転生したら黒蝕竜だった件   作:転スラ好きのライズ民

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51:渾黒龍

源蟲五神の能力確認をした翌日。

今日は迷宮に向かおうか。

プルチネルラの情報も確認しに行かなくちゃだからな。

ということで、"瞬間移動"でサッと移動する。

思えば、"瞬間移動"が満足に使えなかった時が懐かしい。

今の私は気軽に使っているが、前は短距離しかできなかったんだっけ。

予備動作無く転移できるのは普通に考えてヤバいよな。

皆も驚くだろう。

"管制室"の横の部屋に転移してきた。

作業中の皆を驚かせたらまずいからな。

ここにラミリスがいるだろう。

 

「あ、シャガリじゃん。やっほー」

「ようラミリス。プルチネルラの存在値の資料あるか?」

「ああ、あれね。預かってるよ」

 

"管制室"にある椅子に腰かけ、資料を見る。

 

名前:プルチネルラ

[EP:2001万9769(+錫杖槍【天照】200万)

(+ヴァチスシリーズ500万)]

種族:最上位聖魔霊――竜機人(ガーディアノイド)

加護:渾盟の紋章

称号:"迷宮総帥(ダンジョンロード)"

魔法:<竜種魔法><暗黒魔法><元素魔法><精霊魔法>その他

能力:

固有能力

「神鉄蟲糸」

究極能力(アルティメットスキル)

冥淵之王(タルタロス)

耐性:物理攻撃無効、自然影響無効、状態異常無効、精神攻撃無効、聖魔攻撃耐性、龍属性耐性

 

どうして私の配下は準竜種級の存在値を持つ奴が大量にいるのか。

私と始めて会った時は1300万くらいだった存在値が跳ね上がり、2000万を超えてしまった。

元々高かったし、もう存在値では驚かないかもしれない。

さて、一応冥淵之王(タルタロス)の権能を確認するとしようか。

「思考加速」「情報解析」「情報感知」「並列存在」「盟約執行」「瞬間移動」「無限再生」「正邪輪廻」「存在伝播」「存在集約」「情報支配」「冥淵世界」となっている。

相変わらず強いな。

色々と裏方を任せてしまっていることが多いが、その能力は重宝している。

特に存在伝播とか、スズネの盟約之支配(ファミリアドミニオン)と組み合わせたらやばいんじゃないだろうか。

今でも集会所の秩序構築に役立ってるのに。

 

「そういえば、アンタの母親目覚めたらしいよ」

「そうなのか」

 

じっくり見ていると、衝撃の情報が。

あれから意識を失い昏睡状態にあった母だが、目を覚ましたらしい。

シャガリはどこだと呟いていたらしいので、行ってあげるとしよう。

七十階層に転移する。

 

「やっほー、母さん」

「……ようこそ、我が娘」

 

七十階層の、帝国軍が暮らしている場所から少し離れた場所にあるテント。

そこに母はいた。

なんだかやつれたか?

まあ精神生命体にそれを聞くのもどうなのって感じだが。

 

「陛下は……ルドラ様はもういないのですね。思い出しましたよ、色々と」

 

ルドラ……それ多分マサユキだからいるぞ、普通に。

この沈鬱な雰囲気でそれを口にするのは憚られたので、静かに聞く。

良い情報語ってくれるかもだし。

 

「シャガリ、貴女も気が付いているとは思いますが、私は元々この世界の住人ではないのです。私はあの世界で一度死んだ後、変な男によって蘇りました」

「変な男?」

「えぇ。赤い衣を纏った変な男です。貴女にも心当たりがあるのでは?」

「……無いな!」

「そう、ですか。まあそれはいいでしょう。それからの話です」

 

