ヤムチャしやがってとは言わせない!   作:ヤムチャしやがって……

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次回から原作開始です。


修行パートそのに

 

 

 

 

 

 

 

『修行90日目』

 

 

 

 見事に作戦を成功させて大金を手に入れたオレはついでに悪名を消すことにまで成功して、あれ以来ずっと修行に励んでいた。

 事情聴取などで拘束されている間は感謝の正拳突き一万回は行えなかったので少し鈍ってしまっていたが、お陰で数年は金を気にすることなく修行に専念することが出来る。

 必要経費だったとして割り切るしかないだろう。

 

 あの偽ヤムチャ事件から二ヶ月が経った現在、オレは更なる成長を遂げていた。

 まず動きが以前よりも最適化されたことにより、日が暮れる前に一万回の正拳突きが終わるようになったのだ。

 余裕が出来たオレは、新たに早朝の瞑想のあとに太極拳を始めた。

 前世でも毎朝やっていたので型は覚えている。

 スローテンポで型をなぞることで指先まで隅々に力を行き渡らせ、精密にコントロールすることが目的である。

 

 更に、太極拳は柔よく剛を制すという理念の武術だったが、現代では健康法の一種としても知られていた。

 気血の巡りを良くし、心身のバランスを整える効果が期待されていたのだ。

 瞑想や太極拳の共通点として呼吸法に注目しており、太極拳に期待されていた健康効果の多くも呼吸が関係している。

 ジョジョの波紋呼吸でもそうだったが、呼吸と『気』には密接な関係があると考えられていたのだろう。

 

 そして、その考えは間違いではなかった。

 緩やかな動きと共に全身の隅々まで意識を巡らせ、深く長く息を吸うことで酸素を血に巡らせる瞬間を微細に感じることで、最近は気の感知に近づいているという確信が強まってきたのだ。

 まだはっきりとは感じられないが、確かに体の中にエネルギーが巡っていることが分かる。

 プーアルに触れれば、触れた場所から同じようにじんわりと暖かい感覚がするため、恐らくこれが気の感知の初歩のようなものなのだろう。

 

 まさかたった三ヶ月で気の感知の取っ掛かりを掴めるとは思っていなかったが、仮にも地球人No.2になれる男だ。

 その才能は一般人の認識とはかけ離れた位置にあるに違いない。

 オレは自らの急激な成長に嬉しさを隠しきれず、一人でニヤニヤ笑っている瞬間をプーアルに見られてしまった。

 フッ……穴があったら入りたいぜ……(顔真っ赤)

 

 

 

 ちなみに、DB世界定番のウェイトトレーニングも同時並行で行っている。

 手足に装着するバンドと道着の上に着るベストを特注し、ウェイトを仕込めるような構造で作ってもらった。

 こうすることで手足のバンドにそれぞれ最大で20kg、ベストには最大で120kgのウェイトを仕込めるようになり、全ての修行の効率が爆増した。

 現在は手足に5kgずつの計20kgとベストの30kgで合計50kgのウェイトを課している。

 

 それに伴って、毎日腕立て・腹筋・スクワットを百回ずつに十kmのランニングを修行に追加した。

 基礎体力を上げることが目的だが、成長期真っ盛りの今は過度なトレーニングをしないようにこの程度に留めている。

 とはいえ、ウェイトがあるためこれでも結構キツい。

 

 当然ながらこれをフルセットやろうとすれば感謝の正拳突き一万回は再びギリギリのペースになってしまった。

 余裕が出来れば更にウェイトを増やすことで負荷を強くし、また余裕が出来れば…………というように、気の感知と操作が出来るようになるまでは変わり映えのない修行が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

『修行210日目』

 

 

 

 遂に気の感知と操作が出来るようになった!

 正確には、感知はもっと前に出来ていたのだが、気のコントロールを行う感覚が難しくて時間が掛かってしまった。

 やはりこの辺りはセンスなのか、悟空に比べると遅い。

 だが、敢えて人と比べて落ち込む必要はない。

 単独で気のコントロールにまで漕ぎ着けられたのは、我ながら褒めていいことだと思う。

 

 ウェイトトレーニングも負荷を強めて、現在は手足が10kg×4の40kgと胴体が60kgの合計100kgまで増やした。

 お陰で日々の修行がずっと地獄のような辛さだが、身体能力は間違いなく急成長している。

 重りを全て外して全力でジャンプすれば、今のオレなら悟空やクリリンのように空高く跳ぶことだって可能だろう。

 つまり、基礎の修行も順調に進んでいる。

 

