燈矢が目覚めて、1週間が経過した。
そう。この施設からの脱出の実行日だ。
燈矢が目覚めて以降、私はしばらく情報収集に徹していた。
例えば、この施設の間取り図を盗って来て脳内にまるまるコピーしたりだとか。
それによって、脱出経路を計5つ確保することに成功した。
普通に許可をとって外に出て、そのまま失踪すれば良いではないか。と思うかもしれないだろう。
実際、私達も最初はそう思っていた。
しかしこの施設は、外出は申請しなければならない上、そのくせ施設の従業員同伴でなければならない。
明らかに脱走を封じている。
故に、こうして怪盗よろしく脱出する他なくなってしまったというわけだ。
だが、この施設は存外穴が多かった。勿論、物理的な穴ではない。
子供が相手だからと侮っているのだろうか、
まあいい。私達からしたら絶好のチャンスであることには間違いない。
「燈矢。迎えに来たぞ」
私とヒミコは、ピッタリくっつきながら移動してきて、燈矢の部屋に入った。
「うん、準備はできてるよ」
燈矢も、この1週間で順調に喉が回復していき、今やしっかりと喋れる様になっている。
燈矢を迎え入れた私たちは、私の考案した脱出経路へ向かう。
ちなみに、向かう場所は庭の塀だ。
間取り図には、何ヶ所も穴がありはしたが、とても罠臭い物ばかりだったのだ。
私や、ヒミコは個性を使えば簡単に抜けられるだろうが、燈矢の個性は戦闘向きであって、私の様なハイブリットや、ヒミコの様な潜入特化でもない。
故に、1番の安全策を講じることにした。
それは、この施設の庭にある塀の穴だ。
これは、間取り図の“穴”の様な情報的な物ではなく、物理的な物だ。
どうやら、昔、この施設にいた子供が職員に秘密で開けた穴らしく、職員側にも知られておらず、児童の中でもしっているものは数人のみだった。
「……ここだな」
巡回する職員達をアノマリー347、透明女の能力を駆使し、掻い潜る。
私の扱うアノマリーの能力は、オリジナルを超えている。
中でも、入手時期がそれなりに早かった透明女は、既に他人にも作用できるほどになっている。
詳細としては、私の周囲半径2m以内にいる人間全員に作用するのだ。
まあ扱い方によっては不利にもなりえる能力になってしまったが、今は好都合でもある。
ちなみに、ヒミコと私がくっついて燈矢の部屋に向かったのは、これの為だ。
「……小さいですね」
穴をジッと見ながら、ヒミコは言った。
「…まあ最悪私が個性で全員を縮めれば…」
「ダメです」
「……だよな」
使おうと思っていたアノマリーは、280-JPだが…。最悪“消失”する可能性もあり得る。
ヒミコが嫌がるのも当たり前だろう。
「それじゃあ。行こうか」
事前に話し合っていた順番で穴を潜る。
私、ヒミコ、燈矢の順番だ。
穴を塞いであった板を取り外し、私が穴に入る。
「気をつけてくださいね」
ヒミコの声を聞きながら、私は屈んだ状態で進む。
真っ暗で何も見えない。
手探りでなんとか進んで行く。
と、その時だった。
「一体ソコで何をしてるのサン」
院長の声が。聞こえた。
「っ! マズい!」
私は、狭い中でなんとか方向転換をし、再び入り口に向けて早足で移動する。
私を出迎えたのは、ヒミコの髪を掴んで宙に浮かせるサンサン晴明と、手から弱々しい炎を出しながら威嚇する燈矢だった。
そういえば思ったんですが、ホロラバ全っ然投稿してなかったから投稿したいんですよね…。
まあストックないから厳しいんだけど…あはは……。
待ってる人いたら大変申し訳ないです…。