転生したら黒蝕竜だった件 作:転スラ好きのライズ民
何てこともない、普通のハンター。
幼い頃からハンター業を営み、MRにまで上り詰めたとはいえ、一戦一戦で死にそうになる。
そのため、主に採集クエスト、たまに護衛クエストや調査クエストをして生計を立てている。
乱入してきたモンスターに逃げ惑ってばっかりだけどな。
実力は高い方だと褒められるが、心が弱けりゃどうしようもない。
それでも、強いハンターへのあこがれは、ある。
「猛き炎さんのいるカムラの里への護衛クエスト?」
「はい。空路が発達してきたとはいえ、中々空も物騒なようなので。飛行船の実験に付き合ってほしいとバハリがハンターをかき集めてました」
「それ、私みたいなハンターには向いてないんじゃないか?」
「シャガリならいけますよ!フィオレーネからもお墨付きがあるんですから」
「でも、流石にバルファルクとかと出会って生き残れる自信がないんだけど……」
「猛き炎さんに会えるんですよ!会いたいって言ってたじゃないですか」
チッチェ姫にそこまで言われちゃ断れない。
装備を整えて、私は飛行船に乗り込んだ。
順調な空の旅、と思えたのだが、どうやら周囲が騒がしい。
「大変だ!シャガルマガラが現れたぞ!」
「バハリ隊長への連絡は!?」
「だめだ!リオレイア希少種、リオレウス希少種が現れて、その対応に追われているらしい!」
シャガルマガラ、だと?
まともに戦って、はたして勝てるかどうか……。
そもそも、古龍なんぞに人が勝つ方がおかしいと私は思う。
「私が迎撃する」
それでも、護衛クエストを受けたからには護衛を遂行しなければならん。
双剣を抜き、鬼人化。
鬼人空舞で空を翔けながら攻撃をする。
なかなかに神経が磨り減るぞ……。
しかもこいつ、妙に動きが素早い。
「グルルァァァァァ!!」
ある程度ダメージを与えたか、と思った瞬間、橙色の閃光が迸った。
そして、狂竜ウィルスを含んだビームが私を貫く。
まずいっ!?
意識が薄れてゆく。
そして、痛みが全身を襲う。
私は、死ぬのか?
《確認しました。痛覚無効獲得……成功しました》
蝕まれていくような感覚がする。
どうやら、キュリアによる攻撃を受けた場所が狂竜ウィルスによってさらに酷いことになっているらしい。
だめだな。人間は、古龍と戦うにはあまりにも弱かった。
《確認しました。物理攻撃耐性獲得……成功しました》
《確認しました。精神攻撃耐性獲得……成功しました》
《確認しました。龍に対抗できるような身体を生成します》
――さらに蝕まれていく。
もう手遅れだろう。
誰も私を助けようとしないでくれ。
さっきからうるさいぞ……?
あの鱗粉を浴びたら普通は死ぬだろう。
《確認しました。鱗粉の身体を生成します》
あぁ、もう、限界――
私は死んだ。
ここは空で、ネコタクシーを呼ぶこともできない。
狂竜ウィルス蝕まれて死んだのだ。
逆に蝕み返したいくらいだよ。
まあ、人の身では不可能だったけどな。
《確認しました。ユニークスキル「
それにしても、さっきからうるさいなぁ。
誰が喋ってるんだ?
熱血とエルガドにも噂に聞くウツシ教官か?
流石にないか。
って、幻聴が聞こえるなんてマジで一寸先は闇って感じ。
ははは。
情報が、欲しいなぁ――
《確認しました。固有能力「鱗粉感知」を変化させます》
《ユニークスキル「情報者」を獲得……成功しました》