日本最強、錆白兵の友達   作:113(いちいちさん)

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第拾壱話 柱の継子達

 少しの間気を失っていた炭治郎が目を覚ますと、先程までいた大通りは見る影も無く崩壊していた。

 

「(不味い・・・気絶していた!!宇髄さんと冨岡さんは!?)」

「俺が来たぞコラァ!!御到着じゃボケェ!!頼りにしろ俺をォォ!!」

「伊之助!!善逸!!・・・寝てるのか!?」

 

 炭治郎が状況を確認しようとしていると、そこに伊之助と善逸が合流した。

 

「くの一共が街の人間逃してる!!俺達は鬼を狩るぞ!!」

「そうか!宇髄さんの嫁さん達は無事だったんだな!よし!一緒に宇髄さん達に加勢してくれ!!」

「大暴れしてやるぜ!!この俺様伊之助様がド派手にな!!」

 

 すっかり宇髄に影響された伊之助達と共に炭治郎は二人の元へ向かった。

 

 

 

 

 妓夫太郎の攻撃を何とか凌いだ宇髄と義勇は、攻撃の余波で気絶した炭治郎と逃げ遅れた民間人を妓夫太郎から引き離す為、攻撃を仕掛けていた。

 

妬ましいなああ、お前ら本当にいい奴らじゃねぇかよ。そっちの黒髪はあの餓鬼庇って、こっちの柱は逃げ遅れた人間を庇ってなぁあ

「弟(弟子)を守るのは兄(弟子)として当然の事だ」

「俺達は鬼殺隊だ、堅気を守るのは当然の義務だぜ(コイツも結構鱗滝の影響受けてんだな)」

だがいつまで守りきれるかなぁあ 血鬼術 ()血鎌(ちがま)!!

 

 妓夫太郎は鎌を振るい無数の血の斬撃を放ち、宇髄と義勇はそれを迎え討つ。

 

水の呼吸・拾壱ノ型 凪!!

 

 義勇が斬撃を斬り払っている隙に宇髄が建物の陰を利用して妓夫太郎の背後に回り込み頸を狙い斬りかかる。

 

回り込んでも無駄だあ、曲がれ飛び血鎌

 

 妓夫太郎が念じると義勇に向かって撃ち出していた斬撃の一部が曲がり、宇髄に向かって飛んで行く。

 

「(斬撃自体操れるのか)」

 

 宇髄は冷静に状況を確認すると斬りかかるのを中断し、ロープを建物に引っ掛け無理矢理方向転換すると、懐から丸薬を取り出し妓夫太郎に向かって投げつける。

 

ドンッ!!

 

 丸薬は血の斬撃に当たると妓夫太郎の目の前で爆ぜた。

 

「まぁ、一筋縄にはいかねぇわな」

俺達は二人で一つだからなあ

 

 煙が晴れると、そこには帯に守られた妓夫太郎と堕姫の二人がいた。

 

お前らは違うなぁ、今まで殺した鬼狩り達と違う

「「・・・?」」

お前らは生まれた時から特別な奴だったんだろうなぁ、選ばれた才能だなぁ、妬ましいなぁ一刻も早く死んでもらいてぇなぁ

「・・・才能?ハッ!」

「・・・」

 

 妓夫太郎の言葉を聞いて心外だと言いたげな表情をする二人。

 

「俺に生まれ持った才能など無い」

 

 宇髄が何か言う前に義勇が話し出す。

 

「俺はいつも誰かに助けられて来た。蔦子(つたこ)姉さんに鬼から庇われた時から、真菰義姉さんに拾われ、最終選別でも錆兎に助けられた。誰かに助けられてばかりの俺には柱になる資格は無い」

「(コイツの異常な自己肯定感の低さはそれが理由か)」

 

 義勇の独白を聞いた宇髄は、彼の自己肯定感の低さに納得する。

 

「俺からも言わせて貰うぜ、()()()()()()()()()()()()()()()()テメェの人生幸せだな」

・・・・・・

「この国はな、広いんだぜ?凄ェ奴等がウヨウヨしてる」

 

