これから書いていく内容で原作とは違うこともありますのでタグを追加しておきました。
バーに色がついてめちゃくちゃ嬉しいのは内緒
「遅いわよトリコ!危うく摘み出されるところだったわ!」
遅れてやってきたトリコはニコからの問い詰めを交わしながら答える。
「俺に言うなって、文句ならH.A.N.Dに届けてくれ」
本部で何があったかを話しながら一行はアテンドについて行く。
「うわぁ…お兄ちゃん……見てよあの人、テレビで見たことあるよ…」
リンはおっかなびっくりといった様子でアキラの後ろに付いて。
「リン、あまり見てはいけないよ。彼らもプライベートなのだから」
アキラはリンをたしなめてはいるものの実際のところ緊張ではち切れそうであった。
ニコ達を遠目から見ている人達は
一目でこの場にふさわしくないと判断して眉をひそめ
二目で見た目の麗しさに気づき
三回目にトリコの存在に気づき自らの存在を消した。
「まぁそんなに肩を張らなくてもいいと思うぜ、礼式は大事だが一番大事なのは食事を楽しむ余裕だからな」
トリコはそんな彼等を微笑ましそうに眺めていた。
「そう言えばトリコさん、今日はコンビさんは居ないの?」
アンビーはいつもいる例のボンプが居ないことに気付いた。
「コマツか?あいつは今料理の下処理で忙しいだろうからな、後で顔を見せるだろうよ」
「下処理?ボンプが料理をするのかい?」
アキラは不思議そうに尋ねた。
「するも何もコマツはここのシェフだ、そこら辺の料理人より腕が良い」
「シェ……シェフ?マジか、ボンプも料理する時代になったってことかよ…」
ビリーが感嘆の息を漏らしている中、アキラはボンプの可能性に感動していた。
「ボンプが料理か……今度イアスにリンの料理当番の日にお願いしてみようかな」
「どーーいうことお兄ちゃん!不満だっての!?」
グイグイとリンはアキラの腕を掴み揺らしている。
エレベーターホールに着き、エレベーターを待っていると、親子と思われる2人が歩いてくる。
「はぁぁぁ……ショックなのだわ…久しぶりにお父様とご飯を食べられると思ったのに展望席が貸切だなんて…」
「まぁまぁ、展望席以外は空いていたのだから良いだろう?ほら、そんな暗い顔をするな。可愛いお顔が台無しだぞ」
2人はどうやら食事に来たようだが展望席が貸切の為、別会場で食事をするようだ。
2人の頭に小さなふもふもの耳があり恐らくウサギのシリオンと思われる。
「ん……おぉ!ライオネルじゃねぇか!久しぶりだな!」
そう言うとトリコは片手を上げ挨拶をする。
「ピャァ!!」
ライオネルと呼ばれた男の隣にいた女の子が小さな悲鳴を上げて男の後ろに隠れる。
「おっと……!トリコじゃないか!奇遇だな!君も食事かい?」
2人は仲良さそうにガッシリと握手をしている。
「そんなところだ、後ろにいるのはアリスか?相変わらずのビビリだな」
ニヤニヤしながら後ろに隠れたアリスと呼ばれた少女を見ながら。
「ト…トリコ様…!いきなり大きな声を出されたら誰だってビックリするのだわ!!」
アリスは声をかけた男がトリコだとわかると安心した顔をしながら頬を膨らませ怒っている。
「ライオネル……ライオネルってもしかしてライオネル・タイムフィールド…?」
アンビーが突然出てきたビックネームに驚愕する。
「タイムフィールド家って……浸食緩和剤を開発したあの…!」
自分ですら知っている名前が出てまたも昇天しかけるニコ
「おや、トリコのご友人かな?知っているかもしれないが自己紹介しておこう、私はライオネル・タイムフィールド。こっちの娘がアリスだ」
ライオネルは優しそうな笑顔を浮かべ後ろに隠れた娘を皆に紹介していく。
「こほん…紹介に預かりました、私がアリス・タイムフィールドなのだわ」
優雅なカーテシーを披露する姿は先ほどの少女らしさはなく、名家たるにふさわしいものだった。
「トリコさんは…ライオネルさんの知り合いだったんだね」
アキラがそう尋ねると。
「知り合いなどと言う軽いものではないよ、トリコは私の命の恩人なのだから…こうして愛しの娘と今も居られるの彼のおかげだ。」
ライオネルはそう言うと愛おしく、大切な物を扱うようにアリスの頭を撫でていく。
命の恩人。決して軽い言葉ではなくそれが物語るのは気安く触れられるものではないという事だ。
「よせよ、そんな思い詰める必要はねぇさ。展望席で食うつもりだったのか?悪いな、横入りしちまったなら一緒に食ってくか?」
