転生したら黒蝕竜だった件   作:転スラ好きのライズ民

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9:龍の力

私は意識を取り戻す。

どうやら布団に寝かされているようだ。

目を開けても見えるものはないが、鱗粉での感知が再開してゆくのを感じる。

……魔王ミリムッ!?

 

「ん?起きたか。安心しろ。ミリムとは親友になったからな」

「この短時間で一体何を……」

 

よく見ると、リムルと魔王ミリムは一緒に朝ごはんを食べているようだ。

平和そうでよかった。

普通に殺されてたかもしれないからな。

 

「うまーーーっ!」

 

こうしてみると、マジでただの子供にしか見えない。

これが、魔王……?

わざわざ魔王とかつける必要ないよな……。

ミリム、うんミリムでいいや。

食べてる間は話ができそうにもないので、ミリムが食べ終わるのを待つ。

私は鱗粉で侵蝕する形で食べることもできるが、普通にがっつくのも好きだ。

まあ、汚い食べ方だし公的な場ではやるなと言われてしまったが。

 

「お前、よく私のあのパンチを受けてほぼ無傷でいられたな。驚いたのだ」

「ああ、私は逆に攻撃を無効化できなかったことに驚いた」

「うーむ、やはりただの魔物の訳がないと思ったが、よく見るとお前はあの人に似てるのだ。強いのも当たり前だな」

「あの人?」

「名前は忘れたのだ。東方にずっと引きこもってて会ってないからな」

 

あの人、ね。

まあ、私には特に関係ない話だな。

自分に似ている人は世界に数人いるという話だし。

で、今日は何をするんだ?

と聞いたら、リムルにミリムの見張りを任された……。

回復薬の機材がーとか言ってたが、私の気持ちにもなってくれよ。

こんな子供っぽい魔王と仲良くなれるわけないだろ……。

なぁ情報者。

 

《……》

 

 

 

「へぇー、ミリムって竜魔人(ドラゴノイド)っていう種族なんだな!かっけー!」

「ふふん、そうだろう。シャガリは「竜人族」だったか?ならワタシがかっこいい名前をつけてやるのだ。「竜人族(デミオルドラ)」なんてどうだ?」

「おお!さっすがミリム!」

 

《……問。仲良くなれる訳ない、ではなかったのですか?》

 

ん?そんな過去のことは知らんな。

色々話してるうちに仲良くなれるなんて当たり前だろう。

ミリムについて色々情報を聞き出せたし、損ってことはないはずだ。

私の魔素(エネルギー)量を見破ったのは「竜眼(ミリムアイ)」というスキルだということも分かった。

反則だよな。

まあ、悪い奴ではないから悪用とかはしなさそうだけど。

シュナに服を選んでもらって、ミリムは嬉しそうだ。

そろそろ昼ご飯でもと思って二人で帰り道を歩いていると、前方に騒めきが。

……!リグルドが顔に怪我を!

そんな部位破壊されたみたいな感じになってもなぁ。

 

「リグルド!」

「は、ははは、なんのこれしき」

「オマエ……なにをしているのだ!」

「なっ、魔王ミリム!?」

 

私がリグルドの治療をしている間に、気が付けばミリムがリグルドを殴ったやつを殴っていた。

あちゃあ、やっちまったか。

まあ本気になったミリムは誰にも止められないんだけど……。

……うん、死んではない。

ベニマルより強そうなコイツを軽く一発で気絶させるなんて、ミリムはやっぱ桁違いに強いな。

あ、リムルが戻ってきた。

遅かったな……もう全部終わったよ……。

リムルに事情を説明し、ささっと治療をしてもらう。

 

ミリムに殴られた奴……フォビオは魔王カリオンの部下らしい。

どうやらこの街を支配下に入れるために来たとかなんとか……。

ミリムに殴られてブチ切れてるようにしか見えんのだが。

使者としてはあまりに短気すぎないか?

なんかコイツ自身が不穏だし、ちょっと後をつけるとするか。

隠蔽系の能力があればよかったんだが、生憎私はそんなもの覚えてない。

できることといえば鱗粉を吸わせて後をつけるくらいだ。

フォビオが去り、私はリムルに話しかける。

今度はちゃんと許可をとろう。

 

「リムル、ちょっと森に行ってくるぜ」

「ん?夕飯までには帰って来いよ」

「いやぁ、ちょっと無理かなぁ……」

「また森に籠るつもりか?だったらせめて定期的に思念伝達してくれよな」

「おう!」

 

私は再び森へと入った。

フォビオ以外にも気になってるものがあるし、この機会に探索するとしよう。

……ふむ。フォビオにしばらく動きはなさそうだな。

だったら気になっているものの方へ向かうとしよう。

 

私は赤いオーラが立ち上る場所へ降り立った。

カナート大山脈だったか?そんな感じの場所だ。

私はなんだか、これが気になって仕方がない。

赤いオーラを浴びてみる。

……なんだかいい気分だ。

悪いものっていうわけではないだろう?

 

《解。対象から毒反応は検出されませんでした。が、あまり吸いすぎるのはお勧めできません》

 

しかし、漏れ出ている赤いオーラが少ないな。

もっとあればいいのに。

地面に手をつくと、地下にこのオーラが張り巡らされているのが感じる。

これをどうにかして上に持ってこれないか?

むむむ……。

魔素をこう、なんか上に……。

 

《確認しました。個体名:シャガリ=テンペストはエクストラスキル「地脈操作」を獲得……成功しました》

 

おお?

それっぽいスキルが手に入ったぞ。

なんだか赤いオーラを操れるような、そんな気がする。

ほんの少しだが、吸える量が増えた気がするな。

この調子でガンガン行くぜ。

 

《告。エクストラスキル「地脈操作」の解析が終了しました。獲得したデータから新たにスキルを獲得。固有スキル「龍脈操作」を獲得しました》

 

情報者がなんかデータを纏めてくれた。

その結果、最適化されたのか知らないけどめっちゃ赤いオーラを吸えるようになった。

これは……いいな。

体の一部を魔鋼に変化させていたんだが、そこが赤黒く強靭になってゆく。

しかも……この部分には火があまり効かないぞ。

というか水も氷も雷もあんまり効かないな。

こんな感じのやつ、なんか聞いたことあるんだが、忘れた。

だが中々いいもんを見つけたぜ。

これを取り込んで、体を最適化してくれ、情報者。

 

《……了》

 

さて、フォビオにはなんか動きがあるかな?

お?フォビオに近づこうとしてる変な奴はいるな。

観察してみるか。

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