 では、取り敢えず気の感知・放出・抑制・解放は出来るようになったので、ここらで気の修行も始めることにした。

 取り敢えず、思いつく限りに色々と試してみる。

 H×Hの水見式や四大行と応用技、ジョジョの波紋呼吸法、ONE PIECEの軍艦バックならぬ岩壁バックなど、いつものノルマを熟したあとに試行錯誤を繰り返した。

 

 他作品で有用だと思った技の再現も試してみた。

 トリコの釘パンチ、ONE PIECEの六式や覇気、BLEACHの月牙天衝など、幾つかは手応えを感じる物はあった。

 しかし、釘パンチは高速で複数回殴ってるだけだし、六式はそれっぽいだけでなんか違うし、覇気に関しては相手がいないので本当に出来たのかまでは判断がつかず、月牙天衝の時に使用した剣は刀身が注ぎ込まれた気に耐えられなかったのか罅が入ってしまった。

 それでも一応お試しとしては悪くない結果だった。

 

 最も手応えを感じたのは、やはりというかH×H関連の技術と、まさかの呼吸法関連である。

 技の再現をしようとした際にまだ必殺技の開発は早いと感じたので、念能力のうち『発』以外を意識して修行をしてみれば、明らかに修行効率が向上したのだ。

 気のコントロールと念能力は似通った部分が多いのだと、改めて感じた。

 

 まずは『纏』だが、変に力まず自然体を意識した。

 呼吸をするように自然と気を纏い、眠っている間も維持出来るようになるのが目標である。

 悟空が超サイヤ人の状態を馴染ませようとしていたのと同じだ。

 更に『円』とは少し違うが、同じく意識がない間でも気の感知を行えるようになれば有事の際にも安心出来る。

 

 次の『絶』に関しては、気配を遮断することは問題なく出来ていた。

 しかし、本来の『絶』ならばオーラの回復も早くなるはずなのだが、気に置き換えた場合は上手くいっていなかった。

 強いて言えば、瞑想や太極拳、食義をしている最中は明確に気の回復速度が倍以上になっているため、気とオーラでは回復を早める条件が違うのかもしれない。

 これは今後も探っていく必要があるだろう。

 応用の『隠』は実現可能か怪しいが、なんとなく出来そうな気もするので要練習といったところだな。

 

 『練』は言うまでもなく、気の解放にあたる技術だ。

 これ自体は普段の状態を『纏』として、戦闘態勢の『練』への切り替えを瞬時に行えるようにトレーニングしている。

 現状では『練』を段階に分けて制御している最中であり、フルパワーの五割、八割、十割の三段階にすることで応用の『堅』の持続時間を増やすのが目的だ。

 最終的には八割か九割で維持して、瞬間的に界王拳などの強化技で戦闘力を上げるという感じにするのが理想である。

 

 あと、『凝』と『流』はかなり楽に形になった。

 恐らくこれまでしてきた修行との相性が良かったのだと思われるが、一秒と掛からず指先の一点に九割の気を集約することも可能だ。

 インフレが進めば一秒どころかコンマ一秒以下で出来るようにならないと使い物にならないけれど、気のコントロールを覚えて間もないうちにこれだけ出来れば上出来だろう。

 

 ちなみに、『硬』は成功したと言えば成功したが、失敗したとも言えるような結果になってしまった。

 オレのイメージではDB世界における悟空の龍拳にあたる技術だと思っており、気を拳だけに集約させた結果として岩壁を貫通するほどの威力を発揮したまでは良かった。

 だが、絶大な威力の反動を受けた無防備な体は、翌日になって今まで体験したことのない筋肉痛となって俺に襲い掛かってきたのだ。

 その筋肉痛を治すために三日間の完全休養が必要となり、今のオレでは扱いきれないとして封印することにした。

 

 念能力に関してはこんなところだろうか。

 今まで行ってきた基礎的な修行ではなるべく気の抑制、改め『絶』の状態で素の身体能力を鍛えているが、『練』をしている時との差は著しい。

 何らかの理由で気を使えない時にも戦えるよう、やはり六式の習得は優先順位が高いかもしれないな。

 