母が語り始めたのは、この世界に来て何をしていたかだった。

この世界に再び生まれ落ちた母は、生まれながらにして竜種だったらしい。

最初こそモンスターの闘争本能のままに暴れていたらしいが、ヴェルザードというヴェルドラの姉やギィ・クリムゾンとかに滅ぼされて止めたとか。

人の姿を取れるようになってからは世界を冒険し、辿り着いたのが帝国だった。

いや、その頃はナスカ王国という小国だったか。

そこでルドラとヴェルグリンドに出会ったのだと。

ルドラの"統一国家の樹立"という夢が気に入り、それを協力することにしたらしい。

とはいえ、母はギィ・クリムゾンと戦うのがトラウマだったらしく、引きこもっていたとか。

"統一国家の樹立"という夢を見続けられるくらいには平和だった世界。

母の兄――ヴェルダナーヴァも存在しており、ルドラの妹のルシアとの間に子供まで生まれた。

しかし、その平穏は突如として崩れ去る。

一つの属国が謀反を起こし、ルシアと子供を作って弱体化したヴェルダナーヴァを殺したのだ。

その時母も戦ったらしいのだが、謎の男により致命傷を負わされ死にかけたとか。

その男は言っていた――

「分不相応という名の通り、人には踏み入ってはならぬ領域というのがある。だが、それを成そうとしている愚者は面白い」

自らを禁じられた存在の化身と名乗り、母の力を数百年の封印につかせた。

そのせいで、竜種が二体いながらも今まで帝国は動かなかったらしい。

通常の人間並みの力から、上位魔人、魔王種、覚醒魔王ほどへ力を取り戻してゆき、竜種の力を取り戻した時にはルドラはもうルドラではなくなっていた。

その頃には母も天使長の支配(アルティメットドミニオン)の支配下にあったのだ。

力が復活した時、侵攻を始めようかという話にはなっていたらしいのだが、ヴェルドラに壊滅させられて計画は頓挫。

力を蓄えようということで、赤衣の男に会い、元居た世界へと戻ったとか。

限定的に元の世界へと渡る力、それを赤衣の男から与えられた。

それは、百年かけて貯めたエネルギーを使って世界を渡るというもの。

これには時間制限があり、今までの人生の全てをエネルギーに変換しても大した時間居られる訳ではなかった。

その時に竜人族の血が混じった依代を作成し、双剣使いとして活躍していたそうだ。

何故か年を取らない猛き炎さんと共に狩猟に行ったこともあるらしいが、羨ましいぞ。

というか、普通に冥淵龍(ガイアデルム)を倒してから数年は経っているはずなのになんで老けてないんだ。

もうあの人が古龍じゃないかと疑っている。

というか、「カムラの里」の住民全員がそんな感じだ。

まあそれは今はいいだろう。

双剣使いを引退した後、普通に子供を産んだらどうなるんだろうと考え、単為生殖は単為生殖でも腹で子供を育てていたらしい。

産んだ後は行方知れずになったっぽいので、その子供はさぞかし不幸だろうな。

 

「でしょうね。あの時の娘には悪いことをしたと思っています」

「ほんとだよ。黒蝕竜(ゴア・マガラ)としてアンタの娘に転生した私が言うんだから」

 

それにしても、私は随分壮絶な人生を辿ってきたもんだよ。

いや、竜生かな?

今でも人間だった頃の記憶は残っているけど。

母がいなくて寂しかったことや、双剣を体が慣れているかのように使えたこと。

そして、前世も黒髪であったこと。

……そういえば、私の両親の記録は聞いたことないな。

流石に人間なんだから人から生まれてるだろうという希望的観測でしかなかった。

チラッと有名な双剣使いの「リカ」に似ていると言われたくらいで――

 

「……そうですね。真実を伝えておきましょう。シャガリ、貴女は私の娘です」

「何を当たり前の――」

 

 

 

 

 

「あの世界での、この私、リカの娘です」

 

……は?

私は母の顔を凝視する。

その瞳は澄み渡っており、嘘を言っている風には見えない。

私には両親がいなかった。

それは、死んだとか行方不明とか推測されていたが……。

コイツが、私の母?

今世でも、前世でも……。

 

「久しぶり。私の娘、シャガリ」

 

私は固まった。

そりゃあそうだろう。

母が、ヴェルシャリカが、リカ……私の本当の母?