 そう言って宇髄は悲鳴嶼、時透、そして黒兵衛の姿を思い浮かべる。

 

「(聞けばただの農家だってのに、いつもヘラヘラ笑いながら全部掬い取って行きやがる。嫁の話を聞きたがる癖に本人は女の影すら無ぇ、剣一筋の剣術馬鹿)」

 

 宇髄は二人を見て獰猛な笑みを浮かべて言う。

 

「お前らなんざ鬼殺隊の大黒柱にかかりゃ十秒保たねぇだろうよ!!」

ぐぬぅう・・・

 

 妓夫太郎は二人を見て首を掻き毟る。しかし、

 

まあいい、どうせお前たちはもう直ぐ死ぬからなあ。俺の"血鎌"は猛毒がある、いつまで耐えられるかなああ?

 

 実は最初の一撃の時点で二人の身体には毒が回り始めており、元々忍の訓練で毒に耐性のある宇髄とカナエの作った解毒薬を隙を見て使った義勇は何とか耐えていたが、それでも打ち消せない程強力な毒である為じわじわと体を蝕み始めていたのだ。

 だが、それでも二人は鬼から人々を守るため立ち続ける。

 

「いいや全然効いてないね、踊ってやろうか?絶好調で天丼百杯食えるわ派手にな!!」

「俺も鮭大根なら百杯食える」

 

「俺を忘れちゃいけねぇぜ!この伊之助様とその手下がいるんだぜ!!」

 

 そしてそこに炭治郎達三人が合流する。

 

下っ端が何人来たところで幸せな未来なんてまってねぇからなあ。全員死ぬのにそうやって瞳をきらきらさすなよなあぁ

「(手が震える・・・疲労からだろうか、それとも・・・恐れ。いやそれでも、それでも俺は、俺達は)」

「勝つぜ!!俺達鬼殺隊は!!」

 

 炭治郎の心の声に続くかのように声高らかに宣言する宇髄。

 

勝てないわよ!頼みの綱の二人共毒にやられてちゃあね!!

「(毒・・・!?)」

「余裕で勝つわボケ雑魚がァ!!毒回ってるくらいの足枷があってトントンなんだよ!!人間様を舐めんじゃねぇ!!」

 

 徐々に毒が回り始めてもなお彼は余裕綽々で話を続ける。

 

「こいつらは四人共優秀な俺達柱の”継子”だ!!逃げねぇ根性がある!!手足が千切れても喰らいつくぜ!!」

「フハハ!まあな!」

「そしてテメェらの倒し方は既に俺が看破した!()()()()()()()()()()()()()()()()、そうだろ!」

 

 その言葉に妓夫太郎は顔を顰める。

 

「そうじゃなけりゃそれぞれに能力を分散させて弱い妹を取り込まねぇ理由がねぇ!!ハァーーッハ!!チョロいぜお前ら!!」

「グワハハハ!!なるほどな簡単だぜ!俺達が勝ったも同然だな!!」

 

 宇髄のテンションについて行く伊之助。

 

「炭治郎!!伊之助!!善逸!!お前ら三人は妹を殺れ!!コイツは俺と冨岡でかたをつける!!」

「はい!!」

「おうよ!!」

「・・・!!」

 

 宇髄の号令とともに真っ先に動き出す善逸。彼は堕姫に技を打ち込むと彼女を屋根の上まで弾き飛ばした。

 そしてその後を追い炭治郎と伊之助も屋根へ駆け上がる。

 

お前・・・!!あの時の!!

