転生したら黒蝕竜だった件 作:転スラ好きのライズ民
レオンとルミナス、そして今回の事件の原因であるクロエ・オベール。
こんな感じのすごい人選だが、私は何をすればいいんだろうか。
ヴェルドラと横で
「――という感じで、私は"無限の輪廻"から解放されたの」
大体聞き流して、そろそろ説明も終わるかなーといった感じのとこに入った。
クロエが体験したことを語ってくれたのだが、なんともまあ波乱万丈だったらしいな。
時を戻って歴史を変えるとか、かなり頑張らないといけないと思う。
毎回作り変えられてるのはたしかに行っていることが無駄ではないという救いではあるが、その分一つの行動が大きな影響になるリスクを孕んでいる。
しかし、その会話で私についてほとんど言及されてないのは……?
「ここからは、この輪廻の
「私?」
「ええ。シャガリさんは、今回のループで初めて現れたの」
とか思ってたら、やっと私の話が出てきた。
私は今までのループにはいなかったとのこと。
どこかに隠れていたとかでもなく、マジで影も形もなかったとか。
じゃあ私は何なんだろうな。
今までのループにおいてリムルの妹なんて存在は全くなく、今回のみ私がいる。
それと同時に、源蟲五神をはじめとする私の軍勢もいる。
しかし、私がいることによって何か大きく変わったかというと、あの惨劇、ファルムスの侵略以前はそうでもなかったらしい。
しかし、あの惨劇もリムルが帰るのが少し遅れたから起きたわけで、私の関わる要素がほぼ無いというか……。
結局、この段階までリムルが生き残っている、これが大事なのだそうだ。
「あ、そうだ。シャガリさん。今回の時間跳躍で初めて会う人がシャガリさん以外もいたのよ」
「……てことは私が原因、って訳でもないのか」
「一人は名前も分からないの」
というか私以外にもイレギュラーはいるんだな。
一人は、新たな"竜種"
ヴェルドラに聞くと、「うむ!我に妹か!確かにいたような気がするぞ!」だとか。
五体目の"竜種"、光輪竜ヴェルシャリカ。
そして、別名は――
……まさかとは思うが、そいつが私の母親だとか有り得るのか?
たまに空から降ってくる謎の灰のようなもの。
あれはそのヴェルシャリカの鱗粉じゃないのか、と私は考える。
そのヴェルシャリカはチラッと戦闘を見た程度だったらしいが、それはもう凄まじい強さだったのだと。
普段は遥か上空にいて姿を見せないとかそんな感じらしいが。
「名前の分からないもう一人なんだけど――」
その後に続く言葉を聞いた瞬間、私は全身に悪寒が走ったかのような感覚に襲われた。
――白いドレスを着た少女だったの――
見たことがある。
私はそいつを見たことがあるぞ。
名は恐らくプロト。
私に変なアドバイスをしておいて、すぐ帰りやがった奴だ。
《……!?》
それをリムル達に伝えると、皆して微妙な顔になった。
そもそもクロエ自身、夢現な状態での遭遇だったらしい。
私もそいつに会っているはずだし、クロエからも目撃証言がある。
だが、そいつは一体誰なのか……?
ま、結論の出ない話をわざわざしても仕方がない。
目に見える危険として帝国があるということは分かったからよしとしよう。
他のループでは、リムルは東の帝国に殺されている可能性が高い。
東の帝国か……。
正式名称は確か……。
《解。ナスカ・ナムリウム・ウルメリア東方連合統一帝国です》
そう、それだそれ。
その帝国には危険な奴がいるかもしれないらしい。
そんな感じで情報のすり合わせもある程度できてきたという感じなんだが、私は飽きた。
そろそろラミリスに会いに行くか。
リムルがこっちを見てくるが、まあ、飽きたんなら仕方ないよな。
ギィ・クリムゾンの気配が近づいてきているし、さっさと避難してしまおう。
私は迷宮へ移動する。
この膨大なエネルギーがあれば、ラミリスがどこへいようと助けに駆け付けられる自信があるぞ。
久しぶり、とはいってもそんなに離れたわけでもないが、迷宮は相変わらず盛況しているな。
ラミリスから最近の情報を聞く。
私の迷宮にもかなりの人数が来ていて、チラホラとモンスターの素材を使った装備を着ている者を見かけるな。
レザー装備やチェーン装備、ハンター装備をつけている者が大半だが、中にはレウスシリーズをつけている猛者もいるぞ。
堂々とギルドに入ってゆき、奥のアイルーに挨拶をした。
奥のアイルー……一応ギルドマスターだ。
名前はスズネがつけていたな。
確か、
このギルドに来ている者達のデータを集めてもらっているので、それを読む。
どうやら、
今、HRは緊急クエストをクリアして上げる方式しか採用していない。
その中でも10以上となると、そこそこ腕があるようだ。
まあHRなんてめっちゃ適当に決めてるし結局は本人に実力があればいいだけなんだけど……。
このギルドにも一人駐屯しているとのことで、酒場の方を見ると確かにいた。
他の奴とは明らかに装備の質が違う。
ディノシリーズ……
最初は名も知られていない初心者冒険者だったようだが、
斬火王とかいうかっこいい通り名で呼ばれている。
そいつが所属する四人パーティの名は「四元王」というらしい。
それぞれ、私が創造した四天王モンスターの素材をつけているとか。
中々、嬉しいもんだ。
しかも、使っている武器は双剣。
"剛刃研磨"によって切れ味消費を無効化し、モンスターを斬る。
その様から斬火王の通り名だとかなんとか……。
かっこいいじゃないか!
