はい。織斑先生に質問があります」
「なんだ五河妹」
さされた士織は質問、自身が感じた疑問を織斑先生に話しだす。
「どうして折紙を出席簿で叩こうとしたのですか?」
「ふん。私の言うことを聞かないからだ」
「それでも織斑先生は教師ですか?」
「ああ、教師だ」
織斑先生ははっきりと返答した。
「(これは教育委員会に訴えられるよね?)」
士織は織斑先生の態度が気に触ったのかそんなことを心の中で思ったが、仮に実行したとしても退けられるのが落ちだろう。
「で、それだけか?」
「あ、はい」
「長くなったな。おい織斑」
「は、はぃぃ!!」
織斑先生が織斑くんを呼ぶと大声を出しながら立ち上がった。
「面倒だ、自己紹介をしろ」
「え、え?」
「早くしろ」
織斑先生がギロッと睨むと織斑くんは自己紹介を始めた。
士織と折紙は織斑くんの自己紹介に興味が沸かず織斑先生にバレないようにSNSを使い会話(?)をする。
『ねぇ、織斑先生を教育委員会に訴えたらどうなるのかな?』
『士織それはやめなさい』
『え、どうして?』
『織斑先生はプリュンヒルデという称号を持っているから』
『そういえばプリュンヒルデってなに?』
『モンドグロッソ優勝者に与えられる称号よ』
『そんなにその称号ってスゴいんだ』
『スゴいらしいわ。後でモンドグロッソの動画見せてあげる』
『わかった』
士織がそう送ると織斑くんの自己紹介が丁度終わったらしく、周りが拍手の嵐であった。
そしてホームルームは終わった。
自己紹介をしたのは折紙と相川さん、織斑くんだけだったけれど……。
書いていたら割と本気で織斑先生を教育委員会に訴えたくなった作者です←
細かい所が思い付かなくて更新が遅くなりましたっ(^.^)(-.-)(__)
次の更新は、更し……更新は超未定っス。大まかには決めてるのですが、細かい描写や会話が全く思い浮かばなくて……
誤字脱字批判応援疑問などなど待ってま――あ、批判はちょっと…作者メンタルに自信がなくて…
サブタイトルは適当でっす!