「俺は君に言いたい事がある・・・耳を引っ張って怪我をさせた子に謝れ」

 

 善逸は堕姫に対して道徳を語るも、彼女はそれを全く聞き入れない。

 

「自分がされて嫌だったことは人にしちゃいけない」

・・・違うなあそれは

人にされて嫌だったこと、苦しかったことを人にやって返して取り立てる。自分が不幸だった分は幸せな奴から取り立てねぇと返せねぇ

「「それが俺達の生き方だからなあ。言いがかりをつけてくる奴は皆、殺してきたんだよなあ」」

 

 堕姫の額にもう一つの目が現れる。

 

「「お前らも同じように喉笛かき切ってやるからなああ」」

 

 それぞれの戦いが幕を開ける。

 

 

 

 炭治郎、伊之助、善逸の三人は堕姫からの攻撃を必死に避けていた。

 

アハハハハッ!!全部見えるわアンタ達の動き!兄さんが起きたからね!これがアタシの本当の力なのよ!!

「うるせぇ!!キンキン声で喋るんじゃねぇ!!」

 

 伊之助が縦横無尽に動きながら頸を狙うが、彼の下に帯が殺到する。

 

獣の呼吸・肆ノ牙 切細裂(きりこまざ)き!!」 

 

 伊之助は迫りくる帯を斬り裂き前へ進むが、彼の背後から回り込んだ帯が迫る。

 

水の呼吸・漆ノ型 雫波紋突(しずくはもんづ)き!!」 

 

 しかしそれを狙って炭治郎が技を繰り出し、帯を一纏めに突き刺し動きを封じる。

 

雷の呼吸・壱ノ型 霹靂一閃!!

 

 そしてその隙に善逸が飛び出し頸を狙うも、直前で新たな帯が出現し攻撃を防がれる。

 善逸は迫りくる帯を斬り払うが更に別方向からも帯が迫る。

 

ムウウウッ!!

 

 そこに炭治郎の背中の箱から飛び出した禰豆子が割って入り帯を引き裂き善逸を守った。

 四人は一旦堕姫から距離を取り防御姿勢で集結する。

 

「チッ!一筋縄じゃいかねぇな!!」

「だが今ので分かった。勝機はある!」

「ああ!一人じゃ勝てなかったけど、皆となら見える!勝利への糸口が!!」

「むん!」

何を盛り上がってるのか知らないけど、アンタ達じゃアタシに勝てないわよ!

 

 堕姫の攻撃を避けながらも三人は作戦を立てる。

 

「見えたぜ!!二刀流の俺様が突っ込む!!お前らは俺を守れ!!これで勝てるぜぇ!!」

「わかった!!善逸、伊之助を守ろう!!」

「うん!!」

「・・・むーぅ!!」

「!・・・待ってくれ二人共!禰豆子が何か!」

 

 いざ動き出そうとする三人だったが、そこに禰豆子が待ったをかける。

 

「どうしたんだ禰豆子?」

「・・・むん!!」

 

 すると禰豆子は自身の腕を傷つけ血を吹き出させる。

 

何やってんだオマエェ!?

「禰豆子ちゃん!?」

「禰豆子!?まさかお前!」

 

 そして彼女はそのまま三人の日輪刀の刀身へ自身の血を浴びせる。

 

「(血鬼術 爆血(ばっけつ)!!)」

 

 禰豆子の血鬼術により刀身が燃え上がる。それにより刀の切れ味が格段に上がった。

 

「何だコレスゲェ!!」

「これは!」

「そうか・・・ありがとう禰豆子!」

「むん!」

「よくわかんねぇけどこれならアイツも楽勝だな!!」

「よし、行こう!!」

 

 燃え上がる刀を持った三人は堕姫の下へと走り出す。

 

何だかわからないけど、無駄よ!!

 

 堕姫は三人へと帯を放つが、三人はそれを次々と斬り落として行く。

 

水の呼吸・参ノ型 流流舞い!!

雷の呼吸・壱ノ型 霹靂一閃・八連!!

「なっはっはっ!!猪突猛進!!猪突猛進!!」

こいつら、さっきまでと様子が・・・!!

 

 堕姫は先程までとは比べ物にならない勢いで迫る炭治郎達に気圧され焦るが、時既に遅く伊之助の刃が頸まで届く。

 

獣の呼吸・陸ノ牙 乱杭咬(らんぐいが)み!!」 

不味い!!

