転生したら黒蝕竜だった件 作:転スラ好きのライズ民
ついに迷宮がお披露目されることになった。
……その前の闘技大会はデータを収集するだけのお遊びみたいなものだったので、特に語ることはない。
ただ、迷宮はまた違うコンセプトで生きた人間、それも普通の冒険者の情報を手にいれられるのはデカい。
わざわざ私の迷宮に放り込まなくてもデータは同期されてるし。
私はもがき苦しむ冒険者の姿を見て嗤うとしよう。
ヴェルドラから勧められた
こういうのをラスボスムーブというらしいな。
さて、迷宮に挑戦するのは……バッソンとかいうハゲとそのパーティ、ガイとかいう偉そうな剣士、エレン達、で勇者マサユキ。
バッソンとそのパーティ、そしてガイは判断材料としてまあまあ適切だろう。
若干迷宮を凶悪にしすぎた感じもするし、一般的な冒険者で学ぶのは当然だろうな。
そいつらは、ラミリスが出現させた闘技場の中央の扉に入っていく。
さて、どうなることやら。
うーむ。バッソン達はグダグダだな。
落とし穴がバレたら怒られたし。
これは、まあ後で撤去しなきゃな。
後は意外と魔物に苦戦するっぽい。
これは迷宮を調整しないとやばそうだ。
だが、それに反してガイとやらはやばいぞ。
落とし穴にははまらないし、銀色の宝箱ばっかり当ててるし。
なんか黒いオーラも漂ってるし……ん?
黒いオーラ?
龍気、ではないな。
目は血走ってるし、正気ではないのは確か。
《……告。現象の一部解析に成功しました。読心系の能力により調整しています》
ふむ?もう一度見ると、ガイの周囲にまあまあな量のオーラ的な何かがあるのが分かった。
そのオーラは黒いモヤで覆い尽くされているが。
これは、なんだ?
支配の権能に似ている。
不穏な気配を感じたので、そのモヤの解析を進めるよう
さて、次はエレン達だが……。
まあ、これくらいはな。うん。
はっはっは。
……怪しかったのか、リムルから詰め寄られてしまった。
クッ、ケーキの魅力には逆らえないんだ!
エレン達には、ケーキをくれた礼として情報をばらしてしまっている。
当然のように怒られた。
ははは、まあいいじゃないか。
肝心の勇者マサユキだが、完全にビアンカとジンライという大男が魔物を殺戮しまくって、さらに的確に落とし穴を踏み抜いていくためマジで進行が速い。
ビアンカよ、普通にそれはどうなんだ。
『母さんの命令を守ってるだけだからな。私自身は別に本気で戦ってるわけじゃないぞ』
『ま、それもそうだ』
十階層のボスも容易く倒されて、まあまあ悲しい感じだ。
ぜひとも私の迷宮に招待したい。
さて、そんなことをしてる内に残り時間が近づいてきたな。
ガイがなんか喚いてるが、知ったことじゃない。
ルール違反をモロにしてきたので、撮影として付いてきた迷宮管理者のデルタは結構怒っている。
他の姉妹、アルファ、ベータ、ガンマは比較的平和に終わったのに、この子だけ可哀想だ。
あ、ちなみに
ガイ如き、大した問題でもないだろう。
迷宮管理者達には腕輪の痛覚遮断機能と、迷宮からのエネルギー補充の権限を付与している。
私の手と足となって動く者達なのだ。
名付けたのリムルだけど!
あ、ガイ死んだ。
刑を執行したっぽいな。
そんな感じで、迷宮初回お披露目は幕を閉じた。
……改善点だらけだぞ。
……ま、まあ、別の事をしてリムルからの指示を待とうか。
直すのはそれからでもいい。
それから祭りも終わり、数日ほど。
私達は緊急会議を開くことになった。
席についているのは、私、リムル、ラミリス、ヴェルドラ、ミョルマイル、そしてマサユキだ。
あれからリムルはマサユキと仲良くなったっぽいので、私とも友達だな!
