転生したら黒蝕竜だった件 作:転スラ好きのライズ民
リムル~っとぉ!?
なんかデカい腕に包まれてた!?
近くで変な爺共が喚いてる。
リムルは……あ、いた。
なんかめっちゃ驚いた顔してるが、そんな驚くことか?
ちょっと散歩してきただけじゃん。
あれ?もしかしなくてもこの腕っていたら不味いやつ?
「
あれ?ルミナスもいるじゃん。
なんか「やべっ……」って顔してるけどどうしたんだろうか。
《解。この腕に包まれたまま放置すると……死にます》
何ィ!?
それはまずい。
魔素で破壊……なんか特殊な物質が使われてて無理だなこれ。
じゃあ仕方ないし禁呪使うか。
仕方ない、仕方ないな。
死ぬわけにはいかないんだもの。
虚無を顕現させ、無理矢理この変な物質……霊子をかき消す。
要するに虚無で力任せに破壊する感じだ。
ふんっ!
「えぇ……」
おや?破壊したらまずかったか?
もしかしてこの爺共を殺そうとしてたとか?
だったら悪いことをした。
とりあえず拘束しとくから勘弁してくれ。
殺すのなら有効活用したいし、譲ってくれないかな?
「まさか、あれを生き延びるとは……」
「お前、消えたと思ったら凄まじい所に出てきたな……」
よく分かんないけど呆れられてるぞ。
今回は別に広範囲に虚無を撒き散らしたという訳でもないんだけど。
おや?爺共が私に対してなんか言ってくるぞ。
助けてくれたのかとか言ってるが、そんな訳ないだろうが。
お前たちには私の情報世界で死ぬよりも辛い苦しみを味わうことになるだろうな。
そう伝えると、震えあがって這ってでも逃げようとしている。
ま、もう置いとく意味はないだろう。
トプンッと情報侵蝕の波に呑まれ、情報世界に転送されていった。
その後ルミナスたちから事情を聞いたのだが、ヒナタが殺されそうになったとか。
それを行なったのがあの爺共……七曜の老師達らしい。
それにしても大した能力を持ってないな。
偶然来たヴェルドラがルミナスの正体を軽々しくバラすというハプニングがあったものの、概ね聖騎士達との和解はすんだようだ。
私はその間異界で暴れてただけなんだけどね。
リムルがなんともいえない笑顔でこっちを見てきたので、ヴェルドラの後ろに隠れる。
はっはっは!既にルミナスによってボコボコにされてるヴェルドラに二重苦は与えられまい!
「ん?主も妾の技を喰らいたいのか?」
「すみませんさよなら」
あぶねぇあぶねぇ。
ヴェルドラでもきつそうにしてる技を私が喰らったらどうなるか分からん。
ほら、宴の準備も進んでるっぽいし、さっさと行こうぜ。
そう言ってうやむやにして私は危機から逃れた。
去り際、ヴェルドラに若干の「痛覚軽減」を付与しておいたのでなんとか耐えてほしい。
まあ今回はヴェルドラが悪いし、灸をすえてもらうとしよう。
私?いやぁ何のことか分からないなぁ。
まずは皆で風呂に入ることになった。
私も久しぶりに入るか。
リムルは毎日入ってるんだが、私は自分で
大体魔法でキレイにしてるし、そもそも私の体が鱗粉の集合体なのもあって洗う必要がない。
まあ気持ち的に入った方がいいのはその通りだが。
異界で散々血にまみれてるから入ったほうがいいかもな。
ヒナタから「鉄臭い」と言われてしまったし。
リムルに女湯を案内してもらう。
恥ずかしながら私、内部構造把握してないんだよね。
「なんで貴方が女湯に案内するのかしら」
「そりゃ、各種効能の説明も必要だろう」
なんか喧嘩してるが、どうしたんだろう。
あ、そういえばリムルは前世男だったな。
別にそんなに気にすることでもないだろうに。
わざわざ男と女で湯を分ける意味が私には分からん。
混浴もあるから私は別にそっちでもいいぞ。
皆と話したいから女湯に行くけど、リムルも皆と話したいんじゃないか?
会話くらい許してやれよ。
「貴方……いつの時代の人……?」
「いつの時代って……そんなの記録するもんなのか?」
「えっ。まさか古代……」
「そんな訳ないだろう」
「ヒナタ、シャガリはモンハンから来たんだ。現代社会じゃないぞ」
「えぇ……そんなことあるのね……」
揉めたっぽいけど、リムルは結局入らないみたいだ。
寂しいなぁ。どうせなら一緒がいいぞ。
ヒナタに「常識を学んだ方がいいわ」と言われたが、私別に変なことを言ってるつもりはない。
この街の住人と同じような考えだと思うが。
リムルもよくシオン達と入ってるらしいし。
「は?次目を合わせたら粛清しないと……」
後ろでヒナタが小さく呟いたが、私はまた進化してる風呂に大興奮だ。
前はこんなにデカくなかったぞ。
温泉を見ると、ジェイ先輩と温泉卵を共に食べた時を思い出すなぁ。
引き締まった筋肉は見習うべきものがあった。
そんなことを考えながら湯につかる。
私も鍛えてはいるんだが、既に完成されているのかこの体から成長しないんだよな。
で、ルミナスよ。
人の体を魔力感知でガン見するのは止めてもらえるか。
そんなに私の事を警戒しなくても大丈夫だって。
話せば誰とでも仲良くなれるもんだぞ。
ヒナタとももう打ち解けたんだからな私は。
「すごいわね。本当にここから羽が生えてくるのね」
「鱗粉は危険だから吸うなよ?」
まさかルミナスも私の翼脚を見たいとか?
だったら別にいくらでも見せてやるが。
筋肉そんなにないから美しい訳でもないぞ。
温泉に入った後は食事だ。
最近食べてなかったし、そろそろ食べたくなってきた頃だったんだよな。
皆で乾杯した後、私は海鮮を貪る。
くぁーっ!たまんないね!
エビフライとかいう名前のこれ、サクサクぷりぷりで超うまい。
箸を使うのは苦手なので手づかみになってしまうのだが。
リムルに「赤ちゃんかよ……」と言われてしまった。
ルミナスは食べ方が綺麗なのに、私は微妙らしい。
ま、翼脚出して四本腕で食べてる時点で食べ方もクソもないが。
スプーン、フォーク、そして素手。
これが私の完全装備。
四本腕が使えるからこそできる芸当だ。
……む?リムルがルミナスに何か教わっているぞ?
どうやら酒に酔うために耐性を弱めているとかなんとか。
なんだそれずるい。
《告。あまりお勧めはしません》
だったらちょうどいいとこで耐性を元に戻してくれればいいからさ。
ということで、人生、いや竜生、いや両方の生で初めての酒だ。
あ、そういえば隠れて一口飲んだことあったっけ。
その辺の記憶が曖昧だから覚えてないけど。
「お?シャガリもやるか?」
「おう!酌頼むぜ!」
「ほう?飲み明かすとしようぞ」
「クハハハハ!愉快愉快!」
さあ、今夜は飲むぞー!
飲み明かすぞーっと。
それじゃあ瓶ごとぐいっと飲んでみる。
何、
――グワンッ――
気が付けば、なんか次の日になってた。
辺りはぐっちゃぐちゃに散らかってる。
うーむ、解せぬ。