トリコは笑いながら展望席を貸切にしたのは自分だと伝え食事に誘う。
「トリコ様が食べる料理…!きっととんでもないのだわ、前に頂いた白雪鮎はとんでもない絶品だったのだわぁ…」
アリスは目を細め以前食べたと言う料理を思い出し、ウットリとしている。
「大変魅力的だが、今日は娘との食事なのでね。また今度にさせて貰うよ。」
ライオネルのアリスを撫でる速度が跳ね上がる。
一同はライオネルは親バカなのだと言う共通認識を経たようだ。
「そか、なら今度ライオネルの家に行くときはゴールドニンジンを持って行ってやるよ」
トリコがゴールドニンジンと言う名前を出した瞬間、親子2人の耳がピンと伸びる。
「トリコ様!!その話は本当なのだわ!?約束!約束なのだわ!!」
ピコピコと耳や尻尾をフリフリとしているアリス。
その喜びようからするには美味しいのだろう。
「こらこら、はしたないぞ?楽しみに待っているとするよ。」
ライオネルは大人らしく表情には出さずに感謝をトリコに伝える。
別れを告げ2人が立ち去っていくのを眺めていたがライオネルの尻尾がブルンブルンと回転していたのは見なかった事にした。
エレベーターに乗り最上階まで登っていく。
チン、と到着の音が流れ扉が開くとそこには360度硝子張りの美しいホールが広がっていた。
硝子張りからは新エリー都の建ち並ぶビルや下の街の明かりが新エリー都を照らしていた。
「うはぁぁ!!やっばいわ!綺麗すぎ!」
「見て!ニコ!ルミナススクエアがあんなに小さく見えるよ!」
リンとニコはガラスに駆け寄り絶景を楽しんでいた。
「各々席に着いたら食前酒を決めてくれ、ノンアルでもいいぞ」
「ここから先、震度7の地震が来ようとも俺達は食事をやめないからな」
そう言いながらトリコは不敵に笑うのだった。
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ドボォンドボォンとおおよそ超高級レストランから聞こえるはずのない音を響かせながらトリコは一息で50度あるバーボンをグラスに開けずに飲んでいく。
「料理って聞いてたから俺は食べられないかと思ってたが……!これ、最新式の吸引式味覚カートリッジじゃねぇか!!金持ちの道楽って呼ばれて実用性なんてないのにこんなところにもあるなんてな!くぅぅぅ〜!これがコーラの味なのか!!」
機械人であるビリーは食事が取れないので本人はお話を楽しみに来たがトリコの計らいで吸引式味覚カートリッジを用意して貰っていた。
吸引式味覚カートリッジとは機械人等が物の味を再現したデータを楽しむために作られた。
機械人はカロリーが必要ないため無用とされていたが近年、味覚を欲しがる機械人が増え需要が増えて高騰していた。
「ふぅ…コニャックを追加で頼む、あとチェイサーにビールをくれ」
トリコはギャルソンに追加の酒を頼んでいた。
「なんか水まで美味しくて怖いんだけど、改めてありがとうな!トリコ!助けてもらったのにこんな美味しいお店に連れてきてくれて!」
猫又は飲んだ水の美味しいさにビビりながらも今回の立役者に礼を述べる。
「アタシは猫宮又奈、邪兎屋の新入社員だ。よろしくにゃ〜」
「もう知ってると思うがトリコだ、よろしくな」
コツンと拳を合わせて挨拶をする。
「お兄ちゃん…このジュース知ってる……1本5000ディニーするやつ…」
「驚いた、ジュースだけで僕達のお店の会員登録より高いとはね…」
2人は飲んでいるジュースの値段に戦慄している。
皆は改めて思っているだろう、トリコやばくね?と
「失礼します、こちら白毛シンデレラ牛のガーリップ焼きになります」
ギャルソンが一行の席へと料理を運んでくる。
「白毛…?シンデレラ……?聞いたことないお肉ね」
運ばれた料理を見てニコは目を剥く。
そこには宝石のように光を放つサシが美しく入った料理があった。
「 白毛シンデレラ牛…劣悪な環境にわざと置き、肉へのストレスをかけタイミングよく幸福を味あわせることで最高の味になる牛だ。調理完了してからの賞味時間はなんと12分、コレを過ぎると味が一気に落ちるんだ」
トリコが食材の説明をしながら肉を口へと運ぶ。
切りわけることなく700グラムの肉塊は口へと消えていく。
「わ、わ、わ、何これ、ナイフを当てただけで切れちゃった!なんて柔らかいお肉……あむ……!うっっっっっわ!なにこれ!!
