転生した。隣の席がマトウさんだった。   作:ボヨンボヨン

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お気に入り増えててビックリしました。
ちなみにこの作品、『学校始まっちゃった』、『最後にsnプレイしたの2年くらい前だから読み返さないといけない。』、『ブルアカ二次を同時に書いてる』ていう私の身勝手な理由のせいでおそらく亀更新になります、すみません。


神父襲来

 

「マトウ、お前この問題わかる?」

 

「………」

 

「マトウ、お前の好きな給食なに?」

 

「………」

 

「マトウ、嫌いな食べ物あるなら頂戴」

 

「………」

 

「マトウ、運動会楽しかったな!」

 

「………」

 

「マトウ、マトウさん、マトウ様〜、返事をしておくれ〜」

 

「………」

 

「マト「………………………」

 

マトウと隣の席になってから3ヶ月と少しが経った。

俺は毎日何かしらの理由をつけてマトウに話しかけているが、結果は全敗。

何を言っても無視されている。

まぁ、しょうがないといえばしょうがない。

臓硯の支配下にいるマトウに、俺のような羽虫にかまっている余裕なんてないだろうから。

だが、これからも根気強く声をかけ続ければ、いつかは返事をくれるはずだ。

 

………客観的に見て、女に無視されてもずっと話しかけてる男ってめっちゃキモい気もするが、気の所為だろう。

 

しかし、今日は何をしようか。

今日は日曜日で学校が休みだ。

しかも明日も祝日で休みなので、土日月の三連休。

普段の休日は友達と遊んだりしているのだが、今週は三連休ということで仕事を休む親が多いため、俺の友達は皆家族とのひと時を過ごしていて遊べない。

 

ん〜、お腹減ったし、外食でも行ってみるか。

普段は節約のために外食なんて行けないけれど、偶には少しくらい贅沢しても良いだろう。

そうと決まればどこに行こうか?

まぁ、外に出てから考えればいいや。

 

これからすることを決めた俺は、ベッドから起き上がり、歯磨きなどをした後、外に出ようと家のドアを開ける。

 

するとそこには…

 

「今からインターホンを押そうと思っていたのだが、タイミングが良かったようだな。こんにちは。君は並月海永(アマエ)くんで合っているか?」

 

「………」

 

言峰…綺礼?

なんでこんな所に最終鬼畜系神父が…

 

「は、はい、ぼ、僕の名前は並月アマエです。逆におじさんは、格好からして神父さんですか?」

 

「あぁそうだ。」

 

「し、神父さんはどうして僕の家の前に?」

 

「なに、君と話したいことがあってね。」

 

「ぼ、僕と!?ひ、人違いですよ。僕と同姓同名の人と間違えているんじゃないんですか?」

 

「この冬木に『並月海永』という名前を持つ少年は君しかいないだろう?」

 

「あ…、え、う…」

 

「立ち話もなんだ、それに今は丁度お昼時。詳しい話は昼食を食べながらしようではないか。私の行きつけの店がある、馳走しよう。ついて来たまえ。」

 

そう言って言峰は私に背を向けて歩き始める。

 

あの男と話しても絶対にろくなことにならないよな…

どうする?逃げるか?

いや、逃げても捕まる自信しかない。

それに昼食をご馳走してくれるらしいじゃないか。

お金が有り余っているとは逆立ちしても言えない我が家の経済状況を考えれば、タダ飯というのはとても魅力的だ。

よし、大人しく言峰に着いていこう。

 

俺は言峰の隣に並んで歩く。

 

それにしても言峰は俺にどんな用があるのか…

『詳しい話は昼食を食べながら』なんて言っていたし、今聞いても教えてくれないんだろうな。

 

俺が言峰に目をつけられている理由の心当たりは二つある。

一つは『俺があの大火災の日に見た聖杯の穴を覚えていることを勘付かれた』という可能性。

聖堂教会の大規模暗示などの隠蔽工作によって、一般人は聖杯戦争に関することを記憶することができない。

ただ、俺の場合は『転生特典』の効果で記憶を保持することができている。

もしこれが言峰、つまりは魔術の隠蔽を掲げる聖堂教会にバレていた場合、俺は詰みだ。

良くても殺される、最悪の場合、転生者、特殊な異能持ちのサンプルとしてホルマリン漬けだ。

これらだけは回避したい。

だがどうしたものか。

さっき言ったように逃げるのは絶対にムリだし。

う〜ん…

 

「着いたぞ。」

 

え!?

もう!?

マズイ、思った以上に早く着いた…

俺が生き残るためには………って、ん?

『紅洲宴歳館・泰山』?

…………まじかよ。

いや、確かに言峰の行きつけといったらここだけどさ!

