転生したら黒蝕竜だった件   作:転スラ好きのライズ民

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10:侵蝕する彗星

フォビオに近づく怪しい魔人だが、その滑稽な見た目に反してかなり強い。

私では勝てないかもしれない。

そっちは無視しようかな。

私は別の事をするべきだ。

龍脈を操るのは飽きたし、空気を吸って少量の赤いオーラを作ることができるようになったから、もう龍脈に来る必要はそんなにない。

そんなにないだけで必要ないわけではないぞ。

熱は籠るし効率は悪いし。

暇があったら行きたい。

まだまだ体の最適化が足りないみたいだな。

で、今はフウガやスズネみたいな眷属を作りたい気分だ。

ゴア・マガラが蟲魔族(インセクター)っぽいのか、蟲系の魔物と私は相性がいい。

今ならブナハブラやランゴスタと仲良くできそうだ。

ということで、私は今くそでかい蜘蛛の前にいる。

襲ってきたので軽くいなし、屈服させる。

こいつはどういうモンスターなんだ?甲虫種か?

 

《解。A-ランクの槍脚鎧蜘蛛(ナイトスパイダー)です。高い魔法耐性と硬い甲殻を持ち、見た目に似合わない俊敏性を備えています。弱点属性は「雷」です。甲虫種で間違いありません》

 

なるほどな。まあ甲虫種なら私の眷属としてちょうどよさそうだ。

だが、A-ランクか。

ということは私よりだいぶ弱いな。

もう少し改造をしなければ。

赤いオーラを分けてやる。

龍脈から発見されるオーラ、確か龍気とか言ったか。

龍属性を帯びるエネルギーだ。

最適化されたとはいえ、何故私が龍気を作れるんだろうな。

 

《告。アタリハンテイ力学です》

 

あ、はい。

何だよそれ……。

「解」じゃなかったし、答えてくれたわけではないんだろうな……。

たまにお茶目だよな、コイツ。

 

っと?ナイトスパイダーになんかいい感じに龍属性が定着してるぞ……?

というか、虫っぽいやつらは何故か龍属性との親和性が高いんだよな。

好都合だしいいけど。

結構いい感じだが、次は鱗粉を埋め込んで……私の細胞を埋め込んでやるか。

蜘蛛なんだし鉄蟲糸も追加で。

ブレスを吐く蜘蛛とかもかっこいいし邪毒吐息(エスピナスブレス)も追加。

ふふふ、弟子の成長ってやつは嬉しいもんだ。

さて、じゃあこいつに種族名をつけてやろう。

ついでに名付けもしてやるか。

 

「よし、お前の種族は今から蝕蜘蛛ネルセクト、そしてお前の名前はネーロだ」

 

そう言った瞬間、方向性が定まったのか変化が安定した。

ぐおっ!?

とんでもない量の魔素を持ってったぞこいつ。

まあリムルでもオーガだったベニマル達であれだけ魔素を消費したんだし、A-ランクに名付けしたらこうもなるか。

かなり禍々しい感じになったな。

 

『母ヨ……何なりとご命令ヲ……』

 

まあ別に、今までと同じように過ごしてくれればいい。

……リムルはああ言ってたけど、まあいいだろ。

人間は襲っても別にいいが、殺さないようにしろな。

遊ぶくらいにしといてやれ。

もし滅びても私が復活させてやるけど。

じゃあ私は別の場所に行くことにする。

必要になったら呼ぶよ。

 

『ハッ……』

 

再び私は龍脈へ向かい、体を最適化する。

瞑想しつつ、龍脈と同化するように意識するのもいいかもしれない。

深呼吸をして、私は目を閉じた。

 

 

 

『おい、シャガリ!無事か!?』

 

……?

あっ。

やば、連絡忘れてた。

結構意識を飛ばしてたような気がするが、かなり心配かけたんじゃないだろうか。

かなり口調が焦ってる気がするが、なんかあったのかな。

 

『あぁ、無事だぞ』

『そうか、良かった。ミリムも寂しがってたぞ。……って今はそれよりも緊急事態だ!』

『なんだ一体。ある程度この妖気(オーラ)から予想がつくが』

暴風大妖渦(カリュブディス)とかいうやべーやつが復活したらしい』

 

切迫してる様子だし、かなり緊急事態のようだ。

そのカリュブディスとやらは強いのか?

 

《解。暴風大妖渦(カリュブディス)、特A級、災厄級(カラミティ)に分類される魔物ですが、これは知能がないためであり、実力は魔王にも届くと推測されています》

 

うむ。とりあえずリムルよりかは弱いとはいえ私は死ににくいからな。

戦力にはなりえるだろう。

最適化した肉体を試すついでにカリュブディスと戦うか。

リムルと通信を切り、私は自分の内面を意識した。

……よし。

翼脚を展開。

爪の形がフォームチェンジし、先が赤く染まってゆく。

3、2、1……発射!

龍気をすさまじい勢いで噴射し、推進力を得る、そんな飛行手段。

たしか、天彗龍とやらがやっていた飛行法だったか。

私は恐らくまだそんな速度は出ないが、ここからリムルの場所まで行くなら楽勝だな。

ゴア・マガラと天彗龍の骨格がどうやら似ていたみたいで、再現は苦戦したものの不可能ではなかったと情報者は言っていた。

今の私は、ゴア・マガラ形態、天彗龍形態、混合形態の三つの形態に変化できる。

普段は混合形態なんだが、やはり鱗粉をばら撒くならゴア・マガラ形態の方がいいし、飛んだり龍気を操るなら天彗龍形態の方がいい。

いずれはズレ無くどちらも使えるようになりたいんだが、今回の最適化では限界だったらしい。

……よし、到着したな。

 

遠くから、めっちゃデカい奴が近づいてくるのが見える。

浮いているな。

その翼は浮くのに適していないような形状をしてるのに。

まあいいや。

襲い掛かってくるなら撃退するまでよ。

新たに獲得した能力も使いたいしな。

人型の混合形態に戻り、私はカリュブディスを睨んだ。

さ、狩りをしようか。

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