転生したら黒蝕竜だった件   作:転スラ好きのライズ民

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22:力の探求、再び異界へ

魔王達の宴(ワルプルギス)が終わり、美味しいご飯を食べて私は帰ってきた。

気が付けばすっかり夜明けだな。

朝帰りなんてハンターをしてると珍しいことでもないけど。

夜通しモンスターと戦うのも無いって訳じゃないしな。

とりあえず街へと向かうと、なんか皆が平服してる。

いつ練習したんだよ、これ。

ディアブロという、いつ仲間になったのか分からないけどリムルを崇拝してる奴が近寄ってきた。

どうやらこいつが主犯らしい。

それにしても、ディアブロ、こいつなんかメッチャ強そうだぞ。

師匠と似た感じの雰囲気を感じる。

高位の悪魔のような気がするぞ。

ま、リムル好きに悪い奴はいないからこいつも悪い奴ではないんだろう。

 

リムルが皆に囲まれてるけど、私はささっとその輪から抜け出して森へ向かった。

ちゃんとリムルには連絡はいれてあるぞ。

フウガとスズネを連れ、樹人族(トレント)の集落へと向かった。

そして魔王達の宴(ワルプルギス)で何があったかをネーロ達に報告。

次は皆の最近の情報を共有することに。

まずフウガとスズネだが、翔蟲はもう種族として確立できるほどに個体数を増やしたらしい。

今はネーロ麾下の奴らに使わせ、感触を確かめているとか。

ネーロはこの中で一番働いてるといっても過言じゃない。

眷属を作って森の秩序を正したり、強力な領域守護者(エリアボス)をスカウトして自分の配下に加えたり。

我々の蟲ファミリーはネーロの働きがあってこそだろう。

ちなみにそれらの蟲の能力は盟約之支配(ファミリアドミニオン)によって私に還元されてる。

日に日に魔素(エネルギー)量が増えてる気がしてるのはそれだろうな。

これをスズネが指揮を執って運用するとなると、小国くらいなら楽に滅ぼせそうだ。

ロッサが増やした粘菌も、使いこなせると判断されたモンスターに渡してることもあって数を増やしてるらしい。

後はビアンカだが、人間の国家に潜入してもらっている。

ここにもよく顔を見せるし連絡もくれるんだが、忙しそうにしてるな。

シャリーの身分はほぼビアンカにやったようなもんだ。

私の思考をトレースして、そこそこ腕の立つ冒険者として人間側から情報を仕入れてくれている。

そのおかげで、どこにどんなモンスターが存在してるのか調べたりだとか、強い奴の技術を盗んだりだとか、そんな感じで役に立ってくれている。

この盟約之支配(ファミリアドミニオン)の最近気づいたやばい所は、味方の習得した技術(アーツ)まで習得できるところだ。

どう動けばいいか分かるみたいな感じでな。

まあ完璧に使いこなそうとすれば叡智之王(ラジエル)の助けを必要とするが。

さて、私がここに来たのは能力の確認もあるがそれだけじゃない。

情報世界を起動し、過去の事象を再現させる。

あそこはもう閉じてしまっていたが、今の私なら再現することが可能だ。

 

「開け!異界門!」

 

私がそう唱えると、空間が縦に裂けてゆく。

オベーラさんと出会ったあの異界、あそこにもう一度行けたなら……。

それを可能とするのが、情報化したものを再現する情報世界の権能。

維持するのに大量の魔素(エネルギー)を使うのが欠点だが、実はそれはそんなに問題ではない。

私は常に配下から盟約之支配(ファミリアドミニオン)によって魔素(エネルギー)を徴収したり、日に日に増えてる魔素(エネルギー)量だったりでそんなに消耗を気にしなくてもいいんだ。

流石に大規模なものを具現化すると相応の量が減るが、普段は情報世界は魂の中でやってるから大規模なものをやる理由がない。

ちなみにいちおうリムルよりも魔素(エネルギー)量だけは多い。

だが、リムルにはヴェルドラという最強の保険がいるからな。

さて、それじゃあ設置も完了したし入るとするか。

 

異界に足を踏み入れると、やはり重力がないので浮遊感を感じる。

翼があるから問題はないが、今まで地面があったのにいきなり無くなるとびっくりする。

ちょっと震えたぞ。

足を動かすのはそんなに進まないので、翼で羽ばたいて異界の中を進む。

前は凄まじい脅威に見えた魔物も、今は多少強そうで狩れるで狩れるんだから私も成長したなぁとしみじみ思う。

今の私でも負けるだろうなっていう奴はまだいそうだが。

オベーラさんとか、師匠とか。

技術から違うから絶対勝てないよ。

今の所私は力に頼ったゴリ押しが目立つから、今度ディアブロ辺りに稽古つけてもらうのもいいかもな。

ハクロウ?

