転生したら黒蝕竜だった件   作:転スラ好きのライズ民

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12:寝坊竜、人間の街へ

《告。魂、星幽体(アストラル・ボディー)精神体(スピリチュアル・ボディー)への重大な損傷を確認。修復プログラムを実行します》

《規定量の鱗粉(データ)を用いて魂を修復中――》

《成功しました》

《告。続いて、種族名:暴風大妖渦(カリュブディス)から得たデータの最適化を開始します》

《獲得スキル「重力操作」「眷属召喚」、付属して「魔力妨害」の解析が完了しました》

《さらに、鱗の使い方、怪光線のデータを取得……》

《属性を付与した鱗粉スキルを創造、統合して「情報鱗粉(オプティマイズスケイル)」を創造しました》

《告。傀異凶化状態(オートデストロイモード)のデータを取得したことにより、「凶化首飾(デストロイペンダント)」を創造可能となりました》

《告。個体名:ネーロからユニークスキル「影纏者(ヒソムモノ)」のデータを取得しました。解析を進めます》

《告。データが足りず、覚醒に支障をきたしています》

 

《案。ユニークスキル「大賢者」の名において、貴方を手助けします》

《了。感謝します》

 

 

 

 

 

 

……?

なんか、結構長い間寝てた気がする。

痛覚なんて結構前に無くしてるはずなのに、少し胸の奥が疼く。

それにしても、暗い、な。

情報感知が切れてるぞ。

電源を入れなおし、周囲の様子を観察する。

どうやら私はベッドに寝かされているようだ。

すぐ近くの机の上には、小さなスライムが。

てかこれリムルの分身か。

ひんやりしてて、なんかちょっと美味そうだな。

 

『母様!ご無事ですか!?』

 

リムルの分身を弄っていると、ドアが勢いよく開いてフウガ、あとスズネが入ってきた。

よくその体で開けられたな。

無事か、だと?

勿論元気だとも。

 

『それは重畳です。リムル様ならイングラシア王国に行くと言って行ってしまいましたよ』

『随分と眠ってましたねぇ。ミリム様も帰っちゃいましたよ?』

「何ィ!?」

『目を覚まされたようなので、一応連絡はしておきましたが……』

「こうしちゃいられない。私はリムルの所に行く」

 

ミリムが帰った!?

……まあ、それはいつか来ると思ってたし、うん、我慢しよう。

だがイングラシア王国だと?

リムルだけ面白そうなことをするなんて、許せん。

魂の繋がりを辿って、リムルがどこにいるかを見つけ出す。

……座標を特定した。

ちょうど鱗粉があるし、そこに転移する。

 

『まさか、病み上がりなのに行くんですかぁ?何日も眠ってましたけど……』

「安心しろ。私は元気いっぱいだ」

『いやいや、顔色悪いですってぇほんと。止めたほうがいいですよ?』

「じゃあなんか料理持ってこい」

 

私を引き留めたくば餌付けでもするんだな!

美味しい料理があればとどまってやらんこともない。

とか思ってたんだが、シオンが出てきた時点でなんか察した。

……そういえばリムルが食べることを拒否して逃げてたなー。

なんか、なんかやばそう。

一口食べてみる。

……むぐぉっ!?

 

「どうですか?おかゆです!美味しいでしょう?」

「ぶほっぶほっ。これはおかゆじゃないぞ!?これは劇薬って言うんだ覚えとけ」

 

美味しいでしょう?じゃないよ?

正座だ正座!

まあな、明らかにやばいオーラ出てたよな。

紫色は普通ありえんだろ。

マガドンデンだんごの例があるから口に含んでみたはいいが、これは流石にないだろ。

下手したら火事場力発動するわこんなん。

 

《告。対毒……失敗しました。「邪毒吐息(エスピナスブレス)」と同種の毒物と推定。解析します》

 

失敗!?

あの情報者が失敗するとかどんだけやべーんだよ。

げどく草はないのか。ないな。

正座させていたシオンを立たせる。

さて、料理も食べたし行くとするか。

はやくここから逃げたい。

次帰ってくるまでには上手くなっていろよ、シオン!

てことで転移……はすると人目に付きそうだからちょっと離れたところに転移。

ちなみにこの「鱗粉転移」だが、同量の鱗粉使うから決して乱用はできない。

だが!今回はリムルが私を置いていったからな。

今回は遠慮せずどばっと使ってやろう。

 

クソデカい都市の近くに転移してきた。

この都市の中にリムルはいるっぽいな。

列に並ばないといけないっぽくて、吹っ飛ばしてやろうかとも思ったがやめる。

あ、そうだ。

「魔物のシャガリ」だとバレないよう髪色を変えておく。

銀髪だ。いいだろう。

 

は?身分証明書?

