転生したら黒蝕竜だった件   作:転スラ好きのライズ民

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4:炎と黒蝕竜

あれから数日。

ゴブリンの村は規模もでかくなり、引っ越して街のようなものへとなりかけていた。

まだテントだらけだが。

私は四足歩行なので手伝うのは難しいが、狩りは手伝えるため狩猟班と共に狩りを行なっている。

勿論この周囲にいる程度の魔物は一瞬で捻りつぶせるが、それでは技術が成長しないので動きを見切ろうとしつつ戦う。

やはり体が強いと傷も浅いからありがたいものだ。

並みの魔物には負ける気がしない。

人間と戦っても余裕そうだ。

 

 

 

あっっっつぅぅぅぅ!!!

全然余裕じゃなかった。

アリに襲われている冒険者を助けてやろうとしたら、一人が放火しやがった。

鱗粉にちょっと燃え移ったじゃないか。

ちょっと燃え移っただけなのに周囲に出してる鱗粉の14%が消滅したぞ。

炎は危険だ。

ゴア・マガラなんだから考えなくても分かることだが。

業鎧ってやつを先輩ハンターから借りて戦ってみた時よりも辛い。

炎には近づかない方が良さそう。

てか近づくな。

リムルの到着を待った方がいいな。

 

リムルが雷をアリに落とし、ある程度状況が落ち着いた。

どうやらアリの巣を突っついたらしく、それで追われていたらしい。

バカなのか?

まあバカなんだろうな。

寝ているエスピナスを起こすようなマネはするべきじゃない。

それにしてもあのやべー雷はなんだリムル。

黒稲妻、か。

食らったら燃え死にそうだな。

 

四人の人間を村に招待し、なぜか焼肉をしている。

断食させてもいいと思うんだが、リムルは超優しいな。

ちなみに私は肉団子だ。

うさ団子が食べたいのだが、流石に再現は無理だったよ。

鉄板には勿論触らない。死ぬし。

ていうかリムルはずっと一人の冒険者と話してるな。

どうやら同郷らしいが、私と同郷の奴はいるんだろうか。

また時間があったら探してみよう。

 

 

 

焼肉パーティが終わり、ゆったり腹を休める。

実際はそんなこと必要ないけど。

リムルは散歩だ。

牙狼族に襲われると慌てていた時と比べたら随分平和になったものだ。

 

《告。敵性エネルギー反応を検知》

 

全然そんなことなかった。

冒険者の一人、リムルが熱心に話していたシズという奴が殺気を振りまいているのが見える。

その周囲には炎が揺らめき、近づけば死ぬかもしれない。

それでも一応は様子を見たいので近づいてみる。

 

「あ、シャガリ!シズさんがいきなり暴走したんだ!なんとか止めたいんだが……」

 

なるほど、そういう事情ね。

シズは姿が女性から大柄な魔人へと変化する。

どうやら変なのが取りついているようだ。

あれを剥ぎ取ればいいって訳ね。

 

「……火炎大魔球(ファイアボール)

 

あっつぅぅぅぅ!!!

無理無理無理。

死ぬ、死んでしまう。

鱗粉を水に変化させてもなおこれだよ!

 

《告。主導権をユニークスキル「情報者」に一時的に委託することを提案します》

 

なんだって?

なるほどな、私はへったくそだし頼りないから、技術の高いお前に主導権を譲れということか。

いいぜ、やってやりな。

 

《了。傀異戦闘状態(オートバトルモード)に移行します》

 

情報者がそう言った瞬間、私の周囲に一匹の蟲の影が一瞬現れる。

と思うと私の体が赤く発光した。

傀異化、か?

いつの間に私はそんな技を?

まあいいや、強いなら関係ない。

まず情報者が行ったのは、有効な攻撃手段の入手だった。

冒険者の一人、人間に化けている耳長族(エルフ)の娘の放った氷の魔法を鱗粉で吸収。

その氷の魔法のデータと洞窟で入手した水のデータで鱗粉を強化してゆく。

 

《告。魔法:水氷大魔槍(アイシクルランス)を解析完了。新魔法:冰冷魔鱗粉(ラヴィーナスケイル)を獲得しました。これにより疑似的な「炎熱耐性」が手に入るため短時間の接近が可能となります》

《続いて、スキル「毒霧吐息」とデータを融合。スキル「冰蝕吐息」を習得しました》

 

攻撃手段を入手したら後は速かった。

氷で動きを封じ、氷の鱗粉でデータも採取。

後はリムルが魔人……上位精霊、炎巨人(イフリート)を食べるだけだ。

いつ見ても、その技はほれぼれするよ。

炎をものともせず接近し、リムルは魔人を喰らう。

後に残されたのは、シズだけだった。

 

 

 

どうやら、元凶を倒してはい終了とはいかないらしいな。

シズは寿命を迎えようとしている。

あの魔人がシズの寿命を延ばしていたようで、それがもういないシズは死を待つだけとなる。

リムルはシズを助けようとするが、私はそれを止めた。

シズはもう十分生きたのだと私は思う。

蝕まれていくあの感覚を味わい、もう助けようと思わないでくれと思った私なら、少しはその気持ちが理解できる。

しかし、ただで終わりたくはない。

シズはリムルに想いを託した。

自分を召喚した魔王、レオン・クロムウェルに対しての思いと、自分を食べてほしいという願い。

……死とは何度見ても慣れないものだ。

ネコタクシーが間に合わず死んだ者や、実力を弁えずモンスターに挑んだ結果一撃で頭を飛ばされた者を見てきたが、寿命とは、私もまだ経験したことない死に方だな。

私は少しだけ竜人族の血を引いていたし、150年は生きただろう。

まあ、前世は15年しか生きてないけど。

ちょうど色んな国で成人とかそんな感じだったのに。

私だって酒が飲みたかったぞ!

……まあ、それは今はいいだろう。

 

《告。「種族名:人間」と「種族名:耳長族(エルフ)」の解析が終了しました》

 

ちょうどシズが死に、リムルがシズを喰らった時、情報者からそう伝えられる。

解析が完了したのは分かるけど、今言われてもなぁ……。

 

《告。情報がある程度集まったため、人型へと変化する際の最適化された種族を再現しました。「種族名:竜人族」に「形容変化」が可能です》

 

なんだって!?

リムルが横でシズによく似た人の姿を取るのが見える。

私は無理だと思っていたが、できてしまうのか。

ということで私も人の、というか竜人族の姿をとる。

 

 

 

 

 

その姿はまるで――

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