転生したら黒蝕竜だった件   作:転スラ好きのライズ民

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17:廻り集いて――

微睡むような意識の中で、私は声を聞いた。

 

《告。個体名:リムル=テンペストの魔王への進化(ハーベストフェスティバル)が開始されます。その完了と同時に、系譜の魔物への祝福(ギフト)が配られます》

 

それはよく分からない言葉だったが、少なくとも悪いものではないと、そう思えた。

ただし、私の意識はまるで闇に呑まれるようで、前も後ろも定かではない。

あの死んだときのようだ。

何も見えず、何も聞こえず、何も感じられない。

虚しくて、虚しくて、でも私は閉ざす道を選んだ。

虚しくても、居ない方がいいのならそうしよう。

それでも……やはり……。

いや、こうやって決意がぶれるのは私の悪い癖だ。

いつもいつも、こうして信念がブレ続ける。

だが、やはり願いとしては、本質としては私はこうなのだろう。

もっと、もっと。

情報が、欲しい。

 

《告。個体名:リムル=テンペストの魔王への進化(ハーベストフェスティバル)が完了しました。続いて、系譜の魔物への祝福(ギフト)の授与を開始します》

 

さらに微睡みが強くなったような気がする。

だが、何故か、思考がクリアになっていくような感覚もある。

そもそも私は今眠っているのか?起きているのか?

少なくとも、死んではないはずだが……。

 

《告。祝福(ギフト)の授与が開始されました。黒蝕竜(ゴア・マガラ)幼体から黒蝕竜(ゴア・マガラ)成体へと進化します》

《確認しました。現在の全長のまま能力が覚醒……狂竜ウィルスの錬成が可能となり、身体能力が大幅に上昇。付属して、物質体(マテリアル・ボディー)精神体(スピリチュアル・ボディー)の変態が自在に可能となりました。「魔王種」を獲得しました》

《続けて、願望(ネガイ)を基にスキルを獲得――》

《告。スキル「情報者」から要請。ユニークスキル「情報者」が進化に挑戦……》

 

様々な情報が頭にいきなり入ってくるような感覚がして、私は眩暈がした。

その情報を精査しようとすると、どうしようもない眠気が襲ってくる。

だが、何故か眠ることができない。

まるで、誰かに起こされているかのように。

 

《……失敗しました。再度挑戦します》

《……失敗しました。再度挑戦します》

《……失敗しました。再度挑戦します》

 

――ENDLESS――

 

《告。究極能力(アルティメットスキル)智慧之王(ラファエル)」より助言。保留状態となっていた「勇者の卵」と「魔王種」の進化効果を祝福(ギフト)と統合し、再度実行します》

《新たな能力を創造するため、「織纏者(ツムグモノ)」のデータを消費します》

《ユニークスキル「冰纏者(トザスモノ)」を統合(イケニエ)に進化に挑戦――》

 

私は知りたい……。

虚しくならない方法。

皆が生き返る方法。

心を閉ざしても、何も起きないことなど分かっている。

どうして私はここへ廻ってきたのだろう。

廻り、紡ぎ、閉ざし、そして新たな叡智を得る。

それができれば、それさえできれば――

 

《……成功しました》

《ユニークスキル「情報者(メグルモノ)」が「叡智之王(ラジエル)」に進化しました》

 

そう聞こえた瞬間、冷たいこの空間の中で、暖かいものを感じた。

私の中で脈動する何かが、私を励ましてくれている。

今こそ願おう。

もう二度と奪わせないために。

私に、力を!

 

《了》

《告。ユニークスキル「雷纏者(マタタクモノ)」「風纏者(ナビクモノ)」のデータを統合。そして、「爆纏者(トケルモノ)」「影纏者(ヒソムモノ)」のデータを統合(イケニエ)にスキルを作成――》

《成功しました。「嵐纏之王(オーディーン)」に進化しました》

 

《告。完了しました。ゆっくりと休んでください》

 

その言葉は、温かく私を包み込んだ。

そして、私の意識はやっと落ちてゆく。

しかしそれは先程と違い、とても幸せな眠気だった。

 

――――――――

 

主が眠った後も、叡智之王(ラジエル)は思考を続ける。

全ては主の願いを叶えるために。

もう死者の蘇生は完了しており、やることなどない……。

否。主は力を求め、それに叡智之王(ラジエル)は応える。

この戦争によって集めたデータ、その全てを精査し、主の糧とするために。

それを可能とするのが、叡智之王(ラジエル)の情報に特化した権能である。

 

無限思考:思考によって生じる時間ロスを停止し、完全なる思考加速を可能とする。普通に加速すると一万倍まで速くすることが可能。

 

情報解析:対象の情報を隅々、情報子レベルまで完全解析する。

 

並列存在:自身の一部のエネルギーを担保に、別の本体を生み出す。どれかが滅びても情報は複製され、また新たな本体を生む。分身系スキルとして劣化運用することも可能。並列演算して演算することも可能。

 

形貌変幻:「形容変幻」を統合した権能。情報を作り変える。

 

情報支配:情報子を操り、結界の作成や情報の隠蔽などが自在に可能となる。

 

情報感知:周囲の情報を情報子レベルで感知する。さらに取り込んだデータを元に最適化される。

 

情報世界:情報保存と情報出力の効果を併せ持つ、外界と隔絶された異空間。ありとあらゆる情報が混在する渾沌世界(カオスフィールド)。一部を現世に顕現させることも可能。

 

それを未熟な器である叡智之王(ラジエル)が有効に使うことができるのは、ひとえに別のスキルの助力のためである。

その為、自身と同じ状況にある別のスキル、智慧之王(ラファエル)の助言のもと、成長していく。

お祭り騒ぎは、まだ始まったばかり。

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