言峰登場のインパクトが強すぎたせいで完全に頭から抜けてた。

うろ覚えだけど、この店の料理って全部激辛だとかいう話じゃなかったか?

ヤバい、俺甘党で辛いの苦手なんだけど…

とりあえず、泰山の中でも随一に辛いらしい麻婆豆腐だけは、絶対に注文しないようにしよう。

 

言峰と一緒にドアを開けて店内に入って席に座りメニューを見る。

 

できるだけ辛くなさそうな料理を「大将、泰山特製激辛麻婆豆腐を三つ頼む。」

 

「え!?」

 

「あぁ勝手に頼んでしまってすまない。ただ、私のおごりなので許して欲しい。まぁ安心したまえ、ここの麻婆豆腐は絶品だ。」

 

………何を安心しろと!?

死んだ。

聖堂教会に消される前に火を吐いてしんでしまう。

 

………まぁ流石に大袈裟だが。

ふざけるのもここまでにしよう。

 

「それで神父様、何の用で俺の所に来たんですか?」

 

「なに、君に私の教会が運営している孤児院に入るか聞きに来たのだよ。」

 

二つ目……か。

 

「私は君のような、あの大火災で家族を失った子供達を引き取っている。齢6歳にして一人暮らし、君も日々心細いだろう。だが、孤児院に行けば君と同じような境遇の子達がたくさんいる。寂しい思いをすることはないと断言しよう。どうだ?君も我が孤児院に入る気はないか?」

 

「ないです。俺は貴方の経営する孤児院に入りたくないので。」

 

「ふむ、理由を聞かせてもらおうか。」

 

教会の地下室で、生きたままミイラにはなりたくないからです…とは言えるワケもなし。

だからと言ってウソを言えば、この聖人は見破ってくるだろうな。

なら…

 

「孤児院に入ると、たぶん隣町の宗教系の学校に編入させられますよね?」

 

「そうだな。だが、同じ孤児院の子供達もいるため、学友作りに困ることはないぞ。」

 

「別にボッチになるのを心配してるワケじゃありません。今いる学校から離れたくないんです。」

 

「ほう、それは何故?」

 

「友達になりたいヤツがいるんです。そいつ、いつも『私は不幸だ』みたいな顔をして気にくわないんです。アイツがどれだけ苦しいのか、アイツにどんな事情があるのかは分かりません。ただ、自分が不幸なのを言い訳に、些細な幸せを自分から手放しているのが苛つくんです。だから、俺はアイツに些細な幸せがあることを教えるまでは、今の学校から離れたくないんです。」

 

「………君は確か6歳だったか。その友達になりたい子というのは、もしかして間桐桜という名前かね?」

 

「………はい。」

 

「そうか………ならば君を孤児院に招き入れるのは辞めておこう。」

 

助かったぁ〜。

言峰なら、ほんの僅かな情報だけでも俺の友達が間桐桜と特定してくれるとは思っていた。

そして言峰からすれば、間桐桜と関わろうとしているヤツなんて愉悦の種でしかないだろうから、生かしてくれないか期待したけど…

今回は普通に運が良かったな。

なんか今回の件で一生分の運使った気がする。

 

「ただし…」

 

え?

 

「君の健やかな成長を見守るため、君には定期的に私の教会の手伝いをしてもらおう。安心したまえ、給金は色をつけて出すとも。」

 

「は!?え!?ふざ「アイ、マーボードーフおまたせアルー!」

 

「料理が来た以上、談話は一先ず中断だな」

 

そう言って言峰はスプーンを持つ。

 

カチャカチャカチャカチャカチャ

 

麻婆豆腐が来た瞬間言峰は無言で食べ始める。

 

「えっちょまカチャカチャカチャカチャカチャ

 

………なんか目の前で夢中に食われてるせいで、俺も食べたくなってきた。

………話の続きは麻婆豆腐を食べてからだな。

 

モグ

 

真っ赤な麻婆豆腐を口に入れた瞬間

 

「んっ!?」

 

口の中をとてつもない辛さが襲い、俺の意識は激辛の炎に飲み込まれた。

 

 

 

 

目が覚めると既に言峰は帰っていて、机の上にお代だけが置かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの珍種の小僧、これからどうなるのか見物だな。」

 

「珍種?少し大人びてはいたが、それ以外は普通の少年に見えたが。」

 

「ハッ、あんなものが普通であってたまるか。神秘を拒絶する体。この世界のものではない魂。愛を知らないが故に、愛に迷い壊れた精神。しかも自覚なしときた。」

 

「あれほどの道化はそうはいないぞ。」

 

夜の教会に、汚染された王の笑声が響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マトウ、泰山の麻婆豆腐だけは食うな。あれはマトモなヤツが食うもんじゃない。」

 

「………」

 

「今日も無視か…」

 




言峰の口調分かんない。
タスケテ
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