いやー、ちょっと無いっすねぇ。

門前に来たはいいが、身分証明書とやらが必要そうで諦める。

ブルムンドだったがガランゴルムだったかの国で冒険者登録とかできたって連絡あったらしいし、そこ行くか。

鱗粉転移っと。

堂々と中に入り、冒険者ギルドとやらを目指す。

ハンターズギルドみたいなもんかな。

おっじゃまっしまーす。

入った瞬間、オッサンどもの視線が私に刺さる。

まあ、見た感じ十歳かそこらもいってないような小娘が出てきたら驚くわな。

誰が驚こうが知ったことではないが。

 

「冒険者登録をしたい」

「……え?お嬢さんがですか?」

「勿論だ。んで、この中で一番早そうなのは討伐部門か。受けよう」

「ちょ、ちょっと待ってください。流石にお嬢さんは……」

「リムルという冒険者が来なかったか?」

「英雄に憧れるのは……って、リムルさんの関係者ですか?」

「私はリムルの妹で、シャリーという」

 

ふふふ。こういう時のために銀にしておいたのだよ。

これで私はリムルの妹のシャリーという地位を得た。

シャガリをちょっと弄ってシャリーだ。

前世、どこかの街シャーリーというお姉さんがいたとか聞いたことあるので、そこからも取ってる。

ということで試験を受けよう。

試験官はジーギスとかいうおっさんだ。

リムルに手痛い敗北を喰らったみたいで、油断のない目をしている。

 

「リムルさんの妹さんですかい、随分と洗練された立ち姿ですねぇ」

「だろう?長年、とはいっても十年くらいだが、経験は積んでいるのだよ」

「いくら妹さんだからといって、手加減はできませんよ」

「どんとこい!」

 

ハンターとしての勘を、ここいらで蘇らせておくのがいいかもな。

深呼吸をして、双剣を構える。

今では剣というより爪みたいな形だけどな。

コイツの名は、黒双之刻爪(クロウofリッパー)

ちなみに黒双之刻爪はかっこいいから私がそう呼んでるだけだ。

とりあえず強いことは確か。

それじゃあ始めるか。

ジーギスはまず犬を出してきた。

それを軽く一閃。

ふむ、弱いな。

ジーギスはそうなることを見越していたのか、冷静に私の事を見ている。

次はゴブタに似た変な魔物。

ちょっとムカついたのでサクッと一閃。

おや?少し動揺が見えるか。

次はジャイアントバットを出すとか言っているので、飛び級を提案する。

ジーギスはちょっと疲れ気味だ。

さっさと休ませないとな。

そう言うと、そう来ると思ってたみたいな顔をされた。

そしてジーギスは床に魔法陣を描き始める。

これは……召喚?

 

《解。悪魔召喚魔法陣。習得に成功しました》

 

へぇ、気が向いたら召喚して魔法を教えてもらうのもいいかもな。

っと、今はコイツか。

下位悪魔(レッサーデーモン)。物理攻撃の効かない精神生命体だが、どう攻略しよう。

ま、順当に魔法でやるかね。

攻撃を避けつつ、不自然にならないよう詠唱をする。

 

氷よ凍れ、吹雪け、吹き荒べ、集いて廻れ、暴威を撒き散らせ。

我が敵を凍死せしめよ、一欠片の一片すら残さず。

塵となるまで破壊し尽くせ。

 

なんか、どっかでこれの炎バージョンみたいな詠唱聞いたことあったからアレンジしてみる。

どんな魔法だったのかは知らないけどな。

あそこにいたら巻き込まれてたし。

 

氷結地獄(コキュートス)!」

 

元素魔法とやらの最上位に位置するなんかすごいやつ。

それがこの氷結地獄(コキュートス)

別に詠唱とか無くてもできはするけどね。

 

「……流石、リムルさんの妹だ。御見それしたよ」

「ふっふっふ。もっと褒めてもいいんだぞ」

「あ、はい……」

 

これで晴れて私もBランク。

冒険者カードを眺めていると、後ろから誰か来た。

なんか、リムルからの報告にあったおっかないおっさんだな。

私が龍脈で迷走、ゴホンッ!瞑想してるころに来たとか。

そういえばカリュブディスと戦った時にもいたね。

小声で、シャガリ殿ならギルマス権限でBランクにできたのにと怒られた。

すまなかったな。何分戦いたかったもので。

……そういえば、全然ハンターの勘取り戻してない。

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