転生したら黒蝕竜だった件 作:転スラ好きのライズ民
どうやら私が眠っていた場所は百階層にある研究施設だったらしい。
ここでリムルがディアブロが連れてくるであろう悪魔たちのため、肉体を用意しているのだと。
魔鋼で骨格を作り、そこに精霊魔導核を入れる、か。
中々強力な肉体だな。
この培養槽、なかなか浪漫がある。
そろそろここから出るかと思い、入口の方へと歩いてゆく。
「なぁ、リムル。魔王ディーノがいるんだけど」
「あぁ、あいつにはここで働いてもらっている」
魔王ディーノと目が合った。
なんでこいつがここにいるんだと思ったが、リムルが採用したというのなら問題ないのだろう。
しかし、なんというか胡散臭いな。
一応手に入れたばかりの権能を確かめてみるとしよう。
まあ、発動したらやばそうだから準備だけだけどな。
鱗粉でキャンディを作り、魔王ディーノに渡す。
お近づきの印に菓子折りでも、といった感じだ。
困惑した顔で受け取ってくれた。
そして魔王ディーノがそれを飲みこんだことを確認し、私はほくそ笑む。
いざとなったらこれで支配ができる。
支配するような出来事が起こらなければいいだけの話なんだけどな。
さて、私は随分長い時間眠っていたみたいだ。
私の迷宮の進化具合からそれはほわっと分からんことも無いが。
色々変わっているだろうということで、迷宮の外へと出てみる。
リムルは先に執務室へと行ってしまった。
暇そうに見えて意外と忙しいんだよな、あいつ。
ラミリスとヴェルドラも忙しそうに研究に打ち込んでいるし。
ヴェルドラにカリスという助手ができたみたいだが、それでも人手が足りなくて困っているようだ。
あれ?もしかして私、働いてなくね?
異界を好き勝手飛び回ったり、力が暴走して寝込んだり。
いやいや、やってることが子供じゃん。
流石にそれはまずい。
何かやらないとなぁとは思うけど、
……リムルに
リムルのことだから、借り物の力になんて頼らなさそうだが。
「おや、シャガリ様。息災でしたか?」
「お、ディアブロか、久しぶり」
リムルにとこに行こうとした途中、ディアブロとバッタリ再会した。
久しぶりに顔を見た気がする。
後ろには美しい悪魔が三人――
「師匠!?」
「あれ、あの時のお嬢さんじゃん」
「知り合いなのですか?
「前に魔術を教えた仲だよ」
白髪の淑やかな美女と金髪の威風堂々とした美女は知らない。
だが、この紫髪の美少女、圧倒的に邪悪な威圧感、間違いない。
師匠は何故こんな場所に?
「
「私の名はディアブロと何度も……」
「へぇ。リムルは私の兄だ」
ちょうどいいので、師匠と一緒にリムルに会いに行くことにした。
まあ初見の客人が直接執務室に行くのはどうかと思うし、案内するのは応接間だけど。
頑丈そうでさっぱりした部屋だ。
扉を開けて入ると、私は堂々とソファーに座った。
そして懐からクッキーを出し、食べ始める。
リムルはそんな私を見て苦笑いをしていた。
「自由だなぁお前は……」
「王女だから」
私が入った後ディアブロが入室してきて、そして師匠達も一礼して入ってきた。
このままでは堂々と礼もせず入ってクッキー食べてる私がバカみたいじゃないか。
ま、まあ客人じゃなくて王女だからまだ許されるはず。
私が肩身の狭い思いをしている間、師匠たちが自己紹介をしていた。
師匠……なんかちょっと猫被ってないか?
おっとこれ以上は考えるのを止めよう。
世の中には触れてはいけない禁忌というものがあるのだ。
迷宮の中へと移動し、私が眠っていた培養槽がたくさんある部屋に向かった。
そこでディアブロが師匠達の配下を召喚。
リムルは
Aランクオーバーが七百体……世界を滅ぼせそうな戦力があるのやばいでしょ。
師匠の配下筆頭の二人の悪魔は初めて見たので、弟子だと挨拶をしておく。
なんだかオモチャを見るような目で見られたが、師匠の配下は全員こんなのばっかなんだろうか。
後は別格っぽい師匠達三人。
リムルは特別な骨格を作ることにしたようだな。
私も師匠にはよくしてもらったからなにか恩返しをしたいな。
あ、そうだ。
でも別に師匠は私の配下じゃないからなぁ。
普通に私の体の虹色に輝いてる部分を骨格に入れるくらいでいいか。
少量しか採れないから、粉状にして付与っぽくするくらいしかできないけど。
リムルは金を混ぜて
中々綺麗じゃないか。
師匠もやるじゃんと褒めてくれた。
これでかなりの戦力増強だな。
とか思ってたら、リムルが軽々しく名付けをしている。
こいつ、マジで怖いもの知らずすぎるだろ。
師匠改めウルティマ師匠。
一瞬私に向けて邪悪に笑みを浮かべたのが見えた。
怖ぁ……。
そこから数日はリムルが悪魔の皆に名付けをしていた。
私はウルティマ師匠の力試しとして迷宮で模擬戦をしている。
的確に隙をついてくる。
魔法は"暴蝕"で打ち消せるため、封印して技量のみで魔法に対処している。
そのうちディアブロが観戦に来て、ゼギオンも来て、白髪の美女テスタロッサと金髪の美女カレラも来て、大人数で格闘戦をすることになった。
いや、私は一体何をしてるんだ。
ていうかゼギオンは見ないうちにまた強くなってるし……。
私は何度も叩きのめされるうちになんか
恐らくフウガ達の経験が私に適応してきたんだと思うが……。
やっぱり反則級だよな、この能力。
リムルが全員に名前を付け終わるころには、ゼギオンと互角に組手ができるようになった。
ヴェルドラに定期的に稽古をつけてもらっているだけあって、ゼギオンはクソ強い。
おかげで回避をするということを久しぶりに意識した気がするぞ。
ウルティマ師匠、テスタロッサ、カレラはリムルが国の警察や司法、外交の部門に任命した。
その働きぶりはなんともすさまじいというか。
ウルティマ師匠に捕まったらもう逃げられないと思う。
テスタロッサは外交……評議会に参加すると立候補したのだが、
カレラは言動はヤバそうな感じだが仕事振りは完璧で、賄賂にも決してなびかないから裁判長としてすごい適切だな。
リムルの発案で、テスタロッサを補佐、護衛する者を私の配下からつけることにした。
私はスズネをそれに任命する。
スズネもしばらく見ない間に強そうになってる。
指揮能力が高いので、テスタロッサと協力して私の配下を緊急時に使ってほしいものだ。
ちなみに、スズネから教えてもらったのだが私の配下はいつの間にか凄まじく量が増えていたらしい。
その軍団の名は、
色々な部門で構成されてるっぽい。
たくさんの
詳細は蟲のレパートリーが多すぎて理解できなさそうだったので割愛。
ベニマルの指揮下に入ってないけど、これ大丈夫なんだろうか。
ま、まあスズネが大丈夫だと言うなら問題ないんだろう。
で、さらにその中から選りすぐって
"
ここにいる奴全員人型になってるらしい。
悪魔たちで構成されたリムル直属の軍団、
そして最後に「私達のようなお母様が直接名付けてくださった五人は"
結構かっこいいな。
そろそろ私も真面目に働こうと思っていた矢先、またリムルが面白そうなことに誘ってきた。
ルベリオスに旅行に行こうというのだ。
一も二も無く賛成し、準備を進める。
……また働く機会逃してる!