え?口に入れた瞬間なくなったんだけど!一瞬でとろけるのに口の中には極上の脂の旨味で一杯…!でもしつこくなく雪のようにスーッと消えていくわ!アンビー!猫又!アキラにリン!食べてみなさいよこれ!」
味わったことのないような旨味に襲われこの美味しさを早く伝えようと皆の方に向き直ると既に旨味の本流に流されてる皆がいた。
「これは……想像以上だ…舌の上でとろける肉の繊維は、まるで羽毛布団に包まれているかのような優しさ。
脂は一瞬で溶け出し、甘美な旨味が洪水のように口いっぱいに広がる!
それでいて……まるで澄んだ雪解け水のように後味はスッと消えていく……!
口の中には爽やかな甘みと花のような香りだけが残るこの感じ…
まるで肉が幸せの鐘をを鳴らしているみたいだ……!!」
「うーーーーわ!!美味しい!凄いよトリコさん!このお肉すっごいもう、うん!美味しね!」
アキラとリンは一口でその味の虜だった。
「猫又、猫に牛肉は良くないから貰ってあげるわ」
「フシャァァ!絶対あげないもんね!猫だって牛肉は食べるもん!」
「好きなだけ頼めばいいし、食えばいいさ料理はまだまだ来るぞ」
トリコが取り合う2人を諌めている。
目の前には既に皿の山が出てきおりこの短い瞬間でかなりの量を食べているようだ。
「くっっそぉ!カートリッジでも旨味はわかるが生身で味わえないのがもどかしいぜ!」
ビリーはビリーで堪能してはいるが少々物足りないようだ。
この後も様々な料理が運ばれては一同が感動すると言う流れを何度も繰り返すことになる。
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一通りの料理が運び終わりテーブルの上には皿の山、もはや塊とも呼べる量が出来ていた。
「……以上が本日お出し出来る料理になります」
「そうか……ふぅ…腹二分目ってところか」
何百人分と食べてコレである。
「だが、メインディッシュはこれからだ……」
まだ食べるの…?と怪訝な目を向けているニコ。
彼女のお腹はポッコリと膨れており、顔は幸せそうだった。
バタン、と扉が開けばそこには小さな料理ワゴンを押している
「おまたせしました皆さん!本日のメインディッシュです!」
コマツがいた。
「…待ってたぜコマツ!」
トリコはコマツの方を見ると鼻に直撃する香りに反応して思わず立ち上がってしまう。
「メインのデザート……エーテルの実です!」
パカリと蓋を開けるとそこには大きな深いお皿に入ったエーテルの実で作られたシャーベットのようなものが入っていた。
「エーテルの実…それってこの前持って帰ってたエーテルコアのこと!?それを食べる気なの!?あぁ!!!ディニーの塊がシャーベットになってるぅ!?」
「でも、不思議。エーテルのジュル塊だったはずのアレから出来たとは思えないほどに美味しそう、それにエーテルの欠片も残ってないようにジュル思えるジュルわ」
「アンビー……よだれを拭いたらどうだい?そうか、これがエーテルコアか…」
ニコはディニーの塊だったコアがシャーベットになっているのに耐えられず
アンビーは食欲に負け
アキラはアンビーのよだれを拭いてあげていた。
「やはり本来の味を楽しんで頂きたいので余り手を加えずシンプルなシャーベットに仕上げました。内部のエーテルは少量内包されていますがボクが調理を施してありますので無害です!」
コマツが皆の前に皿を置いて説明をしていく。
「ビリーさんには申し訳ありませんが、味覚カートリッジへの転用が難しくご用意出来なかったことをお許しください」
コック帽をとり、ペコリと短い首を下げる。
「しょうがない事だから謝んないでくれよコマツシェフ!俺は平気だぜ!」
「まてまてまて!エーテルが内包してるだにゃんてヤバすぎるだろ!なんでみんなそんなに落ち着いてるんだ!?」
猫又はキュッと耳が尖っている。誰だってエーテルを取り込むと言えば警戒はするだろう。