 

 

 伊之助の持つ二刀の刃が頸を挟み込む。彼女は咄嗟に頸を守るため力を頸に集中させる。

 

雷の呼吸・壱ノ型 霹靂一閃・神速!!

ヒノカミ神楽 円舞(えんぶ)!!

 

 しかしそこに善逸と炭治郎が加勢し左右から斬撃を重ねる。

 

「「「うおおおおおおおッッ!!」」」

・・・!?

 

 三人の刃により堕姫の頸は斬り落とされた。

 

 

 

 

 

 宇髄と義勇は妓夫太郎との激戦を繰り広げていた。

 

音の呼吸・伍ノ型 鳴弦奏々(めいげんそうそう)!!」 

水の呼吸・参ノ型 流流舞い!!

 

 宇髄は日輪刀を高速回転させ斬撃を斬り払いながら前進し、義勇もまた最小限の動きで斬撃を躱しながら妓夫太郎へ近づく。

 しかし、そこに堕姫の帯による援護が入り二人は再度距離を取る。

 そこに毒から回復した雛鶴が現れ射出機により大量のクナイを妓夫太郎目掛けて撃ち込んだ。

 

「(!!・・・何だクナイか。まあ当たった所でこんなもの・・・いや、そんな無意味な攻撃今するか?)」

 

 一度は無視しようとした妓夫太郎だったが、嫌な予感がしたため防御する事に決めた。

 

血鬼術 (ばっ)弧跳梁(こちょうりょう)!!

 

 妓夫太郎は自身を中心にドーム状に斬撃を繰り出し、全てのクナイを弾き飛ばした。

 

「(オイオイオイ何だ何だコイツは、突っ込んでくるぞ)」

 

 そこに自身にクナイが刺さるのもお構い無しに宇髄が突撃する。

 

キンッ!!

!?

 

 弾き飛ばされたクナイを更に義勇が弾き、宇髄を迎え討とうとしていた妓夫太郎の腕に突き刺さった。

 それと同時に宇髄が太刀を振るい妓夫太郎の両足切断した。

 

「(足が再生しない?やはり何か塗られていたこのクナイ。体がしびれ・・・)」

 

 クナイの毒により動きを封じられる妓夫太郎に宇髄と義勇が斬りかかる。

 

「(お願い効いて!ほんの僅かな間でいいの!そうしたら誰かが必ず頸を斬れる!!)」

 

 しかし、雛鶴の願いも虚しく毒は分解され両足が再生する。

 

いやあ良く効いたぜこの毒はなあ 血鬼術 円斬旋回(えんざんせんかい)・飛び血鎌!!

「ッ!?音の呼吸・伍ノ型 鳴弦奏々(めいげんそうそう)!!」 

「ッ・・・水の呼吸・拾壱ノ型 凪!!

 

 妓夫太郎からの反撃をそれぞれの技で受け流す二人。

 しかし、攻撃が止むと妓夫太郎の姿が何処にも無かった。

 

「!?・・・雛鶴!!」

「天元様!!私に構わず・・・」

よくもやってくれたなああ、俺はお前に構うからなああ

「「!?」」

 

 雛鶴の背後に妓夫太郎が現れ彼女の首を絞める。

 宇髄と義勇が助けに向かおうとするも帯に遮られ近づけない。

 

やめろーーッ!!

 

蟲の呼吸・ 蜻蛉(せいれい)(まい)  複眼六角(ふくがんろっかく)!!」 

 

 絶体絶命だったその時、妓夫太郎の背後にしのぶが現れ彼女の六連突きが決まる。

 

グッ・・・コイツ!!

 

 妓夫太郎は雛鶴から離れると、入れ替わる様にしのぶが彼女の前に立ち刀を構える。

 

「(何だああの刀は?)」

 

 しのぶの構える日輪刀は刃が殆ど無く完全に突き特化になっていた。

 

「(今調合できる中で最も強力な毒を打ち込んだ。頸を斬れない私にはこれが精一杯・・・どうかお願いします。宇髄様、冨岡さん!!)」

「(なっ・・・コレは!?)」

 

 すると妓夫太郎の身体が手先や足先から崩れ始め倒れそうになる。

 

胡蝶しのぶお前に感謝する!!