 呼吸法に関してだが、一ヶ月ほど前から急に何かが切り替わったような感覚がした。

 恐らくジョジョの波紋というよりは鬼滅の全集中だろうか。

 まだ意識して呼吸を行わなければ出来ないが、その呼吸をしている間なら『絶』をしていても岩を殴り壊せる怪力が発揮出来るのだ。

 明らかにそれをしている時としていない時とで、身体能力その他が大きく向上する。

 

 勿論だが、気との併用は可能である。

 というか、相乗効果とでも言うべきか、気を解放している時に推定全集中の呼吸をしていると、気の総量そのものが倍近く膨れ上がるのだ。

 まだ呼吸自体が未完成なものなので将来的にはもっと強化幅が広がるかもしれない。

 或いは、波紋や全集中とは全く異なる呼吸法の可能性すらある。

 この呼吸をしている間は体に負担があるどころか、むしろ気力が充実して数日睡眠を取らなくてもへっちゃらになる。

 もしこれを完全に形に出来れば、戦闘力の向上のみならず修行の更なる効率化なども図れる。

 原作開始までには難しくても、ヤムチャことオレの死亡フラグであるサイヤ人襲来までには何としても完成させておかなければならないだろう。

 

 よし、原作開始まで残り一年と半年(くらい)だ。

 それまで変わらず修行を続けると同時に、適当に野盗などを相手に対人戦闘の経験も積まないとな。

 やらなけらばならないことが無数にある。

 一分一秒を無駄にすることなく、気を引き締めていこう!

 

 

 

 

 

 

 

『修行730日目』

 

 

 

 時が経つのは早いもので、修行を開始してもう二年が経った。

 ウェイトは一年前の時点で既に、手足40kgと胴体160kgの合計200kgを身に付けた状態での修行が可能になってしまった。

 今ではバンドとベストの再改造と同時に道着にも重りを仕込めるように改造してもらい、結果として常に合計500kgの負荷を自身に課している。

 実際にはもっと重量を増やしても大丈夫だったのだが、シンプルにこれ以上の服の改造が難しく断念することになった。

 

 毎日欠かさずに行っている基礎トレーニングも、今では昼前には全て終わらせられるほどになった。

 最も時間が掛かる感謝の正拳突き一万回でさえ一時間あれば充分になり、その拳はいつのまにか音を置き去りにしていた。

 流石にまだネテロのような悟りに近い境地にまでは達していないし、肝心の戦闘技術が疎かになってしまっているが、身体能力だけで言えばもう亀仙人以上になっている自信はある。

 勿論これは『絶』をしている状態での話だ。

 

 ただ身体能力が向上しただけでなく、肉体のコントロールも以前とは比べ物にならないほど洗練された。

 具体的には、ONE PIECEの六式が形になるくらいの超人的な能力を身に付けた。

 これでオレも六式使いを名乗ることが出来る。

 

 まず初めに形になったのは『鉄塊』、次いで『指銃』だった。

 例えば『鉄塊』は『絶』の状態でも銃弾を容易く弾き、『指銃』は鉄筋コンクリートに風穴を穿った。

 『鉄塊・剛』や『鉄塊・空木』など、派生技も幾つか覚えられた。

 特に発生の早い『指銃』のバリエーションである『指銃・撥』なんかは遠距離技でもあるので、非常に使い勝手が良くて大満足である。

 

 あとは『剃』『月歩』『嵐脚』は『剃』が使えるようになったのと同時に全て修得した。

 舞空術があれば『月歩』なんて必要なくね?と思わないでもなかったが、それはとんでもない思い違いだった。

 派生技の『剃刀』という技があり、『剃』の速度で『月歩』を行うのだがこれがまた舞空術と欠点を見事に補い合ってくれる技だったのだ。

 両者の欠点はそれぞれ曲線的な動きか直線的な動きになるかの違いであり、舞空術の最中に『剃刀』を使用することで瞬間的に舞空術のトップスピードを上回る速度を出して奇襲を掛けることが出来る。

 まだ切り替えが拙くてすぐに見切られるだろうが、このコンビネーションを完全に覚えれば格上相手にも喰らいつけるはずだ。

 

 最後に『紙絵』だが、これが一番修得に時間が掛かった。

 まず完全な脱力状態というのが難しく、この時点でかなり頭を悩ませることになった。

 結局は女性を見た瞬間に力が抜けてヘロヘロになる感覚を思い出して、調教した元野盗こと子分を相手に修練を重ねることで、ようやく形にすることが出来た。

 DB世界では大体が徒手空拳で戦うため、『紙絵』は極めて有効な技になる可能性が高い。

 今後は優先的に練度を高める必要があるだろう。

 