マサユキ、こいつは近くで見ると意外と美しい。
魂の輝きが一般人とはけた違いというか。
人間なのになんでこんなに魂が輝いてるのかは知らんが。
師匠が魂の輝きはなんか熟達してくるといい感じに感じられるって言ってたし、私は性質が
それ、そこそこやばいと思うんだよね。
今までは
だからかな、オーマという奴と互角に戦えたのは。
まあ今はそんなことはどうでもいい。
今は迷宮についてだ。
冒険者があまりにも弱すぎて、修正が必要なのである。
ただ、それに関してはマサユキがいい意見を出してくれた。
チュートリアル、が何かは分からないが。
たしかに、訓練クエストのようなものは必須だろう。
そして、各階層に宿屋。
キャンプのようなものだな。
キャンプ、キャンプね。
私はモドリ玉のようなものがあってもいいんじゃないかと提案する。
ちょうど、
その中には落陽草もあり、モドリ玉の量産は可能な状態だ。
冒険者たちに自分たちで作らせてもいいけどな。
「落陽草ですか、ということはやっぱりモンハンのフィールドを再現してるんですね」
「シャガリのスキルは出鱈目だからね!アタシとほぼ同じことができるのよさ!」
「調合させるとなるとまだ不完全だし、モドリ玉は保留だな……」
そして、マサユキはセーブポイントというものも提案してくれた。
これはオトモ偵察隊のようなものだろう。
お金を払うことで一回だけワープできる感じの。
いやぁ、なんとも有意義な会議だったな。
それからさらに数日。
迷宮運営は順風満帆だ。
お金はウハウハだし、冒険者も大量に来てる。
マサユキのおかげだな。
ただ、なんか私達自己紹介してなかったらしい。
マサユキは困惑してるぞ。
ヴェルドラ、ラミリスの順に発言し、私も自己紹介する。
「私はシャガリ。リムルの妹、ということになっている。モンハン?というやつから転生してきたらしいな。れっきとした
「シャガリさんはリムルさんからある程度聞いてましたが、ゴア・マガラなんですね……」
さて、自己紹介も終わったことだし意見を聞こうか。
流石にこれ以上改善は出てこないと思うが、と思った瞬間マサユキがまた天才的な案を言ってきた。
ドロップ品、だと。
所謂剥ぎ取りや落とし物のようなものか?
闘技場形式で回復薬を落とすみたいな感じらしい。
中々面白そうだ。
そろそろ
とりあえずは迷宮の進化を見届けてからだな。
会議が終わり、私は
まあ語りかければ済む話ではあるが、実際に現場も見てみたいしな。
百階層にある小部屋、時空の裂け目から私の迷宮に入る。
そこには、ギルドのようなものが設置してあった。
「総帥、お疲れ様ですニャ!」
数人のアイルーがギルドで仕事をしているのが分かる。
……って、アイルーだと?
いつの間に知的生命体を生成できるようになったんだ。
声をかけてきたアイルーに軽く挨拶し、私はギルドを見周ることにした。
どうやら、クエストカウンター、クエストボード、食事処がこのギルド一階にあるらしい。
二階には加工屋、
人間の再現は難しかったようで、アイルーが店を経営しているな。
お辞儀をしてくれるので、それぞれに挨拶をする。可愛いやつらだ。
さて、それじゃあクエストカウンターを見るとしようか。
闘技場クエスト、下位クエスト、上位クエストのカウンターがある。
ただ、クエストは採取ツアーしかないな。
困ってる人がいないから当たり前っちゃ当たり前だが。
これをそのうち冒険者が依頼してそれを解決っていう方式にしたいな。
ここの独自通貨、ギルドポイントで色々やる予定だ。
それじゃあ、森丘の採取ツアーを受けてみるとしよう。
「初仕事、緊張しますニャ」
「楽にしてればいいさ」
クエストを受けると、門が開く。
あの先は同じ位相にあるように見えるが、全然そんなことはない。
別の異空間へと向かうのだ。
門に入ると、草原へと着いた。
近くにはベースキャンプ。
力尽きたり物資を補給したりしたくなったらここに来るだろう。
空を飛んで全体像を確認してみるが、私のあてずっぽうの森丘の記憶を使っているからかかなり歪である。
探索できないわけでもないだろうし、別に大した問題ではないだろう。
ふわっと降りてゆき、軽く辺りを見渡す。
ふむ。生態系に特に問題はなし、と。
む?なんか後ろに気配が。
威圧して怯ませたが、こいつは
なんかかっこいいという理由で早めに創造させたが、中々いいじゃないか。
さて、視察も終わったことだし、さっさと帰るとしよう。
ネコタクチケットを掲げ、私はクエストをクリアした。
そしてギルドに戻ってくると、ちょうど
「告。現在、指定空間の84%ほど完成しています」
「すごいじゃないか。これならすぐ完成しそうだな」
これは完成が楽しみだぞ。
私は意気揚々とラミリスに報告しに向かった。