 

 この好機を逃がす筈もなく、宇髄と義勇が斬りかかる。

 妓夫太郎は咄嗟に鎌で防御しようとするも、指が崩れ落ち鎌が手から離れる。

 

しまっ・・・

 

 二人の刃はそのまま頸に当たり斬り裂かんとする。

 

「「うおおおおおおおッッ!!」」

・・・!?

 

 二人の刃により妓夫太郎の頸も斬り落とす事に成功した。

 

 

 

 

 

 二人の斬り飛ばされた頸は、まるで示し合わせたかのように同じ所に転がり落ちた。

 喜ぶのも束の間、妓夫太郎の体に異変が起こる。

 

ギュルギャギャギャギャギャアッッ!!

「『『『!?』』』」

 

 妓夫太郎の身体から血の斬撃の渦が巻き起こり周りの建物を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

「うーーー」

「・・・禰豆子?・・・ハッ!!」

 

 気絶から目を覚ました炭治郎が周りを見渡すと、まるで竜巻が過ぎ去ったかのように街全体が崩壊していた。

 

「ひどい・・・滅茶苦茶だ・・・・他の皆は!?」

 

 禰豆子と共に少し歩くと善逸の声が聞こえてきた。

 

起きたら体中痛いよおおお誰にやられたのコレ痛いよおお!!

「無事か!!良かった」

無事じゃねぇよおお!!

 

 そしてその近くには伊之助も倒れていた。

 

「伊之助ーっ!伊之助しっかりしろ!!」

「・・・・・・腹減ったなんか食わせろ!!

「良かった・・・皆無事だ」

 

 

 

いやあああ死なないでぇ!!死なないでくださぁぁい天元様あ~~~!!

「うるせぇな、こんくらいで死ぬか馬鹿・・・だが、流石にくたびれたな」

「申し訳ありません。姉さんなら完璧な解毒薬が作れたのですが、私には症状を遅らせることしか・・・」

「いや、本来ならとっくに死んじまってんだ。ありがとな胡蝶妹」

「俺も感謝している」

「・・・とにかく!急いで姉さんに連絡して薬を・・・」

 

 女性陣四人に看病される宇髄と冨岡。

 彼らは毒により動けなくなっているが、しのぶの調合した薬により何とか進行を遅らせていた。

 

「むー」

『『『???』』』

 

 そこに禰豆子がひょっこり現れ、宇髄と冨岡の身体に手を触れると二人の身体が燃え上がった。

 

ギャアアアッ!!何するんですか誰ですか貴女!!いくらなんでも速いです火葬が!!まだ死んでないのにもう焼くなんて!!

 

 禰豆子の能力を知らない彼女達は仰天し、須磨が禰豆子を引き剥がす。

 

「ちょっと待て、こりゃ一体どういう事だ?」

「・・・毒が消えている」

「「「「!?」」」」

「禰豆子の血鬼術が毒を燃やして飛ばしたんだと思います。俺にもよくわからないのですが・・・」

 

 毒が消えたことに喜ぶ皆。その中でしのぶは一人禰豆子の能力に着目する。

 

「(鬼の毒だけ燃やす?これを応用できれば私の毒や姉さんの薬も更に・・・とりあえず帰ったら禰豆子さんの血液を採取させて貰わないと・・・)」

「むうー・・・」

 

 思考するしのぶになにか嫌な予感を感じ後退る禰豆子。

 

「・・・ありがとう、禰豆子」

「むん!」

 

 姉弟子である真菰に倣い禰豆子の頭を撫でる義勇と、それに喜ぶ禰豆子。

 その後炭治郎は鬼の頸を確認するため皆から離れ、その途中血を採取すると激しく言い合う二人の頭を見つけた。

 

お前なんか生まれてこなけりゃ・・・!!

