転生したら黒蝕竜だった件 作:転スラ好きのライズ民
プルチネルラを救い、一先ず平穏が訪れた。
契約を結び、盟約も受け入れてもらった。
お互いの権能を確認し合うと共に、プルチネルラには新しい肉体をプレゼント。
本体は天使のような生命体なので、実は精神生命体なのだ。
元々使っていた肉体は私の螺旋斬を受けてボロボロになっているし。
いくら回復したとはいえ、そんな貧弱な肉体を使うわけにはいかない。
ということで、保留していた死体の使い道を
私の肉体の剥がれたやつとか、その変で拾ったり作ったりした鉱石とか。
後は再現したモンスターたちの素材とか。
そんなもんを全部合わせて、
ウルティマ師匠から教わった
見た感じ私とそんなに特徴は変わらない。
まあ私の細胞をベースにしてるから当たり前なのだが。
全身が白いのが対照的だな。
それにプルチネルラが受肉すると、多少背が伸びた。
おや?前の肉体はもっと男っぽかったが、そんなに変えないのな。
「折角友から貰った肉体なのだ。そんなに弄るのは忍びないであろう。ただ、流石に身長は伸ばしたぞ」
「私はちっさいからな。別にいいさ」
この体に何か自我が宿る可能性も考えたが、それを全く感じさせないな。
まあ、
究極の力を持つ者はそれ相応に精神が強い。
乗っ取られるなんて、その肉体の持ち主が究極の力を持ってない限りまずないらしい。
それなら私の細胞を使ってるのはやばいんじゃないかと思ったが、これは普通に思念を閉じてるし問題ない。
まごうことなきスーパー・プルチネルラだな。
貧弱だった肉体がかなり強化された。
一旦元の世界に戻って源蟲五神の皆にプルチネルラを新たな友であり家族だと紹介する。
皆は好意的に受け入れてくれたが、特に不満とかはなさそうでよかったよ。
と言ったら、私は情け深いからまた拾ってきたんだろうと見透かされていた。
私についての話で花を咲かせている源蟲五神のみんなとプルチネルラ、そしてホログラムで参加するラミリス。
私は
プルチネルラの
含まれる権能は、思考加速、万能感知、能力解析、浄汚変換、詠唱破棄、空間支配、法則操作、存在集約、存在伝播、慶弔世界、と多岐に渡る。
見たことない能力としては、能力解析がまず見たことないな。
ただこれは情報解析の下位互換であるらしい。
浄汚変換は聖属性と魔属性を変換する、みたいな感じか?
存在集約は神としての力を振るう時に力を集められる、という感じだろう。
存在伝播はゾンビウイルスかな?
最後の慶弔世界は、プルチネルラから聞いたところ幸福と不幸を司る空間を創造する感じらしい。
この空間にだけ"瞬間移動"も可能になるとか。
瞬間移動は私も使いたいし、
次に、
了承を取ってから能力の改造を始める。
《告。
《告。想定外の出力を確認しました。
想定外……?
これは……まさかとは思うが源蟲五神の中で戦闘力に特化しているフウガより強いか?
明らかにとんでもない進化をしたよな。
プルチネルラは喜んでるし、別にそんな問題でもないか。
支配者的な立ち位置にしてやると約束したし、形だけ残っている、ギルドでの私の総帥という立場を譲ろう。
向上心ありそうだし、
一通りプルチネルラに紹介した後、私達はゾンビがいた世界に再び来た。
ゾンビが全滅したことを伝え、聖術神プルチと邪神ネルラは実は同じ神で人類に試練を与えていたことにした。
もうゾンビウイルスの脅威は無くなったと伝え、私自身はプルチネルラと同じような神の一柱だと言った。
これで後顧の憂いは無くなったな。
とはいえ、この世界がボロボロのまま滅びるのはよろしくない。
慶弔世界から進化したプルチネルラの新たな権能、"冥淵世界"と私の情報世界を接続し、この世界に変革を起こす。
ラミリスと同調し、その星の管理者としての権能を真似るのだ。
星を丸ごと包み込み、権能を発動。
「行くぞ、
《了》
『まっかせなさーい!』
「任せるがよい」
「
虹色の闇が周囲を透過し、草木が芽生え、空気が澄んでゆく。
ヴェルドラと一緒に考えた必殺技の一つだ。
魔素を大量に消費するが、周囲一帯の自然環境を創造する。
ヴェルドラのように一人だけで行うことはできないが、再現自体はこうして協力することによって可能となるのだ。
これで、間違いなく神の所業だと分かるだろう。