ちょっと、理解が追いつかないというか……。

 

「ちょっと待つのよさ!」

「……ラミリス!」

「アンタ、シャガリの母を気取ってるみたいだけど、アタシが今までシャガリの母をやってあげたんだからね!」

 

テントの幕をかき分け、ラミリスが入ってきた。

後ろからベレッタが着いてきている。

ただ、私はラミリスが放った言葉に心を震わせる。

そうだ。

ヴェルシャリカが母だろうとも、私にとって母はラミリスだった。

ラミリスは私のもう一人の母、しかしそれは私との確固たる絆で結ばれている。

 

「……そうですか。私は、やはり間違っていたのですかね」

 

そう言っているヴェルシャリカは、心なしか寂しそうな顔をしている。

それは後悔、そして今まで殺してきた娘達に懺悔するようで――

 

「――だったら、アンタも私の家族になればいいじゃないか。改めて、な」

「……全く、敵わないわね」

 

確かに渾沌にされた禍根もある。

前世の私を捨てたことも心にある。

だが、それ以前に家族であるならば。

理解し合うことが大事だ。

これはリムルからの受け売りだけどな。

 

「ありがとう、シャガリ。これからカルディナと改めて話をしようと思うわ」

 

「母さん」を見送り、湿っぽい雰囲気になった所でユリアが口を挟んできた。

 

《能力の最適化ができましたよ。あ、後私という相棒(パートナー)を紹介しないとですね》

「ははっ、相変わらずだな」

 

 

 

リムルに宛がわれた庵。

普段はリムルがゆっくりしているが、私もここでよく寝ている。

ということで、布団の上でリラックスしながら報告を聞くことにした。

こういうのはリラックスして聞くのが一番いいからな。

悩み事も解決できて清々しい気分である。

 

名前:ヴェルシャガリ=テンペスト・アルカーノ

[EP:6959万0646(+"虹刻之蝕刃(エクリプスwithフェイト)"2000万)

(+"アポピスXシリーズ"1000万)

(+"龍秘宝の耳飾り"500万)]

種族:渾黒龍(ミラ・マガラ)。最上位聖魔霊――"竜種"

庇護:渾纏の盟約(ファミリア)

称号:"龍奇姫(エキセントシスター)"、"渾闇竜"

魔法:<竜種魔法><暗黒魔法><元素魔法><精霊魔法>その他

能力:神智核(マナス):ユリア

固有能力

「渾龍覇気」「神鉄蟲糸」「回帰再生」

究極能力(アルティメットスキル)

渾纏之神(ウボ=サスラ)

神治之王(デミウルゴス)

耐性:物理攻撃無効、自然影響無効、状態異常無効、精神攻撃無効、聖魔攻撃無効、龍属性耐性

 

……ん?

えっと?

これは……。

やばい、のでは?

これって並列存在を四体出している状態で、だよな。

えーと、計算すると……1億1598万4410?

うん、バケモンだな。

前に驚かないと言ったが、流石に無理。

これの魔素(エネルギー)量が尽きるのが想像できない。

しかも、神話級(ゴッズ)だと思われる双剣が2000万だと。

いや、多分一本1000万なんだろう。

これだけでネーロ並みの存在値である。

そんな出鱈目な神話級(ゴッズ)があってたまるかという話だが、あるんだろうな。

後はアポピスXシリーズが一部位200万くらいで合計1000万か。

……で、プロトがくれた宝石はすごい性能だった。

アイツ、こんなものをポンと渡してきたのか。

……それじゃ、それぞれ権能を確認していくとしよう。

まずは「渾龍覇気」から。

これは、「竜霊覇気」という竜種独自の覇気に「渾沌覇気」を統合した奴だとか。

解放したら、覚醒魔王級でやっと耐えられるとかいうやば性能をしているぞ。

まあ多分ヴェルドラも似たようなもんだとは思うけどな……。

次は「神鉄蟲糸」

いつぞやに源蟲五神に与えた能力(スキル)だが、いつの間にか神の名を冠していた。

使いやすくなったことに変わりはないので、ちょくちょく使っているぞ。

次は「回帰再生」

私と盟約を結んだ者の再生能力すらプラスされて、時を戻すかのような凄まじい再生能力を発揮するとか。

そもそも私に攻撃を与えられる者がいるのか分からないけど。

……リムルなら普通に突破してきそうである。

そして次は私が作った権能を紹介しようじゃないか。

ユリアに自慢する感じで、究極能力(アルティメットスキル)神治之王(デミウルゴス)」を紹介する。

これに含まれる権能は――

 