「嘘だよ・・・本当はそんな事思ってないよ、全部嘘だよ・・・」

 

 炭治郎は妓夫太郎の口を塞ぐと話し出した。

 

「仲良くしよう。この世でたった二人の兄妹なんだから」

 

 炭治郎は話をしながら、この二人は自分自身のもしもの姿だと思った。

 そして、先に堕姫の頭が塵となって消えた。

(うめ)!!・・・そうだ・・・俺の妹の名前は”梅”だった。”堕姫”じゃねぇ、酷い名前だ・・・)」

 

 

 

 

 

「仲直りできたかな?」

「・・・むん」

「・・・そうだね」

 

 炭治郎と禰豆子は塵になった妓夫太郎を見送った。

 

 

 

 

「ふぅんそうか、ふぅん。陸ね、一番下だ上弦の。陸とはいえ上弦を倒したわけだ、実にめでたい事だな、陸だがな。褒めてやってもいい」

 

 到着早々ネチネチとした喋り方で宇髄を褒める伊黒であった。

 

「いやお前から褒められても別に・・・」

「そうですよ!!」

「随分遅かったですね」

「おっおっお遅いんですよそもそも!!来るのが!!おっそいの!!」

シャァーッ

「ギャーーッ!!」

 

 伊黒に言い返すも、伊黒の相棒である白蛇の”鏑丸(かぶらまる)”に威嚇されビビり散らす須磨。

 

「助けてください黒兵衛さぁぁん!!」

「なっはっはっ!こう見えてコイツなりに精一杯褒めてんだ。許してやってくれ」

 

 そして今更登場した一応今作の主人公らしい鬼殺隊の大黒柱、艶黒兵衛。

 彼はそのまま義勇としのぶに近付くと頭を撫でる。

 

「よくやったな、義勇、しのぶ」

「・・・はい」

「撫でないで下さい!」

 

 真菰に撫でられ慣れている為されるがままの義勇と子供扱いされたくなくて逃げるしのぶ。

 

「まぁ、何にせよ着実に育ってきてるぜ?お前の大嫌いな若手がな」

「・・・ああ」

 

 宇髄と伊黒は義勇としのぶ、そして集まってきた炭治郎達未来の柱候補達を見てそう言った。

 

 

 

 

「そうか、倒したか・・・!上弦の陸を・・・!よくやった天元、義勇、しのぶ、炭治郎、禰豆子、善逸、伊之助・・・!」

 

 上弦の陸討伐の報告を聞いた耀哉は、既に寝たきりになっている身体を起こし喜びを噛みしめる。

 

「着実に近付いている・・・!鬼舞辻無惨・・・!お前の所に・・・!!」

「耀哉様、お体に障ります」

「大丈夫だよあまね・・・!今の私は最高に気分が良いんだ・・・!」

 

 耀哉の体調を心配するあまねであったが、彼の既に見えない瞳は今だ光を失っていなかった。

 

「待っていろ鬼舞辻無惨・・・!!私の命が潰える前に必ずお前を引きずり出してやる・・・!!」

 

 

 

 何とか一人も欠けずに上弦の陸を討伐した炭治郎達。次回の舞台は鬼殺隊士の命、日輪刀が作られている刀鍛冶の里でございます。




大正コソコソ噂話
・その一
 白鴉と鏑丸はお互い身体が白いからか仲が良く、言葉は通じないが意思疎通ができるそうです。
 因みに二匹が並んだ姿は女性隊士に人気で、特に甘露寺が凄く喜んでくれるため三人が集まる時は二匹が甘露寺に構われ、その光景を伊黒と黒兵衛がホッコリした顔で見守っている事が多いらしい。
・その二
 宇髄と黒兵衛の仲は微妙だが、嫁三人とは割と仲が良く、天元様自慢大会と言う名の惚気話をニコニコ顔の黒兵衛が延々と聴いている姿が度々目撃されているとかいないとか。
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