リムルもハクロウの弟子だし、それは負けた気がして嫌だ。

別の師匠でリムルを超えてこそだ。

ということで、どこかにオベーラさんはいないかな?

牙竜種のような魔物を蹴散らしつつ、周囲を見渡す。

ていうかこの無限湧きしてくるモンスターは何なんだ。

 

《解。幻獣族(クリプテッド)という半精神生命体です。基本的に闘争本能でしか動くことはなく、稀に多少知性のある統括個体が生まれます》

 

ふむ、つまりは統括個体とやらに気を付ければまず私が負けることはなさそうだ。

それにしても、多少こいつらに親しみのようなものを感じるのは何でだろうか。

前世に人間に感じていたのと似たような、同族のような。

別に殺すことに抵抗はないが、明らかに他の魔物と違って同族っぽさを感じる。

 

《解。蟲魔族(インセクター)幻獣族(クリプテッド)から派生した種族のため、その要素が構造上存在する肉体では「同族」という認識に近いです》

 

……とのことだ。

私は蟲型魔獣(インセクト)と呼ばれたこともあるし、扱い的には蟲魔族(インセクター)になるっぽい。

蟲魔族(インセクター)の力を宿した龍の幼体の体を竜人族(デミオルドラ)にした姿が今の私だということだろう。

最近自分が黒蝕竜(ゴア・マガラ)であることを忘れかけるな。

ここいらで一回それっぽいことをしてみよう。

翼脚から鱗粉をばら撒く。

黒蝕竜(ゴア・マガラ)としては成熟したことで、今までできなかった「狂竜ウイルス」を撒くことができるようになった。

近くの幻獣族(クリプテッド)に降りかかるが、特に変化はない。

……ふむ。まあ発症するのに時間はかかるか。

次はそれに闇纏者(ムシバムモノ)の権能を付与してみる。

すると、幻獣族(クリプテッド)が倒れ伏した。

いや、地面がないからその表現は違うか。

意識を失い、動く気配がない。

しかし、黒いオーラを上げて起き上がった。

目が赤黒く光っているのを見るに、どうやら発症したらしいな。

無謀にも私に襲い掛かってきたので、軽く返り討ちにする。

ふむふむ。発症させたはいいが支配はできないようだ。

使い勝手はお世辞にもいいとは言いづらい。

普通に嵐纏之王(オーディーン)の権能を付与した黒蝕之鱗粉演舞(シュヴァルツマーチダンス)を撃つ方が確実だろう。

爆発するし、威力高いし。

後は普通に究極能力(アルティメットスキル)の上乗せという行為が強すぎるんだよな。

ふははは、解析系の究極能力(アルティメットスキル)と攻撃系の究極能力(アルティメットスキル)を同時に持ってる私、すごくないか?

……リムルは解析系、相手の力も取り込める攻撃系、法則の支配もできる防御系、絆の力の特殊系と中々やばい性能してるんだけど。

私だって絆のスキル欲しいぞ!

黒蝕之王(シャガリ)、みたいなさ。

スキルにしてどうするんだよって感じではあるけど。

絆、絆ねぇ。

今度ミリムかラミリスに頼みに行くか。

……ミリムは忙しそうだしラミリスにしよう。

どうせなら仲のいい奴と絆を組みたいよな。

"魂の回廊"とやらがどうやって作られるのかは分からないが。

 

《解。主に「名付け」によって"魂の系譜"という括りに含まれます。さらに、そこから魂による結びつきを強固にすることによって"魂の回廊"が構築されます。既に個体名:ヴェルドラ=テンペストと個体名:リムル=テンペストとは構築済みです》

 

構築してるのに私はスキル獲得してない訳ね?

いや、悲し。

いいもん、私一人でも強いし。

ただ、なんとなく目の前の幻獣族(クリプテッド)共を虐殺したくなってきた。

腹いせとかじゃないぞ!

私はそのまま奥へと進んでいく。

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