神権発動(アノマリードミニオン)盟約之支配(ファミリアドミニオン)強欲支配(アヴァリスドミニオン)大悪魔の支配(エゴイスティックドミニオン)等の支配を統合した権能だ。

これらを強化しており、叡智之王(ラジエル)の権能のバックアップもここにとってある。

まあ、もう必要なくなったようだが。

 

片魂不滅:ラミリスや私の家族達との絆だ。

私と盟約を結んだ者達に全員が滅ぼされない限り不滅の加護を与える。

勿論私も例外ではない。

 

盟約核化:同じく私と盟約を結んだ者達を、エネルギー結晶にすることができる。

私の双剣にあるスロットにはめると多分威力が上がるとは思うのだが……。

危険すぎて試していない。

 

世界創造(イツワリノセカイ)迷宮創造(チイサナセカイ)を再現しようとしたのだが、何故か情報子が無尽蔵に供給されるナニカになってしまった。

"世界系"の権能を再現する感じに使っているが、能力の再現という形で使うことができる。

まあ、これは「情報世界」ありきなんだがな。

 

《素晴らしいです!この権能は私が権能を創造する過程でとても役に立ちましたよ》

「そうか?そりゃ良かった」

 

……それじゃあ、なんか異彩を放つ能力(スキル)の説明を頼む。

究極能力(アルティメットスキル)渾纏之神(ウボ=サスラ)

マトモじゃないのは分かる。

 

《まずですね、蝕欲者(ネフィリム)叡智之王(ラジエル)を統合して――》

 

おっと、しれっと私の最大戦力を統合させていくか。

流石はユリアというか。

 

《この「神権発動(アノマリードミニオン)」を使って源蟲五神を始めとした盟約を結んだ者達から情報を集め、それを情報世界へ保存した後、全て統合しました》

「マジかよ……」

《数千万を超える盟約の情報によって、最適化を繰り返した結果、これが完成したのです》

 

その渾纏之神(ウボ=サスラ)の権能はというと――

 

渾暴蝕:渾沌たる暴蝕の最終形態。

一片の情報子すら残さず蝕む。

 

渾纏:渾沌、情報子を纏う。

それはあらゆるモンスターの生態的情報である。

その時々に最適化される情報の力。

 

龍之支配:龍属性や、龍そのものを支配する権能。

"暴走する情報子"として、物質生命体、精神生命体関わらず致命的な影響を与える。

 

魂魄掌握:"情報子"そのものへと干渉することによって、対象の魂を掌握する。

魂を持つ者はそれに抗うことができない。

 

並列存在:もう一体の本体を作る。

劣化運用して、能力のバックアップや分身、並列演算、などに運用することも可能。

 

情報世界:情報子を貯め込む渾沌世界(カオスフィールド)

あらゆる情報を保存し、いくつもの世界を中に内包する。

その中ではヒトリの神となる。

 

マトモではなかったな。

私の蝕むという欲望(ネガイ)を極限まで凝縮したような権能だ。

神にでもなりたいのかという傲慢な権能である。

そういえば、無限思考とかの権能はどうなったんだ?

 

《それらの解析系の権能――「無限思考」「情報之究明」「情報具眼」「情報統括支配」は私に統合されています》

 

ちょーっと待て。

なんか、進化してない?

前に見た時ってもっとサラッとしてたよね。

 

《本当は渾纏之神(ウボ=サスラ)に複合しようとしていた権能だったのですが、世界創造(イツワリノセカイ)で再現可能なため、バックアップを取った後私に統合しました。全て上位互換へと進化させていますよ》

 

なるほどな。

こんなに強そうになってしまって、油断して負けそうだ。

そもそも技量(レベル)もウルティマ師匠とかの"原初"に比べたらそうでもないし……。

これはより一層頑張らないと、かませになって負けてしまうやつだ。

自分の胸に手を当てると、ユリアの"鼓動"を感じる。

ありがとう。私の最高の相棒(パートナー)

 

《当然です!》

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