さて、それじゃあもっと奥に進むとしよう。
扉へと進んでゆき、フィールドに出る。
普通はクエストを受けないと移動できないが、私にはマスターキーがあるからな。
眺めると、多種多様なモンスター、そしてそれと戦うハンターの姿や、様々な素材を採取するハンターの姿があった。
森丘、雪山、渓流、古代林などなど、さまざまな場所で両者活動しているようだ。
ただ、用があるのはここじゃない。
さらに奥、空間を裂いて奥へ進んでゆく。
しかしこれが案外正規ルートなのだ。
しばらく進むと、先程まで自然豊かだった場所が無機質な金属に変わってゆく。
幾何学模様が浮かぶ、薄暗い空間だ。
そこかしこに散らばる培養槽や謎の装置を見ると、雰囲気出してるなぁと思う。
もっと奥へ進むと、今度は訳のわからない肉塊やら血痕やら骨が散らばってきた。
破壊された培養槽とかを見てると、まあろくなことにはなってないんだろうなと分かる。
雰囲気作りか不可抗力か知らないが、地面がほんのり濡れているぞ。
苔とかは生えていないから、その変分からんが。
それにしても……前に来た時とはずいぶん変わっているな。
「よぉ、
「是。いつでも
「これは今何の研究をしてるんだ?」
「解。"古龍種"の再現をしています。ですが、データが不足しており進捗は著しくありません」
周りを注視して見ると、確かに血液が培養されてたりだとか、骨がいっぱいあったりだとか、角を使った制御のデータを収集する装置だとかがある。
血液、つまりは"古龍の血"を再現しようとしているのだろう。
この肉塊を見ると倫理観もクソもないが、研究なんてそんなものだろう。
結局、私の中に保存してあるデータを用いて色々しただけなのだから。
でもなんで他のモンスターみたいに確定してないのにこの肉塊は消えてないんだ?
確定すれば、実体化して迷宮で運用できるようになる。
その前だとただのデータの塊でしかないからな。
「解。古龍種の力を再現しようとした結果、制御を離れ実体化しました。いつでも処分可能ですが、経過観察して古龍種の力に目覚めないか記録中です」
「古龍種のデータねぇ、解決すべき課題ではあるな」
「是。
ある程度報告を受け、私は迷宮から出た。
そしてヴェルドラの元へ
これは……時が止まってるな。
とか思ったら、一瞬で解けた。
そんな感じの現象が数回続き、終わりを迎える。
一体何があったんだ?
ギィ・クリムゾンの仕業かな?
殺意とかは感じないし、まあ別に大したことじゃないだろう。
そろそろご飯が食べられる時間だと思うし、リムルの元へ戻ろう。
リムルの元へ戻ると、そこにはやはり疲れた顔をしたリムルがいた。
一緒にご飯を食べ、話を聞く。
帝国への対処やら、ギィ・クリムゾンの思惑やら、面倒そうなもんばっかだな。
忙しそうだし、私も何か手伝いたいとこだ。
とはいえ、人手不足とかは異界に行ってスカウトするくらいしかない。
それも戦闘員しかスカウトできないからなぁ。
とりあえず、なんとなくでも異界に行くべきか。
もう新しい発見とかはないだろうなぁ……。
「よし、リムル。私は旅行に行ってくる」
「え?いや、今は戦争の前でね……」
「大丈夫だ。リムル、ラミリス、ヴェルドラと"魂の回廊"つながってるだろ」
「あぁ……確かにそれならいけるかもな……」
許可は取ったので、今日はぐっすり寝て旅行に備えるぞ!
ラミリスにも旅行に行くと報告し、私は眠りについた。