ダンジョンで漫才している攻略者が居るらしいぜ! 作:華厳秋@英国紳士
佐々木:「さて、次の案件やけど――
“極度のクレーマー型モンスターが出現。職員5名が精神崩壊。”」
馬場:「ついに来たか……俺の天敵」
佐々木:「違うやろ、お前が天敵やねん。あらゆる上司にとっての」
馬場:「でも安心せぇ佐々木。今回はな、クレーム対応用に――
“実家の母ちゃんの幻影”召喚できる魔具、持ってきたで!」
佐々木:「それが一番しんどいパターンやねん!!あの圧、ダンジョン級やぞ!?
てか自前のトラウマで相手を封じに行くなや、マジで」
(奥からリッチ登場:小柄で白髪巻き髪のBBA系)
クレーマーリッチ:「あのねぇ!!ダンジョンの段差、危ないのよ!訴えるわよ!?
あと何よこのモンスター!お肌の水分、全部持ってくじゃない!!」
佐々木:「お前が乾燥しとんのは、モンスターじゃなくて性格や」
馬場:「やばい、リッチのクレームが物理化しとる……!言霊でダメージきとるぞ!」
佐々木:「俺のメンタルに耐魔法装備とかないからな!?行政職に“精神防御+3”つけとけ、今すぐ法律変えろ」
クレーマーリッチ:「ちょっと!あんた達、名刺あるの!?所属どこ!?課長呼びなさいよ課長!!」
佐々木:「はいはい、今すぐ呼びます。あ、課長です(※名ばかり)」
馬場:「あ、ワイが副課長補佐代理見習いや(※自称)」
佐々木:「今ので相手の怒り、2倍なった件」
(突然、馬場が前に出る)
馬場:「――おばちゃん、言いたいことは分かる。
ダンジョンは日常の場であってほしい。生活インフラとして整備してほしい。
でもな、一つだけ言わせて」
佐々木:「おぉ?まともなこと言いそう……?」
馬場:「リッチは死んでる時点で“住民票”存在しません!!」
佐々木:「ど正論やけど言い方ァァァ!!!」
\バチィン!(ビンタ系魔法炸裂)/
佐々木:「お前、今の一言で俺ら定年までクレーム処理班確定やぞ!?
異動希望書く暇あったら身の回り片づけとけ!」
馬場:「じゃあせめて、メンタルケア手当支給してくれ」
佐々木:「お前に必要なのはケアじゃなくて隔離や」
(クレーマーリッチ、最終フェーズへ変身)
クレーマーリッチ:「私の若い頃はねぇ!こんな対応じゃ済まなかったのよ!!上司も土下座したのよォ!!」
佐々木:「ついに始まったぞ、BBA型モンスターの奥義――“昭和の記憶”」
馬場:「――でも、佐々木。ひとつ、忘れてへんか?」
佐々木:「何を?」
馬場:「俺たち、今、“苦情受付特別訓練”受けてた最中やろ?」
佐々木:「いや現場やぞこれ!?演習じゃなくて実戦やんけ!!」
(馬場、ポーチから“住民満足度アンケートフォーム”を投げる)
\ペタッ/(額にヒット)
クレーマーリッチ:「……あら。これは、書きたくなるわね」
佐々木:「まさかの“文句言わせると黙る”タイプ!?」
(リッチ、満足げに退場)
クレーマーリッチ:「今日の職員さんたち、まあまあ良かったわよォ~」
佐々木:「……まさか、アンケート一枚でクリアできるとはな」
馬場:「紙一枚、心の壁を壊す」
佐々木:「いや上手いこと言うな。てかそれ、俺らが壊れてる最中に言うな。」