魔素が一気に無くなったことによりフラッとするが、別に枯渇してるわけじゃない。
しっかりと地面に降り立ち、権能のもう一段階を発動。
周囲にモンスターが出現した。
ここを私の迷宮と同じ環境にしようという魂胆だ。
コロニーのリーダーの所へ歩いてゆき、装備とそれを作る技術を渡す。
ギルドとも同期させておこう。
困ったらいつでも頼ると言い。
これで、新たな試練、
「感謝します、神よ。竜の祖よ」
「いや、そんな柄にもないな。祖はもっとすごいと思うぞ」
もうこの世界は安心だ。
私は身を翻し、自分の世界への扉を開けた。
皆に手を振りつつ、私達はその世界から去った。
プルチネルラを
自室に帰ってきた安心で、私はベッドに寝転がる。
しばらくゴロゴロとしていると、ふいに気配を感じて後ろを振り向く。
「お邪魔するわね」
「お前かよ……」
そこにはプロトが立っていた。
全く、ラミリスの迷宮内へどうやって侵入したんだか。
相変わらず超然な雰囲気で、怖気が走る。
帰れと言おうと思ったが、聞きたいことがあったのを思い出して留まる。
プルチネルラを蘇らせたのはお前か、と。
「あぁ。私もできるかなって思って試してみたのよ、死者蘇生。久しぶりだったけど上手くいったようね」
「そんな、理由で……」
「良かったじゃない。家族が増えたわよ?」
その瞳は果たしてどこまでを見通しているのだろう。
いや、案外雰囲気だけで喋ってるのかもしれない。
それでも怖いことに変わりはないが。
今回も意味深なことを言って立ち去るのか?
「そうだ、貴女に渡したいものがあったの」
「何だよ」
「手を出しなさい」
と思ったら、今回は物質をくれるらしい。
勇気とか愛とか言い出したらぶん殴る。
とりあえず手を出した。
すると、いきなりプロトは指を切る。
赤い……真っ赤な鮮血が流れ、それは脈動して少し性質を変えたように見えた。
私はそれを一滴もこぼさないように持つ。
「本来私の血にその成分はないのだけれど、付与するくらいはできるわ」
「これはまさか……」
「欲しかったんでしょ?古龍の血。あとオマケもつけといたから」
悪戯っぽく笑ったプロトは、輝く石を血液の中心に置いた。
私が欲し、どこに行っても手に入らなかった古龍の血がここに……。
しかもこの石はどこか魅入られる輝きを放っている。
もう用はないのか、プロトはまた霧のように消えていった。
……って、今はそれどころじゃない!
血を瓶の中に丁寧に入れ、石は懐に入れて
というか普通に転移をした。
「む?慌ててどうしたというのだ?」
「ついに、ついに手に入ったぞ!古龍の血が!」
「何と!それは僥倖であるな!」
最初にプルチネルラと遭遇したが、この短時間で何で古龍の血を知っているのやら。
無限思考を借り受けて研究結果を熟読でもしたのかな?
「解。これは古龍の血ではありません。"古龍の浄濃血"です。未知の成分、その中でも希少と思われるものを多量に含んでおり、至急研究を要請します」
「勿論許可する。是非ともいい結果を出してくれ!」
「実に興味深いのである。その成分を培養できれば拙者もまた強くなれるやもな」
「何だ、お前も古龍になりたいのか?」
「勿論である」
量からは想像もできないほどの鱗粉を使うが、"古龍の浄血"自体は再現可能だった。
ただ、これと同じものは完全再現できない。
その時点でヤバイ素材なのは明白だな。
とりあえずカプセルに入れて保存。
浄血を使って色々実験していくとしよう。
「了。お任せください」
「良い結果を期待していいのであるぞ」
「頼もしいな。任せた」
キラキラ輝く石はなんとなく離したくないから、どうしようかと迷うな。
そんなことを考えていると石が二つに分かれ、ちょうどピアスにするのに適した形になる。
これは、素晴らしいな。
自分の体から採取した
随分神々しいな。
早速つけたが、なんだか体に力が満ちるようだ。
《解。等級は……測定不能。
そっかー
って、やばいだろ!
プロトはなんというものを渡してきたんだ。
操られるといった感じでもないし危険物ではないだろうけど……。
……ただ、普通にこれは嬉しいな。
今回はプロトに感謝しよう。
迷宮の別の場所に転移し、私はまたゼギオンとかと戦って実力を伸ばす。
そんな日々が続き――
帝国はまだ動きを見せない。
そんな状態で、数か月が経過した。