 念能力の四大行と応用技はかなり様になってきた。

 完全に自然体で『纏』が出来るようになり、『堅』もフルパワーの八割なら一日以上、十割でも六時間は維持出来るようになった。

 『凝』と『流』もよりスムーズになって、なんと『隠』も数日前にやっと成功した。

 何よりの朗報は六式の『紙絵』を修得した結果、封印していた『硬』が使えるようになり、一気に瞬間的な破壊力が増したことだ。

 未だに上手くいかないのは『絶』の時の回復効果だけである。

 

 あとは、あの波紋とも全集中とも異なる未知の呼吸法。

 現在も試行錯誤しながら改良を重ねており、まだ完全修得には程遠い現状にも関わらず、その呼吸法をしている最中のみ身体能力や気の総量がそれぞれ三〜四倍に強化される。

 これの何がやばいかと言うと、身体能力と気の総量が別々に強化されていることで、三倍に強化された身体能力を更に三倍になった気で強化出来ることだ。

 つまり、実際には戦闘力が十倍くらい跳ね上がっているということになる。

 

 かなり難易度の高い呼吸法であり、意識しなければすぐに途切れてしまう。

 全集中・常中のように眠りながらも続けられるようになるのが目標ではあるが、まだ呼吸法そのものが未完成なので先は長そうだ。

 もしかしたらこの呼吸法こそが、オレがインフレについていくための重要なファクターになるような、そんな予感がしている。

 決して妥協せず、夢は大きく最大強化率百倍を目指そう。

 

 それに、別に呼吸法だけで百倍の強化が出来るようになる必要もないのだ。

 この呼吸法による強化が現在の十倍前後が限界だったとしても、所謂常中になれば、その状態から界王拳のような強化技を使えばいい。

 結果として一時的に百倍の強化が行えるのであれば、魔人ブウくらいまでなら食い下がれる可能性がある。

 亀仙人ほどではなくても技術があれば、もっと先……力の大会での活躍だって夢ではないだろう。

 

 まだ技らしい技は開発出来ていない。

 今回の修行では基礎能力の向上と気の感知と操作の修得、及びその応用が目的だったからだ。

 それでも雛形というか、構想がないわけではなかった。

 

 オレの代名詞である狼牙風風拳を、一つの技ではなく一つの流派になるまで洗練させる。

 イメージは創作物の中で言えばH×Hのカストロが使用していた虎咬拳だろうか。

 自ら編み出したオレに最適化された武術をベースとして、これから未来で戦う様々な敵との戦闘経験によって培われる技術を組み込み、真の狼牙風風拳を完成させる。

 

 たった二年間の修行ではあったが、原作で噛ませ犬だと言われていたオレが強くなるための取っ掛かりを掴めたのだ。

 いや、噛ませ犬だと言うのであれば、それでもいい。

 何処までも意地汚く、生き汚く、分不相応でも、オレなりに足掻きに足掻いて食い下がってやる。

 そして必ず、お前たちが犬だと見下した男が、実は貪欲に勝利を求める狼の牙を持っているということを教えてやろう。

 

 オレはハイエナのヤムチャ。

 かつて荒野に名を轟かせた大悪党である。

 強くなるためならば、人道に完全に背かない限り手段を選ばない。

 絶対に強くなって、決して諦めずに強くなり続けてやる。

 

 だって、折角こんな夢みたいな世界に転生したんだ。

 目指してみたいのが男ってもんだろう。

 

 ────『最強』の二文字をな。

 

 

 

 

 

 

 





なんかヤムチャを強くしすぎた気がしますが、多分気のせいでしょう。
未来の死亡フラグ、及び強敵を知っているが故の強迫観念染みた死に物狂いの修行あってこそだと思ってください。
取り敢えず、既にサイヤ人襲来は一人で乗り切れる可能性があるくらいには成長しました。
これもプーアルの献身的なサポートのお陰ですね!
以下、参考にどうぞ。


現時点の戦闘力表

・ヤムチャ
通常時(『絶』&重りフル装備)→150
通常時→1,200
通常時(『纏』)→2,400
戦闘時(『堅・八割』)→6,000
戦闘時(フルパワー)→7,500
???の呼吸→75,000

・悟空
通常時→10
大猿→100

・ベジータ
戦闘時→15,000
大猿→150,000
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