転生したら黒蝕竜だった件 作:転スラ好きのライズ民
私は意識を取り戻す。
どうやら布団に寝かされているようだ。
目を開けても見えるものはないが、鱗粉での感知が再開してゆくのを感じる。
……魔王ミリムッ!?
「ん?起きたか。安心しろ。ミリムとは親友になったからな」
「この短時間で一体何を……」
よく見ると、リムルと魔王ミリムは一緒に朝ごはんを食べているようだ。
平和そうでよかった。
普通に殺されてたかもしれないからな。
「うまーーーっ!」
こうしてみると、マジでただの子供にしか見えない。
これが、魔王……?
わざわざ魔王とかつける必要ないよな……。
ミリム、うんミリムでいいや。
食べてる間は話ができそうにもないので、ミリムが食べ終わるのを待つ。
私は鱗粉で侵蝕する形で食べることもできるが、普通にがっつくのも好きだ。
まあ、汚い食べ方だし公的な場ではやるなと言われてしまったが。
「お前、よく私のあのパンチを受けてほぼ無傷でいられたな。驚いたのだ」
「ああ、私は逆に攻撃を無効化できなかったことに驚いた」
「うーむ、やはりただの魔物の訳がないと思ったが、よく見るとお前はあの人に似てるのだ。強いのも当たり前だな」
「あの人?」
「名前は忘れたのだ。東方にずっと引きこもってて会ってないからな」
あの人、ね。
まあ、私には特に関係ない話だな。
自分に似ている人は世界に数人いるという話だし。
で、今日は何をするんだ?
と聞いたら、リムルにミリムの見張りを任された……。
回復薬の機材がーとか言ってたが、私の気持ちにもなってくれよ。
こんな子供っぽい魔王と仲良くなれるわけないだろ……。
なぁ情報者。
《……》
「へぇー、ミリムって
「ふふん、そうだろう。シャガリは「竜人族」だったか?ならワタシがかっこいい名前をつけてやるのだ。「
「おお!さっすがミリム!」
《……問。仲良くなれる訳ない、ではなかったのですか?》
ん?そんな過去のことは知らんな。
色々話してるうちに仲良くなれるなんて当たり前だろう。
ミリムについて色々情報を聞き出せたし、損ってことはないはずだ。
私の
反則だよな。
まあ、悪い奴ではないから悪用とかはしなさそうだけど。
シュナに服を選んでもらって、ミリムは嬉しそうだ。
そろそろ昼ご飯でもと思って二人で帰り道を歩いていると、前方に騒めきが。
……!リグルドが顔に怪我を!
そんな部位破壊されたみたいな感じになってもなぁ。
「リグルド!」
「は、ははは、なんのこれしき」
「オマエ……なにをしているのだ!」
「なっ、魔王ミリム!?」
私がリグルドの治療をしている間に、気が付けばミリムがリグルドを殴ったやつを殴っていた。
あちゃあ、やっちまったか。
まあ本気になったミリムは誰にも止められないんだけど……。
……うん、死んではない。
ベニマルより強そうなコイツを軽く一発で気絶させるなんて、ミリムはやっぱ桁違いに強いな。
あ、リムルが戻ってきた。
遅かったな……もう全部終わったよ……。
リムルに事情を説明し、ささっと治療をしてもらう。
ミリムに殴られた奴……フォビオは魔王カリオンの部下らしい。
どうやらこの街を支配下に入れるために来たとかなんとか……。
ミリムに殴られてブチ切れてるようにしか見えんのだが。
使者としてはあまりに短気すぎないか?
なんかコイツ自身が不穏だし、ちょっと後をつけるとするか。
隠蔽系の能力があればよかったんだが、生憎私はそんなもの覚えてない。
できることといえば鱗粉を吸わせて後をつけるくらいだ。
フォビオが去り、私はリムルに話しかける。
今度はちゃんと許可をとろう。
「リムル、ちょっと森に行ってくるぜ」
「ん?夕飯までには帰って来いよ」
「いやぁ、ちょっと無理かなぁ……」
「また森に籠るつもりか?だったらせめて定期的に思念伝達してくれよな」
「おう!」
私は再び森へと入った。
フォビオ以外にも気になってるものがあるし、この機会に探索するとしよう。
……ふむ。フォビオにしばらく動きはなさそうだな。
だったら気になっているものの方へ向かうとしよう。
私は赤いオーラが立ち上る場所へ降り立った。
カナート大山脈だったか?そんな感じの場所だ。
私はなんだか、これが気になって仕方がない。
赤いオーラを浴びてみる。
……なんだかいい気分だ。
悪いものっていうわけではないだろう?
《解。対象から毒反応は検出されませんでした。が、あまり吸いすぎるのはお勧めできません》
しかし、漏れ出ている赤いオーラが少ないな。
もっとあればいいのに。
地面に手をつくと、地下にこのオーラが張り巡らされているのが感じる。
これをどうにかして上に持ってこれないか?
むむむ……。
魔素をこう、なんか上に……。
《確認しました。個体名:シャガリ=テンペストはエクストラスキル「地脈操作」を獲得……成功しました》
おお?
それっぽいスキルが手に入ったぞ。
なんだか赤いオーラを操れるような、そんな気がする。
ほんの少しだが、吸える量が増えた気がするな。
この調子でガンガン行くぜ。
《告。エクストラスキル「地脈操作」の解析が終了しました。獲得したデータから新たにスキルを獲得。固有スキル「龍脈操作」を獲得しました》
情報者がなんかデータを纏めてくれた。
その結果、最適化されたのか知らないけどめっちゃ赤いオーラを吸えるようになった。
これは……いいな。
体の一部を魔鋼に変化させていたんだが、そこが赤黒く強靭になってゆく。
しかも……この部分には火があまり効かないぞ。
というか水も氷も雷もあんまり効かないな。
こんな感じのやつ、なんか聞いたことあるんだが、忘れた。
だが中々いいもんを見つけたぜ。
これを取り込んで、体を最適化してくれ、情報者。
《……了》
さて、フォビオにはなんか動きがあるかな?
お?フォビオに近づこうとしてる変な奴はいるな。
観察してみるか。