リンはそんな猫又の頭を撫でて宥めている。
「これが……デッドターミナスブッチャーのエーテルの実…シャーベットになっても尚この存在感!美味そうだ……!!」
各自に取り分けられた皿を前にしてトリコは目の前のシャーベットに圧倒されている。
美食屋として様々な食材に会ってきたトリコはこのエーテルの実を見たときからある予感がしていた。
決まるかもしれない。
空白の一つが。
「実食だ!食うぞみんな!」
エーテルの実で作られたシャーベットは黒く輝いている。
深く何もかもを吸い込んでしまうような深い黒。
ひとすくいしてみる。
重い――まるで金属を持ち上げた様な圧倒的な重量。
シャリッとした氷の粒に、微かに揺らめく光。
ただのシャーベットではない、果実の内側から滲み出すエーテルの輝きが、まるで星屑を閉じ込めた氷菓のようだ。
トリコ達はそれを口へと運んだ。
瞬間
舌の上でシャーベットがほどけ、冷気とともに走るのは電流にも似た爽快感。
エーテルの不思議な刺激が、味覚を直接震わせる……まるで味覚が「ひとつ上の次元」に引き上げられていくかのよう
「うおオァ!!?――マジかよ!脳天に突き抜ける冷気ッ!!
そして同時に、果汁が爆ぜるような甘酸っぱさが舌の上で炸裂するこの刺激!。ただの酸味じゃねぇ!宇宙を渡る流星群の閃光のように、味が次々と変化していきやがる……!」
味わいは瑞々しく柑橘にも近い透明感のある酸味。
だが、ただの酸味ではない──
後から訪れるのは、まるで夜空のオーロラのように移ろう甘味。
甘さが層をなして波のように押し寄せ、口内を幻想的に包み込む
「………!ハッ!ちょっと意識飛んでたわ!私の知らない味しか出てこなかったわ…でも、美味しい……」
「凄い……エーテルは本来体に良くないはずなのにこのシャーベットから感じるエーテルはむしろ心地良い。体の細胞ひとつひとつに染み込んで行くようなこの感覚、凄い…」
「………………?????(形容出来る言葉が見つからず宇宙の猫又)」
「それだけじゃない、シャーベットとしての完成度もかなり高い、氷の粒ひとつひとつに感じられる程なのにそれが不快感を得ることなく口の中で溶けてゆく…コマツさん、凄いよ本当に」
「美味しい!!甘酸っぱいシャーベット大好きなんだよね私!」
一同は抱えていた不安を吹き飛ばすような旨味に感動していた。
「―――決まったな」
カチャリとスプーンを置いたトリコ。
その顔は随分満足そうだ。
「決まったって何がだい?」
アキラはトリコへ問いかける。
「俺の人生を彩るフルコース…その一品にコイツを加えるッ!」
「本当ですかトリコさん!!!ンナァァァァァァァァァ!!」
騒ぐ2人をポカンと見つめる皆。
「フルコースってのは俺の人生を裏付けてくれる大事なものだ。何を食べ、何処で生き、何をしてきたか、どんな人生を歩んだのか。それをフルコースとして表してるんだ。」
フルコースについて説明をしていくトリコ。
「へぇぇ、トリコのフルコースね、高そうだけど食べてみたいわ!」
ニコがトリコへ言うと
「まぁまだこのデザートしか決まってねぇがな、完成したらまた皆で食おうぜ!!オラ!!!フルコース決定の祝いだ!!まだまだ食うぞ!!!」
「わかりましたトリコさん!近隣のホテルから食材を集めて来ます!」
慌ただしい2人を楽しそうに眺め、また出てくるであろう料理へと心を弾ませていくニコ達だった。
ちなみにお会計は1000万ディニーを超えていたの見てまたニコが意識を失ったとかなんとか。
投稿文の量に関するアンケートです
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時間がかかってもいいから長めに
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短めでスパンを開けずに書いてほしい