転生したら黒蝕竜だった件   作:転スラ好きのライズ民

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18:三つの暴風

……おや。

ぽかぽかとした暖気を感じ、私は伸びをする。

どうやら、私はぐっすりと眠っていたようだ。

体の中に力が満ち溢れるのを感じる。

溢れてこぼれてしまいそうなほどに。

人の姿に変化し、リムルの気配がする方へ歩いていく。

どうやら庵で寝ていたようで、畳のいい匂いがするな。

歩きながら周りを見渡すと、倒れ伏していた町の住民が元気に走り回っているのがわかる。

どうやら、リムルはしっかり全員救ってくれたようだ。

私の気持ちは晴れやかだし、それは間違いないな。

氷もいつの間にか融けてるし。

……む?

封印の洞窟方面にリムルの気配がしたため向かっていたのだが、懐かしい気配が現れた。

これは、ヴェルドラ、か?

ガビルが洞窟前に陣取っているので、通してくれるよう頼む。

 

「リムル様から誰も通すなと……」

「いいじゃんか。私は臆病だから死にゃしないよ」

「で、ですが……」

「ふー、じゃあこれでお前は何も見なかったってことでいいな?」

「……ッ!はい!」

 

どうやらリムルが誰も通すなと言っていたみたいだが、私は問題ない。

なんとなく隠れられそうだと思ったからだ。

実際試してみると、びっくりするくらい私の気配が希薄になる。

その状態でガビルに話しかけ、何も見なかったということにしてもらう。

というか、なんか背、伸びたか?

ガビルはもっと背が高かったと思うんだが、なんか目線が近くなったんだよな。

まあ、まだまだガビルの方がでかいが。

最初のリムルくらいにはなったんじゃなかろうか。

 

私はそのまま洞窟の中を奥まで進む。

そこには、リムルと一人の美丈夫がいた。

というかあれ、ヴェルドラだな。

妖気(オーラ)がダダ漏れだが、あれは大丈夫なんだろうか。

私はリムルに声をかける。

すると、気が付いていなかったのかすごい驚かれた。

ふむ。やはり私の隠密能力は高いっぽいな。

これはあれか?冰纏者(トザスモノ)か?

 

《否。究極能力(アルティメットスキル)叡智之王(ラジエル)」の効果です。いい加減気づいて下さい》

 

うぉっ!?

情報者、ではないな。

なんかスキルが色々無くなって、新しいのが増えてる。

情報者、お前進化したのか?

 

《是。「冰纏者(トザスモノ)」と「織纏者(ツムグモノ)」を消費して進化しました。が、権能は最適化して統合してあります》

 

なんか、流暢に喋るようになったなぁ。

リムルにも聞いたが、同様のスキルが進化したと聞いた。

というか、アルティメットなスキルが四個!?

やっぱこいつおかしいよ。

私でも二個しか持ってないっぽいのに。

情報者改め叡智之王(ラジエル)と、嵐纏之王(オーディーン)というスキルだな。

どんなことができるのか確かめられたらいいんだが。

 

《解。権能の一つ「情報世界」を展開することによって実験が可能です。情報によって再現されている状態なので、死亡もありません》

 

そんないい感じの能力ができるようになったんだな。

早速展開し、リムルとヴェルドラと中に入る。

そこで好きなだけ実験してくれ。

ヴェルドラみたいにオーラをダバダバ出しても壊れることがないからな。

リムルは暴風之王(ヴェルドラ)というスキルの「暴風系魔法」を試していた。

なんか凄まじい衝撃と破壊が巻き起こるが、それは情報へと還元されて被害は0だ。

今のは私が小規模な国家を再現したんだが……やばいな威力。

リムルも顔が引きつってる。

というか、ヴェルドラが暴風を元々使えて、リムルが暴風のスキルを獲得し、私も嵐纏之王(オーディーン)というスキルがあるからお揃いなのか。

そう考えると嬉しい限りだ。

さて、じゃあこの嵐纏之王(オーディーン)の能力を教えてくれ。

叡智之王(ラジエル)に命じると、すらすらと説明してくれた。

その能力は、「嵐纏」「物質錬金」「万象加速」「意志具現」「盟約之支配(ファミリアドミニオン)」の五つ。

嵐纏は、風纏とか高速移動とかを統合した感じらしい。

要するに発動すると強くなる。

鬼火を纏ったり、粉塵を纏ったりもできる。

後は普通に攻撃にも転用できるぞ。

嵐をそのまま投げつけることも可能だが、電気だけでバリバリってできる。

かっこいいぞこれ。

で、物質錬金はなんか鱗粉を使った創造がスムーズになった。

他にもなんかありそうだが、まあまた後日試せばいい。

次は万象加速。これはやばい。

バフのようなものとして使えるが、攻撃にも転用できるんだ。

対象を加速させなんかこう壊すみたいな。

後は自分にもかけられるが、暴走させてこれやると死ななくなる気がする。

より正確に言えば、生命力を生贄にしてどれだけダメージを喰らってもその生贄分しか減らないみたいな感じ。

しかもこれを適切に使えば疲れなくなるし、攻撃能力も底上げされる。

そうだな、「狂戦士化」、いや別に狂戦士になるわけじゃないし、狂ったバフで「狂化」だな。

で普通に使うのは「奮闘」辺りがいいだろう。

狂化奮闘、いい響きだ。

猛き炎、伝説のハンターも似たようなもの使ってたとか聞いたことあるが、どうなんだろうな?

さて、その次は意志具現か。

双剣辺りを楽に作れるようになったというか。

なんか意志の力、アルティメットなパワーがある気がする。

意志を込めれば込めるほど、リムルの「絶対防御」とかいうやつが軋んでいたからな。

後はなんか距離とか無視して結構命中する。

絶対命中とでも名付けようか。

これはあれか!?アタリハンテイ力学なのか!?

まあ便利なことには変わりないな。

……そして、最後のこの、なんだこれ。

リムルの食物連鎖的な権能があるんだが、翔蟲支配とか魔蟲統合とかその辺が統合されたのかな?

ベニマルの獲得したらしいユニークスキル「大元帥(スベルモノ)」の「意志統制」とも似てるかもしれない。

似てるなら名前は食物連鎖で良かったんじゃないかとイマイチ要領を得ないが、強力なことに変わりはない。

 

ふと顔を上げると、ヴェルドラは完全に妖気(オーラ)を抑えられるようになったらしい。

私はそれを確認すると「情報世界」を収納する。

じゃあ、皆にヴェルドラが復活したことを報告しに行こうか。

……いやぁ、それにしても私ってやっぱ強くなったんだなぁ。

これはもうリムルより強いんじゃないか!?

って、それはないな。

放出系の技を得意としてる私じゃ圧倒的に相性が悪い。

鱗粉を全部食われて終わりだ。

まあ、リムル以外には負けはしないだろ。

なんとなく右頬を軽く触ってから、私は洞窟の出口に向かって歩を進めた。

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